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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784093866101
作品紹介・あらすじ
業を背負う男たち、奇蹟のロードノベル
兄さん、今からあんたを殺しに行くよ――。
大阪ミナミでカレー屋を営む三宅紘二郎のもとに、ある日一通の絵葉書が届いた。葉書に書かれた漢詩に、紘二郎の記憶の蓋が開く。50年前、紘二郎の住む廃病院で起きた心中事件。愛した女、その娘、彼女たちを斬殺した兄……人生の終盤を迎えた紘二郎は、決意を固めた。兄を殺す、と。
思い出の旧車を手に入れ、兄の住む大分日田へ向かおうとする紘二郎の前に現れたのは、中古車店の元店長を名乗る金髪の若者・リュウだった。紘二郎の買ったコンテッサはニコイチの不良車で危険だと言う。必死に止めようとする様子にほだされ、紘二郎は大分への交代運転手としてリュウを雇うことに。孫ほど年の離れた男との不思議な旅が始まった。
かつて女と暮らした町、リュウと因縁のある男との邂逅、コンテッサの故障……道中のさまざま出来事から、明らかになってゆく二人の昏い過去。あまりにも陰惨な心中事件の真相とは。リュウの身体に隠された秘密とは――? 旅の果て、辿りついた先で二人の前に広がる光景に、心揺さぶられる感動作。2020年直木賞候補となり、いま最も注目を集める作家が贈る、渾身の一冊。
【編集担当からのおすすめ情報】
『雪の鉄樹』で本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2017』第1位、『冬雷』で「本の雑誌 2017年上半期エンターテインメント・ベスト10」第2位、第1回未来屋小説大賞 、『オブリヴィオン』で「本の雑誌 2017年度ノンジャンルのベスト10」第1位など、近年急速に注目を集める遠田潤子氏。2020年には『銀花の蔵』で直木賞初ノミネートを果たし、いま最も波に乗る作家の一人です。
最新作は、著者にとって初めてのロードノベル。真骨頂ともいえる、過去の翳を抱えた男たちの、時にユーモラスで時に心を切り裂かれる、濃密で熱い物語をぜひお楽しみください。
感想・レビュー・書評
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頑固なおじいちゃんが若者と旅するうちに打ち解けていくのが微笑ましい。
2人の過去が徐々に明かされていくが2人とも壮絶。これとロードムービー的な感じがマッチしてんのかしてないんか不思議な感じ。
どんどん仲良くなる2人のやり取りが癖になってきます。紘二郎がリュウの適当な感じを見て真剣に怒るとこがめっちゃいいです、パチンコ屋駐車場で怒るとこが1番良かった。
2人の取り返しがつかない人生が最後には考えうる限り最高の終わりなのでハッピーエンドです。
なにもかもいい話にしないのがいいですね。 -
ロードノベルはあまり読んだ事がなかった。
遠田潤子さんでロードノベルとは(°_°)
兄への復讐に向かうはずが金髪の若者と2人で兄の元へ向かう事になり…と言うお話。
今回も登場人物全てが可哀想(p_-)
だけど遠田さんなりのハッピーエンド笑
相変わらずグイグイ読ませる内容でした_φ(・_・
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力強く残る一冊。
兄さん、今からあんたを殺しに行くよ…衝撃的な言葉、血なまぐさい予感にいきなり心は逸る。
年の離れた男二人の出会い。
頼りない車が乗せる、つらい過去と想い。
こういう展開に弱い。
関係者それぞれのせつない想いが随所で心を掴み、揺さぶってくる。
まさに真の想い、姿はそれぞれの心の陰深くにひっそりと佇んでいるんだろうな。
リュウと紘二郎の二人が紡いだ時間は貴重かつ意味のある時間。
力強く涙と共に心に残る。
ラストの美しい描写が素敵。
静かなピリオドのようにもこれから光輝く星のようにも感じる余韻がたまらなかった。-
くるたんさん。おはようございます。
なんとな~く、くるたんさんもこの作品読まれたのじゃないかな~という気がしていて、やっぱり!昨日レビ...くるたんさん。おはようございます。
なんとな~く、くるたんさんもこの作品読まれたのじゃないかな~という気がしていて、やっぱり!昨日レビューされていたのですね。
一体、どんな凄い修羅場が待っているのかと思ったら、静かな幕切れでほっとする話でした。よかったですよね。2021/05/27 -
まことさん♪おはようございます♪
わ、ほぼ同時期に読んでいたんですね♪
これは遠田作品の中でも好きな作品になりました!
リュウと紘二郎の二...まことさん♪おはようございます♪
わ、ほぼ同時期に読んでいたんですね♪
これは遠田作品の中でも好きな作品になりました!
リュウと紘二郎の二人の心が通いあっていく過程が良かったな。
ラスト、美しかったですね。
誰もが救われた…そう思うとピリオドでもあり、救いの光、輝きでもあり…と感じました♪2021/05/27
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「殺してやる」と思うほど、誰かを憎んだことはありますか? 私は「死んでやる」と思うほど憎んだことがあります。憎しみからは何も生まれない──その通りだけど、憎しみにとらわれている間は絵空事にしか聞こえない。その頑なな心の変化を丁寧に描いています。私も「憎み死に」せず、生きてこの本を読むことができてよかったです。
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相変わらずストーリー展開は上手。
個人的にラストの手紙部分はここ数年読んだ小説の中で
一番震えました(いろんな意味で)。 -
何度も胸が締め付けられそうになった。戦後間もない昭和の家同士のしがらみや、人間模様に心を痛めた。令和になった今でも少なからずはあるだろう。
若者との出会いをきっかけに、現在と過去を徐々に受け入れていく高齢の主人公にも、もっと生きてほしいと願った。
2021,6/24 -
なんとも絶望的な悲しい内容から物語は始まります。
終わりも悲しいのですが、最初の悲しさとは違う
ある意味「ハッピーエンド」と言っていいような。
最近読んだ他の小説は、登場人物の気持ちが理解できず
「???」で終わったのですが
この『緑陰深きところ』は遠田さんの説明がわかりやすいのか、
すべての登場人物の気持ちがすごくよくわかる。
同じ経験などしていないのに、共感できるというか。
とてもいいお話でした。
読んで良かったです。 -
面白かった!
50年前、愛した女性とその娘と父が、兄に惨殺されるという、なんとも凄惨な過去を持つ主人公の物語だなぁ・・・と思いながら読み進めていたけれど、いろんな事がわかってくるに連れ重たさがとれていき、最後はタイトルのような、緑の深い、新たな気持ちになれるような、そんな物語でした。
50年たって兄を殺しに行くと、大阪から大分までコンテッサで向かおうとする主人公の紘二郎が、孫ほど年の離れたリュウと出会い、ひょんなことから二人で向かうことに。リュウと出会った事によって、事件以来、人と境界をなし、未来のない紘二郎が、人間らしさを取り戻し未来を得る姿、明らかになる過去、またリュウの正体、そしてリュウが持つ過去が、ロードノベルと相乗し、早く速く進みたくて、後半は一気読み。凄く面白かったです。
先日、同じ著者である遠田潤子さんの「紅蓮の雪」も拝読しましたが、こちらも心が震える作品でした。
遠田さんの小説は既に4冊目ですが、遡って他の作品も読んでみたいなと思いました。 -
遠田潤子さん、空気間がやっぱり好き。
悪い人は出てこないのに、みんながみんな少しづつの不幸が重なって取り返しのつかない事態までに追い込まれてしまった人たち。
みんないい人ばかりなのに。
ただ、主人公の 紘二郎の頑固じじいな感じがあまり好きじゃなかったけど、70歳のおじいさんだからこんなものか。
最後は感動。人生っていろいろな理不尽を飲み込みながら生きていくことなんだな。 -
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50年前に兄が起こした一家惨殺事件。残された弟(綋二郎)は事件のあった実家でひっそりと暮らしていたが、兄から突然届いた絵はがきは綋二郎に過去を思い出させるきっかけとなり兄への復讐を決意する。
ひょんなきっかけで知り合ったリュウと兄の住む大分、日田市へ凸凹コンビの旅が始まる。
74歳の綋二郎と25歳のリュウ、それぞれの過去がわかってくるにつれ世代の離れた二人の間に友情が育ってゆく過程がいい。
どんでん返しに近い結末が待っているが、この小説の肝ではない。 -
久々に心に響く小説を読めた。
コンテッサ、ネットで調べたら今でも通じる素敵なデザインの車。1960年台はさぞかし憧れの対象であったろう。
そのコンテッサを巡って知り合った二人の旅。それぞれの過去が少しずつ明かされていく。実は昔ちょっとした接触があったり、あまりに悲しい過去が明かされて、それがお互いの共通の悲哀になっていく。
登場人物それぞれの心情が細かく描かれていて心を打つ。
主人公は目的を達することは出来ないが、現実は思っていたこことではなく、解決できない過去に呻吟しつつ。最後は寂しいハッピーエンドか。 -
かつて時代錯誤なお家事情で引き裂かれた恋人が実兄に殺されて、何十年越しかにその復習として実兄を殺しに行くというストーリーなのに、本当に復讐を成し遂げてしまうのか!?ってことよりリュウの正体が気になって仕方なかった。
紘二郎とリュウの旅路と、紘二郎と睦子の恋愛パートが交互なこともあって睦子との恋が何十年も前のことのようには思えず、紘二郎もずっとそんな気持ちでいたんだろうか。でも最初から睦子の最期ありきで読むことになるので、幸福の気配がするたびに悲しくなった。
けどなんでそもそもそんな悲愴な最期に?という疑問が二段構えの真相で、なんか本当にしんどくてしんどくて…最終的に辿り着いた推測が真実だったら兄のこと私は憎めないし…
しかし中島の事情、つまびらかになった上で冒頭のやりとり思い出すと「お前どのツラ下げて!?」という気持ちにはなる。中島も苦しんでいたといえば苦しんでいたわけだけど。
リュウの病気がわかってからずっと泣きっぱなしで読んでて、ジュジュが会いに来てくれたのは本当に救いだった…リュウの気持ちはわからんでもないけど、ジュジュと紘二郎のほうにどうしても感情移入してしまうし…
ていうか香代さんがスゲー女すぎん!?
器がでかすぎるし愛が深すぎる、香代偉大すぎ。 -
前半は情報を小出しにする書き方で気になって止められなくなり、第三章で少し落ち着いて、第四章からは物語がどうなるのか気になって止められなくなって、あっという間に読んでしまった。
後半は町田その子さんと似た印象。
帯に大きく「兄さん、今からあんたを殺しに行くよ。」と書かれていて想像していたのとはまるで違う展開だった(苦笑)
泣かせにくるいい話&幼児虐待というのは女性作家あるあるなのかな。
町田さんより恥ずかしくなく読めるのは、主人公が無愛想な大阪弁の爺さんで、古い時代や漢詩など少し文学を感じる要素が盛り込まれていているから。
読みやすくて面白いのでおすすめです。 -
三宅とリュウ、過去から現在へ男二人の人生を辿る流れはまさにロードノベルらしく、旅と人生の繋がりが感じられる小説でした。
四天王寺や天王寺七坂が回顧の舞台になり、四天王寺で出会った二人が過去を辿るように大分県の日田へと向かいます。
大阪に住んだことがある人なら舞台になっている街も楽しめますし、個人的にはストーリーが四天王寺のもつイメージと重なります。リュウの人生は俊徳丸伝説を思い起こさせるところもあって、四天王寺界隈がメインとなっているのがしっくりきます。年の差のある男二人をつなぐ舞台が、大阪の中でも都会にありながら町並みの変化が少ない地域というのも大阪に住んでいる人間からするととても効果的に思えました。
家族、恋人、夫婦、親子の関係を考えさせられるところもあり、ロードノベルとしてもヒューマンドラマとしても深い作品だと思います。話の展開も早く、飽きませんでした。
観光を楽しめる内容ではありませんが、大阪に住んでいる人、旅行に来る人にすすめたいと思えました。うすら寒くない人情味もあるように読めて、そこも好きでした。 -
おまんじゅう多めのロードノベル。
兄を殺しに行く。と、70代のペーパードライバーが旧車コンテッサを購入。しかし購入したコンテッサはニコイチの不良車。
ペーパーでシルバーで不良車。違う意味で不安が付き纏いなかなか集中できませんでした。
そして何故か不良車を買ったお店の元店長が一緒に旅する事になります。金髪の謎の20代青年。謎の体調不良。
兄を殺したい理由、謎の青年の抱えるもの、解き明かされる程に哀しくなります。
最後の2人の会話良かった!! -
人の心の複雑怪奇さと奥深さを突き付けられる。
読み進むに連れ疑問が膨れ上がり、疑問が紐解かれる度に哀しみが募る。
50年前、愛した女とその娘を実兄に惨殺された紘二郎。
長年の恨みを晴らす為、兄を殺す決意を固め、思い入れのある旧車で大分へと向かう矢先に出逢ったのは25歳の青年・リュウ。
二人は共に6日間の旅に出る。
復讐劇とは思えない、ほのぼのとした雰囲気に気を許していると後半は息詰まる展開が待ち受ける。
白だと思っていた物は黒へ、黒だと信じきっていた物は白へ反転。
最後は緑陰の涼風の元、皆の心が救済された事を確信した。 -
ロードノベルは大好物です。しかも日本車の旧車も好きなので好きが重なって期待大でした。普通の作家さんであれば及第点ですが、遠田さんは名作多いので相対評価でこんなもんでしょうか。
数十年前の恨みを晴らすべく旅立つ主人公、そしてひょんなことから道連れになる若者。 -
兄を殺しに行くと始まった不穏な物語は、コンテッサに乗って旅する祖父と孫の様なロードノベルの雰囲気に変わる。ぎこちない二人に少しずつ心が通い合うのにほっとしてたら、漫才の様な会話の中に次々と明らかになっていく事実に戦慄した。
心に負った傷がどの様にして癒えるのか、それをラストで見せてもらいました。涙が止まりませんでしたが、あたたかい気持ちに満たされました。 -
スゴイ…。
著者プロフィール
遠田潤子の作品
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感想 :

うん、この新緑の季節の緑と、赤いコンテッサが心に残りますね。
深いところで誰もの思いがくすぶ...
うん、この新緑の季節の緑と、赤いコンテッサが心に残りますね。
深いところで誰もの思いがくすぶってもつれていたのかな。
そう思うとまた感慨深いですね。
リュウには泣きました。忘れられない遠田作品の登場人物の1人です。
ネタバレになりますが、私は中島のお姉さんの存在がよかったと思いました。
まさか○○していたとは!
母親想いのリ...
ネタバレになりますが、私は中島のお姉さんの存在がよかったと思いました。
まさか○○していたとは!
母親想いのリュウももちろん忘れられない人物ですね。