教場X 刑事指導官・風間公親

著者 :
  • 小学館
3.48
  • (24)
  • (74)
  • (108)
  • (16)
  • (0)
本棚登録 : 627
感想 : 87
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866156

作品紹介・あらすじ

二度のSPドラマ化で熱狂!「教場」最新作

●第1話 硝薬の裁き
益野紳佑の妻才佳は、半年前、車にはねられ亡くなった。事故の唯一の目撃者は娘の麗馨だった。警察は幼い麗馨の証言を採用せず、犯人とされた男は不起訴となっていた。
●第2話 妄信の果て
大学四年生の戸森研策は、地元新聞社から内定を得た。ゼミ論文の単位が取得できれば卒業も確定する。前途洋々の戸森のもとへ、担当教授から突然の連絡が入る。
●第3話 橋上の残影
経理事務の仕事をしている篠木瑤子は、十年前に恋人を自死により失っている。その死の原因となった男は刑期を終え、娑婆でのうのうと暮らしていた。
●第4話 孤独の胎衣
短大生の萱場千寿留は工芸家の浦真幹夫と関係を持ち、妊娠した。浦真は中絶費用を渡し、海外に旅立ったが、千寿留は新しい生命の誕生を待ちわびていた。
●第5話 闇中の白霧
名越研弥は、闇サイト経由で違法な薬物や商品を仕入れ、莫大な冨を得た。そろそろ足を洗いたいのだが、相棒の小田島澄葉を説得できずにいた。
●第6話 仏罰の報い
著名な有機化学者である清家総一郎は実験中の事故で両目に劇薬を浴び、一線を退いた。隠棲生活を送る清家の悩みの種は、娘・紗季の夫の素行だった。


【編集担当からのおすすめ情報】
二度のスペシャルドラマ化で
日本中を熱狂させた
「教場」シリーズ最新作にして最高傑作!

「捜査では、犯人のみならず刑事も追い詰められる。導きと成長の物語をぜひご堪能あれ」--長岡弘樹

犯人(ホシ)を落とせないなら、
警察学校からやり直せ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 風間教室の最新版。
    何時もながらの簡潔にして要領を得た文章ながら、風間の私生活を抜きにして人間模様も描き込んだ短編連作ですね。
    今回が風間警部補の現役最後の作品に成っていますから、いつに無く風間もかなり警察教本の代名詞のような鋭さを見せていました。
    この作家さんの作風がかなり好みに合うので引き続き読んでみたいです。

  • 県警随一のエースが1対1で指導にあたり、経験の浅い若手を育成する、風間道場。
    風間が右目を刺されて以降、警察学校へ異動になるまでを描く、連作短編集。

    シリーズ第5作。

    今回は手掛かりがわかりやすく、真相が最後までわからずひやひやしたり、驚かされる要素は少なかった。

    門下生たちの成長が中心。
    リアルな事件での、風間の指導を見れるのは、おもしろかった。

  • 面白かった。
    ドラマの印象が強すぎて、勝手に風間は脳内でキムタクに変換されてた。
    教官になる前の話だが、これもドラマ化してほしい。
    できるはずだ!

  • 県警本部刑事部捜査第一課に配属された新人刑事と事件解決を指導する教官・風間公親の活躍が描かれる六つの短編集。第三話「橋上の残影」で犯人特定の映像を撮影していたものが何であるか分かったとき、そのアイデアに驚かされた(ちょっと"痛み"も感じた)。

  • 風間が警察学校へ異動する前の捜査一課での「風間道場」を描く短編集。
    県警捜査一課のエース風間の元に送り込まれる若手の刑事たち。
    最初は風間を恐れ、なかなか本領発揮出来ない若手に、個別に独特の言葉を掛けながら、事件の解決に導いていく。
    面白いと言えば、面白いし、さすが「短編集のトリックスター」と言ったトリックの数々なのだけど、これをこのシリーズでやる意味があるのか?と思ってしまった。
    2年続けてSPドラマ化し、人気が出たのかもしれないけど、ドラマも見ず、シリーズ最初から作品のファンであり、作者の短編ミステリーも欠かさず読んでいる身からすると、ちょっとドラマでファンになった人に向けて、無理やり作られた感じがしてしまう。
    穿った見方なのは、十分承知しているし、ドラマも小説も好きな方がたくさんいることも理解しているのだけど、個人的には、やっぱり初期の教場の作品の方が好き。

  • 好きなシリーズです。
    まだまだ続くといいなと思います。
    千枚通し事件も気になります。

  • 読者と一緒に犯人探しをするコナン式ではなく、犯人が分かった状態で読み進める古畑式の構成。犯人が分かってても意表を突かれるオチが上手い。シリーズ前夜的な位置付けなのも興味深い。

  • 6話中の4話は、新人刑事と被疑者がたまたま似たような状態であったりする。
    話は単純だが、読みやすく面白かった。
    地図業界の秘密は知らなかったので少し驚いた。

  • ちょっと思ったのが表紙の風間教官の雰囲気が、1巻の頃と比べるとかなりキムタクよりに似せているな…
    とちょっと思った。もうちょい厳格で怖いイケおじなイメージがあったから若すぎる気もするけど…。
    今回も相変わらずの風間っぷり!
    犯人は勿論追い込まれるけど、読んでる読者も何故だがドキドキして追い込まれる。
    ただ読んでてちょっとだけ思ったのが、犯人達…あまりに人を殺したにしてはあっさりしていると言うか人間的感情があんまりないなと思った。
    勿論犯人の心情に重点を置いてる話ではないからあっさりしてるのがいいのだろうけど、ちょっとだけそこが気になってしまった。

  • 月9ドラマが思った以上に面白く、まだ読んでいなかったこちらの本を手に取りました。
    この本は、風間が片目を失ってから警察学校異動を命じられるまでの間の、「風間道場」のお話。

    短編一個一個で1時間ドラマ作れるくらいのクオリティのものが、6話。
    道場生である新米刑事たちが、それぞれの事件で入れ替わるものの、新米刑事たちの個性に応じたエピソードというのはほぼなくて、それは少し物足りなさを感じた。
    そして、風間もあまり怖くないような気が…。

    このシリーズの時系列(事実経過)的には、
    教場0
    教場X
    教場
    ・・・と続くわけだが、「教場」が一番風間さん怖かったな。

    孤独の胎衣という話で道場生が被疑者に、
    「赤ん坊の顔は左右対称って知っていますか?おとなになる過程で、周囲をうかがって作り笑いをしたりするから、大人は顔が歪んでる・・・」(大意)
    みたいなこと言うんだけど。う~~~ん、これは、同意できかねる。
    表情筋の話をしたかったのであればわかる気もするが、「左右対称」という表現はあくまでも顔の造形を指すのであって、赤ん坊でも片目だけ二重とか、左右非対称の子どもは大勢います。というか、完全な左右対称の顔は何十万人に一人?百万人に一人?くらいの少数者で、左右対称の顔した赤ん坊だってほぼいない。
    何が言いたいのかというと、こういう真偽不明、不正確なことを登場人物に言わせるのって私は好きではないのです・・・。
    特に短編ミステリーでは、全てのワードが解決の糸口だと思って読んでいるので、こういう謎セリフには混乱する。
    ・・・とはいえ、おとなになる過程で赤ん坊の頃の笑顔を失ってしまうというのはその通りであって、我が子の未だ左右対称の笑顔(赤ん坊のときから本当に変わらない)を見ると、この笑顔は何歳までかな(この笑顔を私に向けてくれるのは何歳まで)?なんて、時々ふと切なくなるようなこともあり、自分のセンチメンタルとこのセリフが妙にマッチしたりもした。

    本作を通して登場する、十崎(風間を襲って片目を失わせた男)と思われる通り魔犯は捕まらないまま。
    風間への挑発と思しき行為はエスカレートし、ついに警察内で匿われることになった風間。この十崎との対決はまだ先になりそうだ。

全87件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長岡弘樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×