恋愛の発酵と腐敗について

著者 :
  • 小学館
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866378

作品紹介・あらすじ

太宰治賞作家が描く大人の恋の群像劇 人生の経験を積んだ大人でも、恋愛だけは不器用なまま。太宰治賞受賞後第1作、錦見映理子が大人の恋と人生を鮮やかに紡ぎ出す。 不倫の恋に破れ、勤めていた会社を辞めた万里絵。知らない町で、夢だった喫茶店を開き、ここで穏やかに暮らしていこうと決心する。そんな矢先、店に奇妙な男が現れる。その男・虎之介は、商店街の一角にできたパン屋で働くパン職人。仕事においては高い技術を誇り、実直な職人気質な男だが、こと女に関してはだらしないことこの上なく、町の女達が翻弄される。そんなある日、自由奔放な虎之介に振り回されてきた女達に厳しい現実がつきつけられる。その後、女達に予想外の結末が訪れる。Apple Books限定先行配信・有料小説ランキング1位を獲得した小説、待望の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • パンを作ることが好きな男と関わりのある三人の女たちの恋愛事情。

    虎之介という彼は、ただ受動的で軽い男にしか見えないのだが、なぜか関わりを持ってしまう女たち。

    いったいどんなふうに収束するのだろうか…と気をもみながら読んでいく。

    なるほどこれは予想もつかなかった結末だ。

    恋愛において、良いとか悪いとかそういう結論だけを言えるものでもなく、いろんなかたちがあって、流れがあって落ち着くこともあれば、悲惨な結末になることもある。

    この物語は、パンに喩えているあたりからちょっと次元の違う別物感があった。
    味のある恋愛事情だった。

  • 『リトルガールズ』著者、錦見映理子さんインタビュー。「自分の価値観に向かって生きる各々の形」 | アートとカルチャー | クロワッサン オンライン(『クロワッサン』991号より)
    https://croissant-online.jp/life/85936/

    【新・仕事の周辺】錦見映理子(歌人、作家) 書かずにいられなかった小説 - 産経ニュース(2019/3/10)
    https://www.sankei.com/article/20190310-I7OOLQHSDVNSRNFLYQ3U4UBQH4/

    恋愛の発酵と腐敗についてはInstagramを利用しています:「『恋愛の発酵と腐敗について』サイン本を作成中です。 #ブクログ さんで2月10日からプレゼントのキャンペーンが始まります。 サイトやメルマガ等から、ふるってご応募ください。 書籍の情報及びご予約はプロフィールのリンクから‼️ #錦見映理子 #恋愛の発酵と腐敗について…」
    https://www.instagram.com/p/CZqwftxvzND/

    Eriko Nishikimi
    https://elikoloveroseyurina38.amebaownd.com/

    恋愛の発酵と腐敗について | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09386637

  • 読みやすい文章なのであっという間に読めた。
    内容は…なんとなくどこかで読んだことある話、かな。
    蜜に引き寄せられる蜜蜂よろしく、一人の男に吸い寄せられる女たち。
    でもあるとき我にかえって、手を取り合って前に進んでいく。
    そんな都合の良い話あるかい、と思うけど、みんなが幸せならそれでよいのかな。

  • 周りから見て、あの人はやめておきなよというタイプほど異性を惹き付けて、惹き付けられた人は相手との温度差など目に入らないほどはまってしまうのかも。

    若くない中年女が、磁石のように惹き付けられてパン屋の男と寝てしまい(しかも典型的なダメ男)、仕事や自分を見失ってしまう。
    客観的には執着のようだけど、本人は恋と信じて、自分を信じ込ませて尋常ではない行動に出てしまった。

    都合が悪くなると逃げ、女を替える虎之助にも、彼に惹き付けられる女たちにも共感できなかったが、虎之助という接点で女たちが結束して再生していくのはよかった。
    ただ、これも共感できないんだけど。

  • 発酵と腐敗は紙一重。
    恋愛をパンの発酵に例える。発酵と腐敗のボーダーとは。ドロドロした恋愛から思わぬ展開を迎え、これも発酵かもしれない。マリエの展開にもまさに発酵と腐敗を感じる。美味しそうなパンやランチが出てきて、お腹が空いてきた(^^)
    第三者からすると、他人の恋愛が発酵か腐敗なのか分かるかもしれない。なんで「恋愛→結婚→出産」なのかな。早苗の言う「恋愛をしたかっただけ」というのはよく分かる。

  • 装丁とタイトルに惹かれて。

    なんだかフランスあたりの映画みたいな話。
    誰とでも寝ちゃうパン屋さん。
    未亡人が翻弄され、
    不倫から逃げて身一つで始めたカフェの店主でさえ最後には。
    不倫相手だった男がやってきたのは引くわ。可哀そうに。

  • 人は生きているあいだ、何度も何度も、発酵と腐敗を繰り返す。
    美味しいパンを作るには、思い切り混ぜて、休めての繰り返しが不可欠で、そういった工程にはちゃんと意味があるから省略は出来ない。人生に起きることも同じで、恋愛とか仕事とか人間関係において、心の動きが激しい時と穏やかな時を繰り返しながら進んでいく、、その時々で体験したこと感じたことや出会い、全てが今の自分、これからの自分を形成していくんだなぁと、、、なんだか凄く深みのあるお話でした。

    辛いときに自分を励ます言葉のバリエーションを1つ増やせました。"これは美味しいパン(自分)作りのために必要な工程のひとつに過ぎない……"ㅎㅎ

    家族だから、恋人だから、友達だから、ビジネスで関わるから、メリットがあるからこの関係は大切にしなきゃいけない。何か理由をつけてじゃなく、一緒にいるとなんかよく分からんけど居心地いい。と思える関係を大切に出来たら素敵だなと、思わせてくれました。

  • パンを愛する男と、男に関わってしまった女たちの話。
    男はきっとパンも女も、「元気な子」にすることにしか興味をもてないんだろうなぁ。
    そこに愛があるのか、ないのか。どっちだろう。

  • なんだろう。
    なんかみんな気持ち悪い。
    虎之介の魅力がすごい(笑)さっぱり私にはその魅力はわからないけど。単にセックスアピールがすごいってこと?
    万里絵もなんか偉そうで気持ち悪いし、早苗も微妙だけど、なんかわかる部分はある気がする。
    三上さんが一番かわいそうかも。

  • パンを焼く
    サンドイッチ
    何度も休ませる

    出てくるお料理が美味しそうです
    お腹空きます
    図書館から借りた本

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著者プロフィール

一九六八年生まれ、東京都出身。フリー校閲者。また歌人として活動。未来短歌会所属、現代歌人協会会員。

「2018年 『リトルガールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

錦見映理子の作品

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