私はスカーレット (上)

  • 小学館
4.10
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本棚登録 : 451
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866774

作品紹介・あらすじ

世界的ベストセラーを林真理子が蘇らせた!

「あらためて読んだら、本当に面白い!
今まで読んだ自分のゲラのなかで最も興奮した」――著者

世紀のベストセラー小説『風と共に去りぬ』を、林真理子が最高のエンタテインメント小説として蘇らせた!
南北戦争期のアメリカ南部を舞台に、大農園のわがまま娘スカーレット・オハラが恋に破れ、愛のない結婚・出産をし、敗戦で何もかも失い困窮しながらも、持ち前の生命力で激動を生き抜く姿を、彼女の一人称で描くエンタメ一代記。
恋と戦争、仕事と友情、フェミニズム、波瀾万丈…全てアリ。スカーレットの激しさ、強さと可愛さ、ダイナミック過ぎる展開に、一度読み出したらページをめくる手が止まらない。今こそ読みたい極上エンタメ、怒濤の前篇。



【編集担当からのおすすめ情報】
マーガレット・ミッチェルの名作『風と共に去りぬ』をご存じでしょうか。映画版は史上最大のヒット作とされ、世界中で2000万部を超えると言われる大ベストセラーです。本書は、その名作と中学2年生の時に出会い、それによって作家の道へと導かれたと語る林真理子さんが、満を持して原点に挑んだ作品です。ダイナミックな物語はそのままに、ヒロイン・スカーレットの一人称小説とすることで、より現代的に、より読みやすく、そしてより面白く生まれ変わりました。原作を読んだことのない方もある方も、映画版をご覧になった方も観たことがない方も、間違いなくお楽しみ頂ける最高のエンタテインメント小説となっています。林さんが、「寝食を忘れて本に没頭する楽しみを味わってほしい」という思いを込めた、今こそ読んでほしい大河ロマンです。

感想・レビュー・書評

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  • 映画も舞台も見たことのある「風と共に去りぬ」、ビビアン・リーの美しさにひたすら圧倒された。
    林真理子氏が一人称で、書くとこうなるかと期待どおりだったが、エンターテインメントに仕上げているのは、凄い。わがままなスカーレット、現代なら炎上間違いなしだが、心の声を憎めない。メラニーのほうがなんだか不気味である。
    南北戦争の頃の時代背景、タラという土地の歴史、壮大なテーマにちょっとミーハーな要素も盛り込まれた楽しい物語だった。

  • オーディブルにて読了。ナレーターは本泉莉奈さん。
    ミッチェルの原作が素晴らしいのは前提として、マリコのなりきりスカーレットぶりにもブラッボー!

    3年前に『風と共に去りぬ』を再読したとき、これはただの恋愛小説ではないのだなと感じた。南部戦争を時代背景として、戦前、戦中、戦後をがむしゃらに、かつ貪欲に生きたスカーレットの生き様を鮮やかに描き出している。好きな小説と聞かれるとまず最初に思い浮かべる大好きな作品である。
    原作は三人称でありながら、スカーレットの心情がダイレクトに描かれる場面が多いのだが、スカーレットの一人称の本作では、「信じられる?」「こんなことってある?」みたいなスカーレットの叫びが随所にあり、よりスカーレット自身になって楽しむことができる。『風と共に去りぬ』はかなりの大作だし手を出しづらいという人にも読みやすいと思う。
    特にレッドバトラーとの関係を軸としているんじゃないかな。レットの描写が素晴らしく良いのだ。
    直情的なスカーレットと、捻くれ者のレット。二人は似たもの同士で、レットは、誰よりも誇り高くて自己中心的で激情家なスカーレットの本質を理解し、素のスカーレットを愛しているのに、そしてアシュレには嫉妬しているのに、すぐに茶化して本心を隠し、スカーレットを怒らせてしまう。
    結末を知っていてもなお、もどかしくドキドキする。

    上巻は、戦争が終わり、荒廃したタラで奮闘するスカーレットの心が挫け、アシュレに一緒に逃げようと持ちかけるところまで。怒涛すぎる。

  • 大好きな「風と共に去りぬ」を別視点(一人称)であらためて読んでみた。
    歴史や説明がない分、その時代背景を知らない人にも楽しめる作品だと思う。ただ南北戦争の意味はスカーレットに興味がないから薄れた感じ。
    下巻に続きます。

  • 初めて読む「風と共に去りぬ」の林真理子バージョン。
    スカーレットの視点で描かれてる本作。
    いやぁスカーレットの傲慢さが凄い。
    なんて性格が悪いんだろうとびっくりした。いや、たんに自分に正直なだけなんだけど、にしても読むのが辛かったなぁ。けど、そー思ったのは途中までで、戦争が佳境に入りいよいよ南軍が厳しくなってからのスカーレットはカッコよかった。
    周りは無駄にプライドが高く現実逃避しかしてない人ばかりの中で、ひとり悪者になり孤軍奮闘してる姿は、なるほどこの物語が受け継がれている理由がわかった。
    下巻も楽しみ

  • 昭和の名作映画『風と共に去りぬ』を、林真理子が現代風な筆致で蘇らせた。

    南北戦争期のアメリカ南部を舞台に、大農園のわがまま娘スカーレット・オハラが恋に破れ、愛のない結婚・出産をし、敗戦で何もかも失い困窮しながらも、持ち前の生命力で激動を生き抜く姿を、彼女の一人称で描くエンタメ一代記。

    恋と戦争、仕事と友情、フェミニズム、波瀾万丈。
    そして、スカーレットの激しさ、強さと可愛さ。

    激動の時代を生き抜いた女性のダイナミック過ぎる人生

    スカーレットの生き様は、女性の強さを象徴するものと言えるでしょう。

    彼女の率直で強烈な性格は、時に羨ましく感じられます。
    しかし、個人的には友人にはしたくないな、と思わせるのも確か。

    それと、戦争がいかに愚かなものかを読んでいて感じさせられます。

    人々の生活を破壊し、狂気に追いやる。
    南北戦争は奴隷解放という意義のある側面も持っていたものの、結局犠牲になるのは一般市民。

    「私はもう二度と飢えません」

    スカーレットのこの誓いは、戦争の犠牲となった一般市民の過酷な生活を象徴しています。

    昭和の名作を現代に蘇らせた極上のエンターテインメント小説である本作。

    スカーレット・オハラの激しくも魅力的な人生を通じて、恋愛、戦争、友情、フェミニズムの全てを体感できるこの作品は、昭和の名作小説・映画に触れてみたい人にぜひ読んでいただきたい一冊です。

  • 1文目からグイグイ引き込まれて、ページをめくる手が止まらなくなった。
    美人で気が強い大農園のお嬢様・スカーレットが、戦争に翻弄されながら、お嬢様時代には考えられないことに直面しながら、たくましくなっていく姿にしびれる……!
    強くて美しい主人公も、軽快な文体も大好き。

  • 表紙が綺麗だし一人称で書くという試みが気になって読んだけれど…。
    一人称だから仕方がないのかもしれないけど、脇役たちの扱いが雑だなぁと思った。
    ポーク、タールトン夫人、ピティパット叔母さん達は雑過ぎて『風と共に去りぬ』とは違う印象を持つ。
    その他にも「知り合い」の一言で名前さえ略されてるキャラクター達…。
    登場人物がただでさえ多い物語だけど、スカーレット的にどうでもいいという判断なのか?脇役達を不憫に感じた。

  • マーガレット・ミッチェルの名作『風と共に去りぬ』を、林真理子さんが一人称小説にアレンジした作品。

    物語の舞台は南北戦争時代のアメリカ。
    スカーレット・オハラを勝手に優雅で上品な女性だとイメージしていたが想像を覆された。

    戦争なんて関心なし。
    興味は華やかなドレスとパーティー&男性にモテる事。過去イチ突き抜けた最強キャラだ。

    超ド級の自己中で自惚れ屋。
    好きな男にフラれ、やけくそで結婚した相手は挙式二ヶ月後に病死、17歳で未亡人に。
    波乱万丈にも程がある。

    戦禍に巻き込まれても逆境をバネに逞しく生きる彼女から目が離せない。

  • 原作(翻訳)を2回読んだことのある私には、特に新鮮味はなく、わざわざ一人称で再構成する意味がわからなかった

  • 読みやすい、そして面白い、率直な感想。翻訳本の、風と共に去りぬは、挫折しましたが、これはこのまま下巻までいけそうです。詳しい感想はげかんで。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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