トヨトミの世襲

著者 :
  • 小学館
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093867009

作品紹介・あらすじ

衝撃の巨大自動車企業小説、ついに完結! 「99%が真実」という噂で書店から本が消えた!?気鋭の経済記者が「覆面作家」となって、初めて書くことができた「世界一の自動車メーカー」禁断の真実。あまりに詳しすぎる内部情報や関係者しか知らない極秘ネタを小説に偽装したノンフィクションではないか……そう噂され、発売と同時にベストセラーとなった超問題作『トヨトミの野望』と続編『トヨトミの逆襲』。その「完結作」がついに発売! 世界中を襲った未曾有のパンデミックのなか、巨大自動車会社トヨトミも待ったなしのEV(電気自動車)シフト転換を迫られていた。しかし、販売ディーラーの相次ぐ「不正事件」や持ち株比率たった2%の創業家の「世襲問題」など暗雲が垂れ込める。カギを握るのは“トヨトミの母”と呼ばれる元女優の謎の老女。彼女がひた隠す「豊臣家の秘密」とは──。「本書の内容のどこまでが事実でどこまでがフィクションなのか。これについて、巨大自動車企業に極めて近い経営者は99%が事実と私に言い切った」(夏野剛氏、『トヨトミの野望』文庫版解説より)綿密な取材をもとに描き、経済界を震撼させてきたトヨトミシリーズ。その“衝撃のラスト”を見逃すな!

感想・レビュー・書評

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  • トヨタ自動車の内部を暴くトヨトミシリーズの第3弾。
    「野望」、「逆襲」に続き、今回は「世襲」。
    その言葉通り、本作のメインは、トヨタ自動車(トヨトミ)における豊田章男(統一)から息子の大輔(翔太)への世襲、そして、モデルが定かではないが、自動車モーターの製造メーカーである織田電子における創業者の織田善吉から息子の歳三への世襲という2つの世襲が軸となる。
    この二軸を元に、2020年夏のコロナ禍から2023年春の会長逝去、社長交代までの期間、トヨタ内外で実際に起きた出来事が、生々しく描かれる。

    私はトヨタ関係の会社に勤めているが、全チャネル併売、クレド、不正車検に関してのことは全て自分が知っていることと矛盾しておらず、ほぼ事実と言って間違えないと思う。
    上記3つは自業務に密接に関わっていた事案で、会社内にいると自然に受け入れてしまえていたが、改めて小説として俯瞰で見ると、かなり酷いことをしている会社だなと思わずにはいられない。殿様商売にもほどがある。
    加えて章男の女性関係のだらしなさ…。こうした部分は普段働いていても見えてこない部分であり、自分の目で見て確かめたわけではないので真偽の程は定かではないが、他の信憑性が高いから信じてしまいそうになる。
    そして、衝撃的だったのは新太郎(亡くなった豊田章一郎会長)と佳代の愛人関係、佳代と清美(章男の妻で豊田裕子)の母娘関係。章男からしたら、自分の父との愛人関係にあった人の娘が自分の嫁ということになる。歌舞伎の世界レベルで複雑。世襲って改めて怖い。(事実かはわからないけれど)

    内部の人しか知らないことも含まれているので、改めて覆面作家の正体が気になるところ…。
    次回作が待ち遠しい。

  • 巨大自動車企業、トヨ・・・トミ、という架空の会社を舞台にした、「小説を偽装したノンフィクションではないかと噂された」という「トヨトミ」シリーズの完結編。会社の本好きの先輩からお借りして読了。
    このシリーズ3作品目では、ニデック(本著内では織田電子)まで巻き込んで謎のリアリティある展開を読ませてくれます。永守さん行きつけの神社は九頭竜大社ですが、本著では「九十九龍大社」と。宮司さんが永守さん(本著内では織田さん)を軽くウザがっているかのような描写をしているように読めましたが、現実の宮司さん的には良い迷惑でしょうね(笑

    しかし本著、読んでいてここまで酷いニュースあったっけ…とネットで検索すると確かに史実として実在する模様。まぁ多少の脚色はされてるようでしたが。。
    本著の最後に明かされる出生の謎は、そこまであり得るのかしら…という突拍子もないモノですが、これだけ史実に基づく話を展開してきて、最後のヤツだけフィクションでした、というのはどうにも考えにくいなぁ。

    さて、3巻目である本著のテーマはもちろん「世襲」で、後継者問題で揉めている織田電子が出てきたのはそのせいかと。
    本著内では、トヨトミも織田電子も後継者問題は片がついたのですが、現実の方はむしろニデックの方がまだ微妙な感じで、日産から招聘されたCEOはとっくにおらず、ソニー出身のCEOが就任する人事を発表したところ。株価もその間に下がってしまい、さてどうなることか。
    トヨタの方は株価も美しい右肩上がり。中期的な電動化の流れの中でどうなるかはまだ見えてませんが、ウーブンシティも今年オープンなんですかね。モビリティ企業への変革を見守っていきたいところです。

  • どこまでが現実でどこまでが虚構なのか読んでいたら分からなくなってきた。
    シリーズ3作目で小説らしくなったけど逆に個性が無くなったように自分は思える。
    次はあるのかな。

  •  『トヨトミの野望』『トヨトミの逆襲』に続く、トヨトミ・シリーズの完結編。『トヨトミの野望』は既に読三田にも紹介されていますが、知人からも「これ、すごいですよ」と紹介されたものです。今回も「いやぁ~、面白かった」ですが、誰が読んでも「トヨトミ=トヨタ」とわかります。帯には「99%実話の噂」とありますが、恐らくは実話。企業名・人物名は、容易に「ああ、あれね」とわかるよう面白いヒネリが入れてあります。

     『トヨトミの野望』はトヨトミ家の御曹司として将来の社長候補である豊臣統一が美人局にあい、それを柔道でならした当時の社長・武田鋼平(奥田碩?)が救い出すという話から始まります。その後のシリーズで、豊臣統一社長の米国公聴会やEV対応の遅れ、ワンマン経営、車検不正事件、豊臣統一から次の社長への交代劇など、これまでのトヨトミに関する裏話(ほぼ事実?)が満載です。現在、トヨトミ・グループで小型車を生産している会社で不正検査が話題になっていますが、なぜこうした事態が起こったのか、この本を読むと容易に理解できます。

     豊臣統一は米国で働いていた際に、メディアの重要性に気づき、多額の広告費をメディアに投入。一方で、自社に都合の悪い記事を書くメディア・記者を「出禁」にして広告費も投入しないなどメディアを統制。メディア側も頼みの資金源が削減されると困るので、トヨトミに好意的な記事ばかりを書き、世間はトヨトミを礼讃。しかし、これを読むとトヨトミも普通の会社、というかトヨトミ家の完全独裁企業です。

     著者は覆面作家で身元不詳。恐らく、日商新聞(日経新聞?)の記者で、記事にできずに溜まった情報を一気に吐き出したという印象です。ただ、週刊誌的な話題かというとそうでもなく、車検制度やEVの現状、メディアの内情やなぜ中国からEV発となったのかなど、いまの社会動向を理解するのに最適な本とも言えます。自動車関係者ではなくとも、一読を薦めたい一冊です。

  • 「野望」「逆襲」に比べ現実味が薄れ小説らしくなっているが、どこまで真実なのだろうか。本当に99%実話なのだとすれば相当に根が深く、日本のEVどころか産業界全体にも影響が大きい。事実であるならこの会社の車には乗ってはいけないと思うが、小説として楽しめたと思うことにし、この本を前提にモデルとなったあの会社を見ることはよそうと思う。

  • 話そのものは面白いんだけど
    三部作として見ると、前作との違いに戸惑ってしまう
    織田電子の存在も謎だし、途中で出てきた官僚の人もどうなったか明確じゃないし
    消化不良の感じはあるが、次回作出ても更に散らかるだけな気もする

  • これがほぼ実話なら、トヨタが怖い。
    あくまで小説と割り切れず、どこまで真実なんだと
    ドキドキしながら読み切りました。
    今後のEV戦争や人事に目が離せません。

  • 『#トヨトミの世襲』

    ほぼ日書評 Day753

    「99%実話」の噂…と、帯に記されたシリーズ3作目。かなり荒唐無稽さが増してきているが、ある程度モチーフとされる企業や人物にに馴染みがあれば、エンタメ作品としては非常に楽しめる。

    ニデックの永守さんが本作では復帰不可のヨイヨイにされてしまったのは気の毒だが、有価証券報告書にも自ら記載している通り、カリスマ創業者に頼り切るリスクが、最終的にこのような形で解決されれば良いな…と希望的観測を述べるしかないくらい、おそらくは現実世界の方が状況が悪いだろう。

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  • 小説のかたちをとればなんでもありなのか、大丈夫なのかな。

  • 2024年4月5日読了。トヨトミ本家の血を引く息子・翔太への世襲に向け準備を進める統一と、後継者問題に揺れる「織田電子」の内情とは。尾張発の日本を代表する企業「トヨトミ自動車」の興亡を描くサーガ完結編。まあ1作目、2作目に比べると準備・取材期間も短かったのか、著者自身の考えも変わったのか、本作が一番フィクション味が強く著者の抱くロマンが溢れ出している印象を受ける。「織田電子」の話は興味深いが、トヨトミ自動車と全然関係ない話をさんざんされた上に「世襲」のキーワードでとってつけたように話をまとめられたような気もする。今勢力のある組織は、当然いずれも過去に強烈な成功体験があるわけだが、それを否定して新しい価値観・戦略を樹立しなければ衰退は必然である、ということなんだと思う。「創業家」だって天皇家じゃあるまいし、後生大事に拝み続けるようなもんじゃないだろう。しかし「第二のシリコンバレー」のコンセプトはさびしい、「親殺し」というくらいなんだからシリコンバレーを過去の遺物に追いやるような大きな野望は抱けないものか。

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著者プロフィール

経済記者、覆面作家

「2016年 『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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