- 小学館 (2024年2月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784093867023
作品紹介・あらすじ
犯人は誰? 探偵こそ誰?
時は明治、那珂川二坊は文学で名をなさんとす。尾崎紅葉に師事すれど執筆がかなうのは小説どころか三文記事ばかり。この日も簡易食堂に足を運び、ネタを探して与太話に耳を傾けた。
どうやら昨晩、かの徳川公爵邸に盗人が入ったらしい。蓋を開ければ徳川公にも家人にもこれと云った被害はなく、盗人は逃走途中に塀から落ちて死んだという不思議な顛末。酔客らは推論を重ねるが、「そりゃ違いますやろ」という声の主、福田房次郎が語り始めたのは、あっと驚く”真相”だった(「長くなだらかな坂」)。
京都・奈良をつなぐ法螺吹峠、ナチス勃興前夜のポツダム、魔都・上海ほか、那珂川の赴く地に事件あり、妖人あり! “歴史・時代ミステリの星”伊吹亜門が放つ全5話の連作短編集――
絢爛たる謎解き秘話を通して、
〈あの人〉たちの妖人ぶりにあらためて瞠目した
――有栖川有栖(作家)
著者の本領発揮作と呼ぶに相応しい完成度
――千街晶之(ミステリ評論家)
【編集担当からのおすすめ情報】
伊吹亜門氏といえば、『刀と傘』にて第19回本格ミステリ大賞を受賞した、歴史・時代ミステリのトップランナーです。そんな伊吹氏にしても、本作は、明治、大正、昭和ともっとも広い時代を扱う意欲作です。謎解きにも、革新的な仕掛けを施してますが、それはご覧になってからのお楽しみに!
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本書は、アクセシビリティに配慮した本です。視覚障害・肢体不自由などの理由で必要とされる方に、本書のテキストデータを提供いたします。
本書巻末よりお申し込みください。
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みんなの感想まとめ
明治から昭和にかけて、売れない作家・那珂川二坊が遭遇するさまざまな事件を描いた連作短編集で、事件の裏に潜む探偵役たちの正体が明らかになる趣向が魅力です。各話で展開される事件は、密室殺人やクローズドサー...
感想・レビュー・書評
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★5 探偵は誰? 大日本帝国時代、作家が事件に巻き込まれ…歴史と人物が学べるミステリ #帝国妖人伝
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい、いい作品。
明治から昭和初期、作家の那珂川が様々な事件に遭遇する連作短編集です。
事件は那珂川本人ではなく居合わせた要人が探偵役となって解決してゆく。解決に至った背景として要人のエピソードも語られていくことになる。事件の謎解きだけでなく、この要人は誰なんだ?と想像していくところが興味深く、さらに歴史の学びにもなるという一粒で三度美味しい作品。
帝国時代の時期や場所が様変わりするところも魅力ですね、日本人としてじっくりと味わいたい作品です。
〇長くなだらかな坂
犯罪実録記事のネタを探していた那珂川が、食堂で街の事件について語り合う一幕。青年が母親を訪ねた際に、泥棒を退治したという話なのだが…
会話してるだけなのに面白い!なるほどなぁと、つい感心してしまう。男性は甘えん坊なので、登場人物たちの気持ちがよく理解できる作品。
〇法螺吹峠の殺人
雨が降るなか京都から奈良へ向かう峠で、那珂川は死体を見つけてしまう。発見者のため怪しまれる那珂川であったが、付近にあった茶屋で事件の議論がされ…
雨の中の足あと問題、短いお話ながらも解法も動機もしっかりしていて素晴らしい。要人が解決しようと思った背景にゾワリ。やたらカタカナの台詞で読みづらいのですが、誰であるか判明したところでナルホド感。
〇攻撃!
ドイツのビアホールでの一幕から、日本邸宅の小屋で発生した殺人事件を解決してゆく。
事件も展開も真相も登場人物も衝撃…この人たちならこうなるかもね、という納得感がエグイ。
〇春帆飯店事件
本作イチ推し。満州国時代の上海にある宿館で発生した殺人事件、密室状態だった宿で犯人を見つけ出す。
丁寧なアリバイ捜査から解決に向かうも、そこからの真相と展開に思い切りお茶を吹き出しました。恥ずかしながら要人は存じ上げず、大変勉強になりました。
〇列外へ
戦争終了直後、那珂川の思い詰めた行動とは…そしてどう生きるか。
終章はあまり語りたくないです、ぜひ読んで欲しい。一体誰なのか。日本人が戦争でうけた影響、人は何故生きるのかという苦しみと希望が切々語られる作品。
■ぜっさん推しポイント
まだまだ知らない人物いて勉強になりましたね~きっとあなたも、どんな人だったか調べることになります。
本当にその人がその場に居合わせたなら、まさにそんな行動をしたのではないか。と臨場感たっぷりに思わせてくれる。そしてどんな要人でも人に対する想いが深く、でもほろ苦い風味を帯びていました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近お気に入りの伊吹さんの作品。
明治から昭和(第二次世界大戦終結)までに那珂川二坊なる売れない作家が遭遇した様々な事件を描く。
といっても探偵役は那珂川ではなく、それぞれの事件で出会う人たち。その探偵役たちが後の有名人であったというのが最後に明かされる趣向。
事件そのものも楽しいが、むしろこの探偵役が誰なのかというのが途中から気になって読んでいた。
あの人かな?と思いながら読んだものの、結局分かった人はほとんどなし。自分の無知を改めて知ることになってしまった。
徳川公爵邸に忍び込んだ賊を捕まえた活躍譚の綻び。
豪雨の中で起きたクローズドサークル的殺人。
雪の山荘的密室殺人。
これまた同じフロア内の人物にしか起こせない密室的殺人。
密室となればワクワクするところではあるのだが、この作品ではちょっと肩透かしな感じがあった。
同時に那珂川二坊が公私ともに追い込まれていく様子が描かれていて少し辛かった。
主人公が売れない作家であるというところが肝であり、当時の多くの日本人がそうであったろう彼の視点もこの物語の結末がどうなるのかという興味を抱かせた。
この戦争の結末を知っている現代の私にとっては彼やその他の登場人物たちのその後を思うと切なく苦くなるのだが、『歴史に名を刻むであろう者も』『結局は私たち市井の人間と変わらなかった』という、その物語を那珂川二坊先生が描けた(それがこの本作という設定なのだろう)のは良かったと思う。 -
読書備忘録824号。
★★★★。
GW前後の在宅勤務も含めた3週間の神戸帰宅に持ち帰った6冊の最後!
予定通り新幹線が品川に着く前に読み終わりました!
まあ面白かった!
多分読売新聞の月イチの小説エンタメ紹介コーナーで読むリストに入れたヤツです。
尾崎紅葉を師とした売れない小説家、那珂川二坊。
食うためには、小説ではなく三文記事でも書かないといけない。35歳くらいから75歳くらいまででしょうか、明治、大正、昭和と、彼が赴いた地で体験したミステリ事件。そこには後世誰もが知る<あの人>の妖しい謎解きがあった!という5編の短編集です。
備忘禄として各話の<あの人>を書きたい!という気持ちはあるんですが、ブクログで私をフォロー頂いている奇特な皆様がいらっしゃり、万が一にもこの作品を読もう!という気持ちになった時、<あの人>が分かっていると面白さ半減なのでやめときます・・・。
【長くなだらかな坂】
小説では食っていけないので三文記事のネタ探し。徳川公爵邸に盗人が!という騒ぎ。一膳めし屋で、偶然盗人を捕まえたという男に話を聞けた。
これはネタになるな!と思ったその時、福田房次郎なる書家がちゃちゃを入れてきた。
誰だ?この妖しい男は?
【法螺吹峠の殺人】
徳川邸の事件から10年。二坊45歳くらい。
推理小説作家としてなんとか食えている。だけど品格のある歴史小説を書きたい!平家モノとか。
木津から奈良に抜ける法螺吹峠を取材に訪れた。
峠にあった茶屋の前に人が刺されて死んでいた!なんじゃこれ!茶屋に居合わせた中に犯人がいる。泰道なる御仁が推理を展開。
誰だ?この怪しい男は?
【攻撃】
さらに8年後。二坊53歳くらい。
出版社から海外視察を命ぜられた。
第一次世界大戦で負けたドイツに。戦争に負けることの悲惨さを取材して来いと。
ポツダムのビアホール。現地のおっさんと、現地大学のドクトルくんと昔ポツダムに住んでいた奉天会戦の英雄、朽木重吾は自害したのか他殺かの議論。そこに現れた日本陸軍大尉が推理を展開する。
この妖しい大尉とドクトルくんは誰だ?
【春帆飯店事件】
昭和20年2月。上海。二坊は75歳。
上海の陸軍病院に慰問講演へ。
現地で物資を横流しして私腹を肥やしていた男が死刑に。その裁判中に殺された。殺したのは誰だ?
殺人犯をでっち上げる企みに無為に加担してしまい間接的に殺人を犯してしまう二坊!
死刑囚の特別弁護人が推理を展開してすべてを明らかにする!この男装した妖しい女は誰だ?
【列外へ】
昭和20年9月。敗戦後の北野天満宮。
上海で間接的に人を殺してしまったと悩む二坊。
自ら人生に幕を閉じようとするが死にきれず、山田という青年に介抱される。
人生の正しい列から外れても別にいいじゃないですか、と。楽になりますよ、と。
この素敵な妖しい青年は誰よ!
全く何を言ってるのがわからん備忘録だ。サイテーだ。まあ良いや。-
ゆうきさま
それです!それが大事なんです!
ボケ防止はインプット(読書)ではダメで、アウトプット(レビュー)なんですよ!
なので日々、備忘録...ゆうきさま
それです!それが大事なんです!
ボケ防止はインプット(読書)ではダメで、アウトプット(レビュー)なんですよ!
なので日々、備忘録で苦しんでるボケ老人なんです!(◞‸◟)2024/05/08 -
わたし しんたろさんのレビュー大好きですよ´▽`)ノ
しんたろさんの気持ちがビシバシ伝わってきます⟡.·*わたし しんたろさんのレビュー大好きですよ´▽`)ノ
しんたろさんの気持ちがビシバシ伝わってきます⟡.·*2024/05/08 -
当たってた!笑
そうなんですよ、なので有名とくればあの方かなあ…と。期待半分で。
砂糖入り牛乳!かわいい!!(о´∀`о)当たってた!笑
そうなんですよ、なので有名とくればあの方かなあ…と。期待半分で。
砂糖入り牛乳!かわいい!!(о´∀`о)2024/05/08
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ブクログレビューを拝見して知った本。
初読みの作家さん。
私の子供世代の若い作家さんだが、なんでまたこんなに古い時代設定とこの登場人物達を題材に選んだのだろう。
よくこんな物語を書けるなぁ。
私はこの登場人物達の名前の字面だけは知っているけれども、改めてWikipediaで調べる必要があった。
第三話の外国人に至っては全く知らなかった。
本書は漢字だらけで、「まさか」「やはり」「やたら」なども漢字なので、ちょっと読むのに疲れた。
第四話からは、やや飛ばし読み。
各話を繋ぐ、そもそもの主人公に魅力を感じられなくて残念だ。 -
二重に味わえる一冊。
時は明治から昭和にかけて。
鳴かず飛ばずの小説家、那珂川ニ坊が行く先々で遭遇する事件。
そこにふっと絡み合うのは有名なあの人この人。
紐解かれる事件の真相と、紐解かれる探偵役と化したあの人たちの正体に二重の面白さを味わえた。
最後に思わず、あぁ、あなたでしたか…と言いたくなるほど見事な"妖人"っぷりの種明かし。
と言ってもほぼお名前しか存じ上げない状態だったのが悲しい。
ヒントはいっぱいあったのかな。
舞台が上海の第四話は事件といい妖人の容赦ない冷ややかな言葉といい読み応え有り。
時代と悲哀が沁みる。 -
語り手はいわばワトソン役。事件の真相とは別に、探偵役の正体が各話最後で明かされるという、変わった趣向の連作ミステリー。僅かなヒントから途中でピンとくる物知りな人はともかく、有名人5人の名にどこまで反応できるかで評価が分かれそう。自分はまずまず楽しめた。明治生まれの三文文士の数奇な人生譚としても面白い。伊吹亜門氏、まだ若いのに史実の絡ませ方が本当に巧い作家さんだと思う。
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明治〜昭和戦後設定のおはなし。無名に近い作家・那珂川が遭遇する犯人は誰かと解き明かす探偵は実は誰なのか!の短編が5作。探偵役は歴史上の有名な人物なのだけれど名前だけの方が多すぎてあとから調べてみたりして、作品の流れとの関係が面白かった。この時代設定が面白さを増していたような気がする作品でした。
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フォローしてる方の感想を読んで手にした連作短編集。那珂川ニ坊と言う作家が、先々で関わる事件の謎解きを書き留める、と言う内容だが、謎解きをした人物こそが主人公達で、読み終わった後で誰かわかるような仕掛けになっている。ミステリー性は低いが実在の人物を妖人として描いた点が面白かった。
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作家那珂川二坊の人生を軸に時系列に関わった事件について綴る趣向
短編5本でそれぞれに後に著名になる人物が関わるミステリー。
一冊の構成がサービス精神旺盛だなぁって思いました。ストーリーテラーとなる那珂川氏はそれほど有名ではない作家でイマイチ売れてない上に病気がちの細君もいるため、新聞記事かいたりルポを書いたり探偵物を書いてみたりと志と違うもので糊口をしのいでいる。職業作家ならではの苦悩も抱いている。第二次大戦前後の多くの日本人はこうだったかもしれないという暮らしぶりや情緒もあらわされていて、ミステリー仕立てでいながら当時の風俗が浮かぶ 多角的に興味深い作品群でした。
多角であるがゆえに純粋に謎解きを楽しむという視点を忘れてました。
一番面白かったのは4話目の春帆飯店事件。いわゆるクローズドサークル物なので「謎解き」に集中できました。 -
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明治から太平洋戦争にかけて、那珂川二坊という作家を語り手にした謎解き連作短編集。毎回謎を解くのはその場に居合わせた歴史上有名な人物だが、最後まで正体が伏せられているので、わかったときの驚きが心地よい。このあたりは京極夏彦の”弔堂”と似ている。
また時代が移り変わるごとに語り手の立ち位置や心境が変化してゆくのもなかなか切ない。地味だが面白い話だった。 -
楽しめました。
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最近読み始めた作者の最新刊だが、今回は特に文章がめんどくさくて何度寝落ちしたことやら。明治から大戦終結までに那珂川二坊なる作家が東京、奈良、ドイツのポツダム、上海、そして京都で出くわす事件を、歴史的に知られてる有名人(?)が真相を暴くと云う構成だが、なんかイマイチ魅力がないんだよなあ・・・
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懐旧の情が漂う5つの事件。筆を折ろうか悩む那珂川。北大路、夢野、石原、川島、山田たちの鮮やかな謎解きを回想し…物語の端々に、江戸川乱歩を彷彿とさせる端整な妖しさを感じた。
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明治から昭和初期にかけて売れない小説家が巻き込まれる殺人事件の短編集。
主人公は本当に巻き込まれだけで、事件を解決するのは後に名を残す偉人達。短編の最後に偉人が誰だったか明かされるのだが、その人が実際どういう人物だったかに興味が持て面白かった。 -
明治から第二次世界大戦で日本が負けるまで、つまり日本が大日本帝国と呼ばれていた時代を舞台にした連作短編ミステリ。主人公は小説家の那珂川二坊。二坊は探偵役ではなく、事件を解決するのは毎話登場するゲストの著名人だ。物語の中ではその人物の素性はよく分からず、最後に種明かしがされる趣向になっている(歴史に詳しい人なら途中でピンと来るのだろうけど、私は分からなかった。そして、正体が判明しても全然知らなかった人もいる)。
相変わらず結末は、ほろ苦いどころかめちゃくちゃビター。この辛口さが伊吹さんの好きなところでもありますが、やっぱり辛いですね。 -
わたしの知ってるあの人もこの人も…!著名人が探偵役になるミステリーで、エンタメ的に読んでいたのですが、最後の一編に度肝を抜かれました。なんて壮絶な、凄惨なお話なのかと。
作品中の人物が固執する、人の情念てやつが、濃厚に散りばめられていたと思います。 -
明治から昭和初期にかけて、小説家・那珂川二坊が出会った奇妙な事件の数々。そしてそれを解き明かして去っていく不思議な人たちは、実は有名なあの人だった……。レトロな雰囲気も楽しめる連作ミステリです。
ミステリとしての面白さはもちろん、時代背景の雰囲気が魅力的です。そして一話で趣向がわかったところで、どの人がどんな有名人なのか、を推測するのもまた楽しいです。とはいえ、有名とはいってもやや微妙なラインでもあるのかも。「攻撃!」で登場するあの人のことは、私知りませんでした。あとも最後に明示されていなかったら、大方わかりませんし。「法螺吹峠の殺人」のあの人に関しても、バックグラウンドは知らなかったのでちょっとびっくり。
お気に入りは「春帆飯店事件」。事件として一番派手なのもあり、犯人の巧緻な企みやラストに突きつけられた真相の衝撃も一番。そしてなんといってもあの人がまさか……! という驚きもまた一番でした。そこから最終話「列外へ」へ繋がる那珂川の心情もまた印象的で。最後に登場する彼があの人だったのか、というのもまた感慨深いです。 -
明治から昭和にかけて、作家那珂川二坊が遭遇した事件について記す連作短編集。
一つ一つの話はそんなに込み入った話でもなく軽めのミステリ読み物くらいで、そこにあの有名人がかかわっていた、みたいなつくり。自分はその有名人たちにあんまり造詣が深くないもので、そのあたりを楽しめなければ単に軽い読み物でしかないんだけど、その時代時代を書いているなんともいえない舞台設定の魅力はあるような。 -
作家の那珂川二坊が人生を通じて不可解な事件に遭遇し、出会った人物が謎を解いていく五編を収録した短編集で、真相が明かされた後で最後の頁に「探偵役は○○だった(実在した歴史上の人物)。」と明かされて、ミステリーの中にちょっとした仕掛けがあるのが面白かった。また、那珂川二坊が明治から昭和(第2次世界大戦後)を経た人生で何を見たのか、誰と遭遇したのか、という「一人の作家の生涯を綴った人物史」という側面も物語を引き立てる要素だと感じた。
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著者プロフィール
伊吹亜門の作品
