- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093867139
作品紹介・あらすじ
まったく新しい高校野球小説が、開幕する。
秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?
補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。
【編集担当からのおすすめ情報】
「この物語に救われる球児の母親がどれだけいることか。全母親が落涙必至」
吉田伸子さん(書評家)
など、事前に読んでくださった全国の書店員さんからも熱いメッセージが寄せられています。
感想・レビュー・書評
-
早見和真さん「アルプス席の母」
著者の「~の母」という作品は「八月の母」という作品を以前読んだが、題材もスタイルもテイストもまるで違う作品。
作者の早見さんは作品の題材が本当に多種多様で多才だなと痛感。
感想を先に書いてしまえば最高の作品だった。主人公が高校球児の母親という設定が素晴らしく、母親目線からの強豪校での高校野球が描かれており凄くリアルだった。
自分は高校野球がとにかく好きでいろいろ見たり聞いたり読んだり調べたり、情報収集は欠かさない。
甲子園常連校の野球とは選りすぐられた精鋭球児達が頂点を目指す高い意識での野球であり、精神的な強さや勝負というものに対して高いプライドが自他共にみてとれる。
自分の父親が某有名大学の付属校で野球部の監督を約40年歴任していた事もあり自分も幼い頃から高校野球に携わって暮らしてきた。甲子園出場こそかなわなかったがあと一歩という年は何回かあり、その都度涙を飲んだOB達が後輩達へと夢を繋いで同じ夢を重ねている。OB会というものも実際に存在し、会費を集めて親御さんと共に球児達のバックアップをしている。
今回の作品は親子での高校野球に焦点を合わせ描かれた作品だったが、本当は甲子園に届かなかったOB達も同じ夢を球児達に託し、関係者全体で甲子園出場を追いかけているものだ。
作品にもあった様に強豪校になればなるほど父兄の力添えが必要で、その貢献がなければ球児達は純粋に野球に没頭できない環境が生まれてしまう。遠征費やらの金銭面での負担も物凄く大きく、球児の夢と親の夢との両輪がうまく回らないと乗り越えないといけない壁が更に高くなってしまう。
その題材を作者は物語に時に面白可笑しく、時に困難に、全体的には感動的に展開されていた。
何より母息子の成長譚が素晴らしく、目頭が熱くなるくらい心を揺さぶられた。
青春物語とも違う、ただの親子愛とも違う、純度の高い透き通った青空を感じさせる様な作品だった。最高だった。
ますます高校野球が好きになった。
今現在、U18日本代表に選抜された今年甲子園を沸かせた球児達が世界と戦っている。その中の何人かはドラフト上位でプロに行くだろう。大学や社会人に進んで数年後のドラフトを目指す球児もいるだろう。
その子達にも必ず「アルプス席の母」が存在し、彼らの夢のために全力で背中を押してくれていたのだという背景が見えてくる。保護者父兄という名の一番の味方であり、一番の理解者であり、一番の身近な大人。チームやチームメイトとはまた別な存在だが同様に大事な存在。
その「あと押し」に感謝する球児達であってほしい。
そうやって子供は大人へとなっていき、親は子供の成長と共に親としてもまたひとまわり成長するのだろうと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三連休ですね〜
夏休みの足音が聞こえてきて怯えております。。。ぞぞぞぞ
そんな中子どもたちの体調不良連鎖がスタートし、どうにかこの三連休で治ってほしいと願いつつ、最終日になってしまいました
明日仕事行けるかな、、、
というわけで、なかなか本を読む時間が取れなくてゆっくりめの更新になりました
昨日はどうしても読むのを止められなくて、めっちゃ夜更かししてしまったー
そんな日に限ってすごい早くに子どもに起こされる_(:3」z)_
あー夏休みも読書ペース落ちそうだな…
時間を見つけて読みます
前置きが長くなりましたが、ずっと気になっていてひま師匠のレビューより手に取った一冊
(ハイジの話と聞いていたのだけど、、笑)
面白かったー!!
高校球児の一人息子を持つ母親の話です
読みやすい作品でした
まだ小さい自分の息子の未来に想いを馳せつつ、時に恐怖を覚えつつ、一緒に過ごせる時間の短さに切なくなりながら読みました
親の方にフォーカスを当てた物語ってなかなかないと思うのでかなり興味深かったです!
まだ運動部に入るかもわかりませんが
とりあえず野球部というか運動部って、親も大変ですね、、、
野球部父母会のルールがやばい〜
親同士や監督との人間関係もやばい〜
でも子どもの夢のために頑張る親たち
高校3年間だけ大阪に住んだり、
勤務先を変更してもらったり、
自分のためじゃなくて、子どものためだからここまで頑張れるんでしょうか
私はできるだろうか_:(´ཀ`」 ∠):こわいよう
でも子どものためならやるしかないのか
(まだまだ先の話だし、スポーツやるかもわからないけど)
勝ち進んでる子も、予選敗退の子も
全ての子の後ろには支えている親がいて
それぞれ想いや願いがあるんだよなと
当たり前のことをあらためて思いました
それにしても噂には聞いてましたが
中高生の男の子って一食に3合ホントに食べるんですか…??運動部だから??
食べ盛りになったら
炊飯器2台必要なのかな…_| ̄|○
とりあえず航太郎がめっちゃいい子でした〜!!
-
まきさん こんばんは♪
そうなんですよ、、平日が待ち遠しいです笑
読書はストレス発散というか、
気持ちが整うで、どうにか時間を作ります!
...まきさん こんばんは♪
そうなんですよ、、平日が待ち遠しいです笑
読書はストレス発散というか、
気持ちが整うで、どうにか時間を作ります!
野球部だったんですね!!
毎週お疲れ様でした(*´-`)
まだどういうものに興味を示すかわからないし
兄弟もいるのでどんな生活になるのかわかりませんが
今からドキドキ、ハラハラしてます笑
でもやりたいことはやれるようにしてあげたいです!
みなさんのお米事情なかなか参考になりますψ(`∇´)ψ
とりあえず炊飯器1台でいけるといいなと願ってます笑2024/07/15 -
なかなか自分の時間がとれない時期ですよね(> - < )
本を読みたくて夜更かししちゃう気持ちわかりますっ!
お子さんたち、早く良くなります...なかなか自分の時間がとれない時期ですよね(> - < )
本を読みたくて夜更かししちゃう気持ちわかりますっ!
お子さんたち、早く良くなりますように✩.*˚
うちは4人家族で1日4合、4歳息子は既に私より食べてます~2024/07/15 -
あんまり夜更かしすると次の日に響くんですけど、
止まらない時ありますよね
でも次の日も休みで子どもたちといるとすぐ体力の限界が_| ̄|○
...あんまり夜更かしすると次の日に響くんですけど、
止まらない時ありますよね
でも次の日も休みで子どもたちといるとすぐ体力の限界が_| ̄|○
今日は早く寝なきゃと思いつつ、、、
息子さんめっちゃ食べますね!!
4歳にして!すごいですね!!
4人で4合だとうちより食べてるな〜
2024/07/15
-
-
息子を愛して止まない母親の皆様にオススメです
-
忘れもしない。江川投手が優勝候補の北陽高校相手に甲子園デビューを果たしたあの瞬間を。強打の北陽打線にかすらせもしない。バットに当たっただけで、甲子園から拍手が生まれる。19奪三振で完封した圧巻のピッチングだった。
でも、この高校野球の話はそんな輝かしい話ではない。横浜で看護師をしながら、一人息子の航太郎を育てる秋山菜々子。母目線の物語ゆえ、面白い!不慣れな大阪に引っ越し、保護者会の厳しい掟と中学生みたいな母同士の人間関係、理不尽なお金の問題に立ち向かう。息子への限りない愛情が胸を熱くする。
母親も素晴らしいが、息子航太郎が感動的なほど素晴らしい!
立ちはだかる試練にポジティブに乗り越え、彼が人をまとめ、チームの風通しをよくしていく。
一時は諦めかけた自分自身を
アルプス席で応援する母のために、
いや父と母とともに
取り戻して、さらに大きく成長していく。
母が大阪で見つけた親友かすみさんの存在もすてきだ。
読んでよかった!私の中で本屋大賞は決まった。
まだ二冊しか読んでないけどね。 -
面白かったです。私は高校野球ファンですが非常に興味深い内容でした。
1人息子が神奈川から大阪の強豪校野球部に入ります。
父母会での母親の苦労や監督との関係性など実際にもそうなんだろうなと思えるよう内容でしたね。母親の目線で実にリアリティに描かれていて、とても良かったです。 -
「高校球児の母」視点の物語はとても新鮮でした。高校や野球に限らず、中・高の部活動保護者会に関わったことのある方には、かつての血が騒ぎ、胸が熱くなるのではないでしょうか。シングルマザーと一人息子の成長物語でもあり、爽やかさと救いを与えてくれる好書と感じました。
ストーリーを単純な「熱闘甲子園」的感動ものにせず、高校球界事情を織り込んで、多視点から考えさせられる内容になっています。
特に、父母会の悪しき慣習や裏金問題など、「間違っていると頭で判っていながら、反旗を翻すのは正しいことなのか?」と同調圧力に迫られます。こんな「組織の常識」に潜む悪弊は、世の中に五万とありますよね。
保守的で改革案を受け入れず、追及されたら記憶がないとか、知らなかったなどと開き直る、どっかの国会議員が目に浮かびます‥(悲)
でも、本書の一人息子・航太郎はホントにいい子なんです! もう、この子に泣けます。ある意味では航太郎が、チーム、監督、母親を変えたと言っても過言ではないでしょう。後半少し展開が都合良すぎますが‥ご愛嬌。
教員の多忙化と併せ、部活動のあり方が議論されて久しいです。クラブ等、地域の受け皿へ移行する動きも進んでいるようですが、個人的には学校での部活動の意義は、少なからずあると思っています。
なので、3年間の部活動終了後に、子どもも親も「何らかの学びがあってよかった」と思えたら素晴らしいですね(理想ですけど‥)。
早見さんの『ひゃくはち』(デビュー作)、『あの夏の正解』(ノンフィクション)に連なる高校球児物語でした。何かに直向きに取り組む姿勢の主役と、支える側の脇役を逆転させ、葛藤や苦悩を浄化し、救いを与える物語だと感じました。 -
高校野球にかける親子の物語にとても感動しました。ドラマチックな展開と親目線で描かれる、息子の青春物語はきっと多くの人が涙するのかなと思いました。
本作の主人公は、シングルマザーである菜々子。彼女には1人の息子がおり、その息子は中学では有名な野球選手であった。そんな息子が、憧れの高校を倒して甲子園に出たいと望み、大阪の新進気鋭の高校に入学することを決める。そして菜々子はそんな息子を応援したいと神奈川から大阪へ移り住むことを決める。本作はそこの高校の父母会や大阪の文化に苦悩しつつ、息子を応援する3年間の母親の物語。
まず本作を読んで真っ先に頭をよぎったのは、私の兄と両親のことでした。私には1歳上の兄がおりまして、野球ではないのですが、高校サッカーで同じような体験をしました。それこそ本作に出てくるような、山藤学園みたいな強豪校が地元にはあって、私の兄は、そんな高校のライバル校でサッカーをしていました。そんな兄も主人公の息子同様、靭帯断裂という怪我を経験したり、強豪校と熾烈な争いをして全国大会に出場したりと、まさしく本作のようなドラマチックな経験をしており、両親もそんな兄を応援するため、毎回試合を観に行っておりました。
そういう、主人公たちと同じ経験をした家族がいたからこそ、本作の親の気持ちが、その当時の私の両親の気持ちとオーバーラップしたこともあって、本作がとても心に刺さりました。親の心子知らずとは言いますが、本作を通して、その当時の両親の気持ちが分かった感じがあって、私にとっては非常に良い読書体験でした。 -
私は桜美林高校が甲子園で初出場初優勝して以来の「甲子園(高校野球)」のファンです。本書は評価が高く、かつタイトルから「甲子園」がらみの物語だろうという事で手にとりました。
タイトル通り甲子園(高校野球)の物語ですが、親の目線での甲子園物は私にとっては初、構成も見事で著者の着眼点に脱帽。
さらには、某新興強豪校が実在のモデルになってると思わせるくらい、監督・選手・選手の親同士の様々な軋轢や嫉妬等、普段見えない内側が「考えてみれば高校野球あるあるかも」として描かれてます。
本編で主人公と息子との会話で「『熱闘甲子園』見過ぎやろ。〜」という会話がありましたが、私自身もその番組や数ある漫画等の影響を受けていて、自分に都合の良い感動ドラマとして受け入れしてる事に改めて気付いてしまいました。スタンドで応援する親御さん達のそこに至るまでの背景を今小説で垣間見る事で、都合の良い高校野球ファンでは居られなくなりました。
ただ、本書はあくまで高校野球児を持つ母子の話で、母親の目を通して息子が「高校野球児」としてではなく「人」として成長しはじめるあたりから物語は加速度を増し俄然面白くなって来ます。久しぶりに残りのページが少なくなってしまうのが残念な気持ちにさせてくれた本でした。
「面白かった」や「良かった」という小説は数ありますが「読んでよかった」という小説はなかなか出会えません。これはそんな小説でした。 -
航太郎ええ子や〜。゚(゚´Д`゚)゚。
はい、『アルプスの母』です
題名だけで高校球児を育てるお母さんの物語ってのがわかりますな
決して結婚して女の子を産んだあと旦那さんと死別してシングルマザーとなったハイジが娘を連れておんじの元に帰り、独身を貫くペーターの力も借りながらアルプスの山々での子育てに奮闘する物語ではありません
まぁワタクシが高校野球ファンだってこともあるかもしれませんが「アルプス」って強い言葉だな〜って思います
それにしてもええ子なのよ!甲子園を目指す息子の航太郎がありえないくらいええ子!
こんな子やったら男の子も良かったな〜なんてね
ほらうちは謎の生命体(女の子)しかおらんからさ
男の子も育ててみたかったな〜なんて思うわけよね
まぁ、これ言うと奥さんに「お前は別に女の子も育ててないけどな」って言われるんだけどね(;´д`)トホホ…
いや、わいもまあまあ頑張ってると思うけどなぁ〜
はい、中身ね
お話の中身ね
いろいろあって母も子も成長する物語!
好きなやーつ!いじょ!-
ネタバレ、ダメ、絶対!!
なんかロッテンマイヤーさんがいい人になってるっぽいので読んでみますp(^_^)q←まだ言うやつネタバレ、ダメ、絶対!!
なんかロッテンマイヤーさんがいい人になってるっぽいので読んでみますp(^_^)q←まだ言うやつ2024/05/08 -
ロッテンマイヤーさんは元々いい人やで
特に第七千八百四十五章でのロッテンマイヤーさんのセリフが泣かすのよ!ロッテンマイヤーさんは元々いい人やで
特に第七千八百四十五章でのロッテンマイヤーさんのセリフが泣かすのよ!2024/05/08 -
2024/05/08
-
-
高校野球が好き、親子の話に弱い、完全フラグ。
もうタイトルで正直やばいと思ってて、早すぎると思いながらも10ページそこそこのプロローグで目頭が熱くなった…読み切れるか心配した笑
菜々子さん決して過保護では無く、それでも深く航太郎を愛している様子がとてもバランスよく描かれてます。
確かに甲子園を目指す話だけど、タイトルの意味に納得の内容。完全に主役はアルプス席にいる母で、その戦いの話です。
親、監督、子供の間で色々な関係があり、胸糞悪くなるところもるけど、それも込みで面白い話に仕上がってます。特に親達の様子を大海原の浮き輪に揶揄する表現なんかは最高。私もそういうの気持ち悪く思うタイプなので。
本当にタイトルだけで選んだ本で、よく見たら「店長がバカすぎて」の早見さんでした笑
最初の心配はどこ吹く風で、胸が熱くなるシーンも多かったけど、声出して笑えちゃうシーンも同じくらいあり、今のところ今年No.1の作品!
アルプス席のおがつぁん笑
図書館本につき、文庫化されたら手元に残そう。
著者プロフィール
早見和真の作品





