それいけ!平安部

  • 小学館 (2025年4月16日発売)
4.02
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感想 : 25
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093867535

作品紹介・あらすじ

ピュア度100%! ハートフル青春小説

いみじ! 新入生、部活つくったってよ

県立菅原高校の入学式当日、同じクラスになった平尾安以加から「平安時代に興味ない?」と牧原栞は声をかけられた。「平安部を作りたい」という安以加の熱意に入部を決めるが、新部を創設するには5人の部員が必要だった。あと3人(泣)!!
クラスメートから上級生まで声をかけ、部員集めに奔走するが──
「平安部って、何やるの?」

《平安部員求む!》
わたしたちと一緒に平安の心を学びませんか?

◎平尾安以加(ひらお・あいか)
1年5組
平安時代大好き。

◎牧原 栞(まきはら・しおり)
1年5組
赤染衛門似

◎大日向大貴(おおひなた・だいき)
1年2組
中学まではサッカー部

◎明石すみれ(あかし・すみれ)
2年1組
元百人一首部の幽霊部員

◎光吉幸太郎(みつよし・こうたろう)
2年3組
元物理部 イケメン


【編集担当からのおすすめ情報】
「ほかに存在しない部活」を舞台にしましょうと誕生した平安部。
全国の書店員さんから、たくさんの反響をいただいています。
「入部希望!」という声も多数!
現状は5人の平安部ですが、6人目の部員を絶賛募集中です!

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、初めて会った人にいきなりこんな質問をされたらどう返すでしょうか?

     『平安時代に興味ない?』

      (*˙ᵕ˙*)え?

    初めて会った人ですよ。そう、初めて会った人にいきなりこんなことを訊かれても不信感しかありません。『はぁ?』と、『かなり感じの悪い「はぁ?」が出てしま』ってもおかしくはないと思います。でも、そんな質問をした人はめげるどころかさらにこんなことを言ってきたとしたらどうでしょうか?

     『あたし、平安時代が大好きなの!』、『だから、この高校に平安部を作りたくて』

    ますますよくわからなくなってきました。『平安時代が大好き』なのはその人の自由でしょう。でも、だからと言って『平安部』とは意味不明です。これは、何をする『部』なのでしょうか?また、そんなものが簡単に作れたりするものでしょうか?

    さてここに、入学早々、『平安部』を作るために活動をはじめた二人の女子高生を描く物語があります。『平安部』って何?という漠然としたイメージが次第に見えてくる面白さを感じるこの作品。高校生たちのどこまでも前向きな”青春”に目が遠くなるこの作品。そしてそれは、『平安部』という部活動に”青春”の眩しい輝きを見る物語です。

    『栞ちゃんも写真撮る?』と『記念撮影しようとする生徒と保護者が列をつく』る『入学式の看板の前で』母親に訊かれて、『別にいい』とそっけなく答えるのは主人公の牧原栞(まきはら しおり)。『こんな雨の中並びたくない栞は、母親と別れて『一年五組』の教室に入り、『座席表を見て着席』します。『まわりの様子をうかが』っていると、『背が小さくて、目がぱっちりしたかわいい系の』女子と目があった栞は、『ねぇ、あなた』とにこやかに話しかけられます。『ひとつ結びにしたストレートの髪が腰まで伸びている』女子は、『平安時代に興味ない?』といきなり訊きます。『はぁ?』と『かなり感じの悪い「はぁ?」が出てしま』って焦る栞に『あないみじ…これ、運命の出会いだよ』、『あたしの席、ここなの』と言うと前の席に座った女子。『あたし、平尾安以加(ひらお あいか)です。安以加って呼んでね』と言われ、『わ、わたしは牧原栞』と返すと、『栞ちゃんは平安時代に興味ない?』と再び訊かれます。それに『ない』と即答する栞は、『中学一年生の』のとき、『歴史の授業で、「平安時代は色が白く、のっぺりした顔がモテた」』、『このクラスだと、牧原みたいな顔だな』と『社会の担当』教師が話し、『笑い声が上がり、みんなが』栞のほうを見たことを思い出します。『見た目のことを言うのはよくないと思います』と『普段から発言の少ない』栞が言うと『「ごめんごめん」と謝罪にもならない口調』で謝る教師。その口調で栞が『先生に反論するヤバいやつという認識が広まって』しまいました。『これから興味を持つのもアリかもよ!』、『あたし、平安時代が好きなの!』、『だから、この高校に平安部を作りたくて』と続ける安以加。そんなところに担任が入ってきて一旦話は終わりましたが、『へいあんぶ』という『奇妙な五文字に脳内が埋め尽くさ』れてしまった栞。登校初日が終了し、再び安以加に話しかけられた栞は『LINEの連絡先を交換し』、『じゃあ、また明日ね』と別れました。『面倒なことに巻き込まれたと頭を悩ませ』る栞ですが、『これといって入りたい部活がない』ことに思い至り『平安部ってどんなことするの?』とLINEを送信します。すると『質問ありがとうございます!平安の心を学ぶ部活にしたいです』とすぐに返信が来ました。そして、翌朝、『平安部員募集のチラシを作ったの』と『A4サイズの真っ白な紙に、毛筆で縦書きされ』た『平安部員求む!…』というチラシを見て『そのセンスに絶句』します。『栞ちゃんはどうするか決めてくれた?』、『栞ちゃんは平安時代が似合いそうだから』と言われ『顔のことを言ってるに違いない』と思う栞ですが、『今までの人生、こんなに強く求められたことなんてなかった』と思い至り、『安以加と一緒に走ってみようか』と心を決め『平安部、入ってもいいよ』と返事をしました。『ありがとう!』と『両手を握』る安以加は、視線のあった『隣の席の男子』に『八木くんも平安部入らない?』と『間髪いれず』に話しかけます。『俺はサッカー部って決めてるから』と断る八木ですが、『そういえば…』と一年二組の大日向大貴を紹介してくれます。早速、『五組の八木くんの紹介で来ました』と二人で会いに行くと、『うちの高校って、全員部活に入らないとならない』ので『勧誘にきてもらってちょうどよかった。入るよ』という返事をもらえました。その後、部員の勧誘をすすめる中で『新しい部って、作れるの?』とそもそもの疑問を呈されてしまった二人は『担任の藤原先生に』相談します。『教頭先生に聞いてみましょう』と言う藤原と教頭先生のところに行くと、『五人以上集めたら部になるよ。四人以下は同好会』、『同好会には予算がつかないし、部活動紹介のステージに上がれない』等説明を受けます。『で、何部を作りたいの?』、『平安部です』、『平安って、平安時代の?』、『そうです』、『歴史研究部があるのに?』、『はい』と『卓球問答』になる教頭先生と安以加。教頭先生から『歴史研究部』の中に『専門班』を作ることを提案され、『歴史研究部』と交渉しますが上手くいきません。『あたし、どうしたらいいかわからなくなってきた』と弱気になる安以加に『わたしと大日向くんと三人で、平安の心を学ぼう』と励ます栞。『栞ちゃんはどうしてこんなに親身になってくれるの?』と訊く安以加をさらに励ます栞。『目先を指先で拭った』安以加は、『ありがとう、栞ちゃん。こうなったら、五人集めて部を目指そう!』と宣言します。そして、苦難の末に五人を集めてスタートした『平安部』の”青春”ど真ん中な活動が描かれていきます。

    2025年4月16日に刊行された宮島未奈さんの最新作でもあるこの作品。”発売日に新作を一気読みして長文レビューを書こう!キャンペーン”を勝手に展開している私は、2025年2月に湊かなえさん「C線上のアリア」と町田そのこさん「月とアマリリス」の二冊、今月4月には桜井美奈さん「復讐の準備が整いました」と、私に深い感動を与えてくださる作家さんの新作を発売日に一気読みするということを毎月一冊以上を目標に行ってきました。そんな中に、デビュー作「成瀬は天下を取りにいく」で本屋大賞2024を受賞、続編の「成瀬は信じた道をいく」とあわせてシリーズ累計100万部を売り上げたという大津市在住の宮島未奈さんの新作が出ることを知り、これは読まねば!と発売日早々この作品を手にしました。

    そんなこの作品は、内容紹介にこんな風にうたわれています。

     “県立菅原高校の入学式当日、同じクラスになった平尾安以加から「平安時代に興味ない?」と牧原栞は声をかけられた。「平安部を作りたい」という安以加の熱意に入部を決めるが、新部を創設するには5人の部員が必要だった。あと3人(泣)。知恵をしぼって部員を集め、 平安部は誕生するが、 はたしてどんな活動が始まるのか ー”

    宮島未奈さんというと、”成瀬シリーズ”で高校生の”青春”を鮮やかに物語に描かれる方という印象が鮮烈ですが3作目では年齢層をぐっと上げた「婚活マエストロ」で新たな世界を開拓されました。そんな宮島未奈さんが原点回帰とばかりに再び高校生の日常を描く物語に戻ってこられたのがこの作品です。それこそが、『平安部』という、一見、”?”という思いが湧き上がる高校生の部活動を活き活きと描いていく物語です。

    さて、そんな作品のそもそも論から見ていきましょう。『平安部』という摩訶不思議な部活動についてです。

     ● 『平安部』ってどんな部活動?
      ・『わたしたちと一緒に平安の心を学びませんか?』
      ・『活動日は月曜日』
      ・『顧問は一年五組の担任、藤原早紀子先生』
      ・部長は一年五組の平尾安以加
      ・『部室棟の105が活動場所』

    いかがでしょうか?なんだかわかったようなよくわからないようなまとめですみません(笑)。物語では、やはりなんだかよく理解できていない教頭先生から『歴史研究部』の『専門班』での妥協を提案され『歴史研究部』に相談に行ったものの、他の時代も学ぶべきという正論の末に拒否されてもしまいます。しかし、これにめげない安以加と栞は部活の要件である『五人以上』集めるという目標に向かって部員の勧誘を続けていきます。このあたりの展開もなかなかに興味深いです。では、そんな風に集まった五人の部員をご紹介しましょう。

     ● 『平安部』の五人の部員たち
      ・一年五組 平尾安以加: 部長、平安時代が大好き
      ・一年五組 牧原栞: 主人公、中学時代は『ご意見番キャラ』
      ・一年二組 大日向大貴: 中学時代はサッカー部、コンビニでアルバイト
      ・二年一組 明石すみれ: 元百人一首部の幽霊部員
      ・二年三組 光吉幸太郎: 安以加の旧友で元物理部、イケメン

    二年生が二人もいますが、部長はあくまで言い出しっぺでもある安以加が務めることになります。そして、この五人のそれぞれの個性がまた絶妙です。部としての成立最低要件の五名ギリギリのメンバーですが、物語ではそれぞれの個性を最大限に物語に活かしていきます。誰一人として欠かすことのないこの陣容こそがこの作品の魅力の一つと言えます。そして、もう一人欠かせない人物がいます。それこそが、一年五組の担任であり、『平安部』の顧問になった藤原早紀子先生です。この藤原先生が良い味を出してくれます。少し見てみましょう。部員が集まったことを藤原先生に報告に行く安以加と栞という場面です。

     藤原: 『えっ、五人集まったの?』
     安以加: 『でも、顧問の先生がいないんです』
     藤原: 『うーん、わたしは数学研究部の顧問をしてるから…教頭先生に聞いてみましょう』
      (逃げるように教頭の席に移動した藤原先生だが、あっさり返り討ちにあう)
     教頭: 『藤原先生が顧問をしたらいいじゃないですか』
     藤原: 『だって、わたしは数学研究部の顧問で…』
     教頭: 『数学研究部の活動日は水曜日。平安部の活動日である月曜日とは重ならないでしょう』
     藤原: 『でも、わたし理系だし、平安時代のことなんてさっぱり』
     安以加: 『あたし、藤原先生と平安の心を学びたいんです!』
     藤原: 『(ため息をつき)わかった。名前を貸すだけだからね』
      (率直すぎる言い草に、教頭は苦笑)

    かなり端折っていますが、藤原先生のある意味での人の良さを感じます。まあ、昨今学校の先生の長時間労働が社会問題にもなっていますから、なかなか微妙なところはあるのでしょうね。そんな藤原先生は、部活動開始の際の挨拶にも本音が混じります。

     藤原: 『…わたしとしては問題を起こさず活動したくれたらなんでもいいです!』

    う〜ん。どこまでもユニークな先生です。すべてに本音が出ていて思わずファンになりそうです!物語では、まだまだこんなものじゃない!藤原先生の表裏のない言動の数々が読者を魅せてくれます。これから読まれる方には、この藤原先生のそこかしこでの登場に是非ご期待ください。もしかすると『平安部』の活動そのものよりも、藤原先生の登場場面こそが一番の魅力かもしれません(笑)。

    さて、そんなこの作品は以下の6つの章から構成されています。

     ・〈第一章 平安部って、何やるの?〉
     ・〈第二章 俺たち初期メンじゃん〉
     ・〈第三章 それじゃ、また来週〉
     ・〈第四章 受けて立ちます〉
     ・〈第五章 きっとうまくいくよ〉
     ・〈第六章 それいけ!平安部〉

    単行本にして256ページという作品ですので、各章の詳細に立ち入りすぎることは避けたいと思いますが、上記した『平安部』結成までの安以加と栞の部員獲得に向けた苦悩な日々が〈第一章〉まるまるかけて描かれていくところは間違いなく魅力の一つです。物語の舞台は『昔は栄えていたらしいが、今はシャッター街』という『ごくありふれた地方都市』にある『県立菅原高校』が舞台となります。物語は、主人公の栞が入学式へと向かう場面から始まりますが、高校生を描く物語として、こんな表現も登場します。

     『母親同士は同列かもしれないけど、わたしと瑞希はスクールカーストにおいて大きく離れている』。

    そうです。”学園物語”としての側面がこの作品の土台に描かれています。とは言え、世の中に”学園物語”は数多く存在します。また、高校生の部活動を描く作品もスポーツ、吹奏楽などこちらも多々あります。そんな中でこの作品の個性は、部活動をゼロから立ち上げる生徒たちの物語が描かれていくところです。私の記憶する限り私がこれまでに読んできた950冊以上の小説に同様の展開を辿るものはなく、私の中では唯一無二の作品です。一章まるまるかけて”部活動ができるまで”に充てるこの作品の構成はそういう意味でも貴重だと思います。

     『あたし、これまで学校で居場所がなかったから、高校に入ったら自分で居場所を作ってみたくて、新しい部を立ち上げようって思ったんです』

    そんな風に自らの思いをみんなに語る安以加。なんだか応援したくもなってきますが、どうしてそれが『平安部』なんだという点が余計に浮かび上がりもします。唯一無二、『平安部』という全くもって意味不明な部活動の部員募集に安以加はその思いを込めてこんなチラシを作ります。

     『平安部員求む!
     わたしたちと一緒に平安の心を学びませんか?
     詳細は 一年五組 平尾安以加まで』

    得意な毛筆で安以加自身が縦書きしたというチラシはインパクト絶大ですが、それ以上に、詳細を聞かないとその活動が想像だにできない『平安部』の怪しさも却って興味を惹きます。『平安の心を学ぶ』と言われてそれだけでピンとくる読者の方もいらっしゃらないでしょう。物語では〈第二章〉以降、部の実際の活動が描かれていきます。そこに、上記した部員の面々の個性が活きてもきます。ひとつだけご紹介しておきましょう。

     『なんでも藤原成通は蹴鞠(けまり)の達人として名が残っている』

    そんな風に歴史に残る平安時代のスポーツ、『蹴鞠』が登場します。『一チームは五人から八人』、『一人につき三回まで連続で蹴ることができます』、『他人に蹴り出すときには「アリ」「ヤア」「オウ」の掛け声が必要』。そんなルールの下で、『蹴鞠』の試合も描かれていく場面は、なんだかとっても面白いです。『平安部』という意味不明の、もしくは極めて懐の深い部活動だからこそ、このようなスポーツさえも活動内容に組み込んでしまえる余地があるとも言えます。物語は、そんな活動を行う中で絆を深めていく五人の部員を活き活きと描いていきます。そして、そんな物語は、まさしく”青春物語”の醍醐味を見せながら、〈第六章 それいけ!平安部〉へと盛り上がりを見せていきます。

     『一年五組の教室で安以加に声をかけられたのをきっかけに、仲間を集めて平安部をつくってきた。   あれから半年、あっという間だった気がする』。

    そんな思いを胸に、結末の舞台へと向かう『平安部』の面々。『「ヤバい」みたいな言葉』という『いみじ』という言葉で盛り上がる五人の個性溢れる面々が半年の活動の先に見せる『平安部』の魅力は読者に強い説得力をもって伝わってきます。そして、読者の胸中に”自分も参加してみたい!”と素直な思いを湧き上がらせてもくれるこの作品が見せてくれるその結末には、”青春”の素晴らしさを存分に堪能させてくれる爽やかな物語が描かれていました。

     『わたしたちと一緒に平安の心を学びませんか?』

    そんな誘いの言葉の先に五人の部員で立ち上げた『平安部』の活動が描かれていくこの作品。そこには、宮島未奈さんらしい”青春物語”が描かれていました。顧問の藤原先生が良い味を醸し出してくれるこの作品。五人の部員それぞれの個性が物語を絶妙に盛り上げてくれるこの作品。

    ゼロから部活動を立ち上げ、活動をしていくというこれまでなかった”学園物語”の面白さで魅せてくれた素晴らしい作品でした。

  •  「それいけ! 平安部!」は、単なる書名にあらず!

     あないみじ。

     なごみ感あり、緊張感あり、ワクワクあり、ドキドキあり。。。

     部活動を経験したすべての人には分かり味満載。
     部活動未経験の人はきっと憧れ味を感じることでしょう。

     起承転結の先を感じる胸熱青春絵巻、ここに開帳。
     読んだら人に勧めたくなる、多言不要の超オススメ。

  • 宮島未奈さんの新刊は、高校の部活の話。タイトルや装丁のイメージ通り、爽やかな青春を感じさせるストーリーだった。
    高校初日に平安時代へ並々ならぬ情熱を持つ安以加から「平安部」に誘われた栞。そこから平安部の新設の動きが始まり…。個性的な仲間や小規模で新しい部だからこそ、のびのび活動している様子がとても良かった。こんな部活だと高校生活も一段と楽しいだろうなと思う。部員のみならず菅原高校の生徒は皆真っ直ぐで健全で、それを取り巻く保護者や先生も人間的で憎めない人たちばかり。自分も部員になったかのように部員たちのアイデアで始まる色々なアクティビティを夢中に読み進めた。習い事でやっていた習字を思い出し、久しぶりに書道をやってみたくなった。

  • もう宮島節炸裂のおもしろおかしい物語でした。馴染みのない平安時代を盛り上げようと奮闘する安以加それに付き合わされた栞、新部にするところの活動に応援したくなりました。そして5人揃ったところで部になった喜びに拍手喝采でした。それぞれの部員の個性を発揮して大きくなって過程が素晴らしい。何と言っても平安蹴鞠選手権2024in京都での奮戦が手に汗握る素晴らしさそして、優勝するとは思いも知れずあっぱれでした。文化祭でのみんなの活躍は心打たれました。これはシリーズ化して欲しいです。まだまだまだ読んで見たいです。あなたも読んで楽しんで下さい興奮して下さい。それいけ平安部

    • samoyedさん
      はじめまして。samoyedと申します。
      是非読んで、とのお言葉に誘われて読んでみようと思っています。読み終えたら、感想、アップしますね。
      はじめまして。samoyedと申します。
      是非読んで、とのお言葉に誘われて読んでみようと思っています。読み終えたら、感想、アップしますね。
      2025/04/08
  • 熱血!がむしゃら!とは少し違う等身大の高校生たちの、しかしまっすぐな姿が好ましかった。
    学生時代の部活動という、限られたその時にしか過ごせない時間だからこその尊さが光る作品だった。

  • 今時こんな純粋な生徒ばかりの高校があるだろうか…なんて突っ込みは野暮。ゼロからのスタート、好みも性格もバラバラの部員5人一丸で「平安部」を形にしていく過程がただただ微笑ましい。イケメン幸太郎は最強。とてもライトな青春小説、とりあえず「ピュア度100%‼︎」に偽りなし。

  • 宮島未奈イズムが発揮された、ピュアな青春よ…。

    「あー!!こんな青春を送りたかったなあああ!!」

    と、読み終えたあとの私の感想です(笑)
    宮島さんから紡ぎ出すストーリーって結構好きです。

    『まっすぐ目標に進む』強さを安以加が持っているような気がする。
    「平安の心を学びたい」と安以加が栞を誘うところから、徐々に『平安部』に人が集まり文化祭出店まで、着々と平安部「らしさ」が出来上がってくる。
    物語に出てくる登場人物の個性もかなりひきたってて、ところどころちょっとした(寒い)ギャグや個性のインパクト強さが目をひく(笑)。
    ここまでユルい人たちはいないんじゃないの?リアルタイムで出会ってみたい人たちだった。

    新しい部活を立ち上げた経験はないが、「新しいものを作る」モチベーションの熱量はとても高い。先は見えないんだけどワクワクが止まらず鼓舞する。自分も仕事ではあった。今なんでないんだっけ?なんて思ってしまったぐらい、ワクワク感が大人になると本当に数が少なくなる。だからこそ気持ちをぐいぐい上げるような物語に出会えるって、奇跡だなって思えた。

    本当に面白かったです!

  • 2025/04/17
    発売前に試し読みをしてとても気になっていて、満を持して発売ということで購入しました。面白くて、読みやすくて、一気読みしました。

    この本の面白さは、平安部という何やるかわからない漠然とした部活動を、高校に入りたての少女たちが立ち上げ充実させていくという“新生活や未知のものに向かっていくワクワク感”を“自分も同じ場に居合わせている様な感覚”に気づいたらなっているところです。
    部活動立ち上げのために部員を5人集め、平安を通じてそれぞれが打ち解けていき、充実した学生生活を送る、という絶対に経験したことのない日々なのに、どこか懐かしさだったり、「こういう部活入ってみたかった!」って思ったり、部活作るってこんな感じなんだな〜、と思いを馳せずにはいられません!

    また、部員それぞれがキャラが立ってて魅力的です。やる気ないマイペースキャラかと思ったら大違いの大日向、気の遣えるお姉さん的存在の明石さん、おおらかでハッピーオーラ全開の光吉さん、平安部の発起人の安似加。実は一番勇気があるのに、部員達のキャラ立ちと比べ存在意義を見失ってしまう主人公に感情移入してしまいました。みんなほんとに優しいいい子達で、平安部のみんなとならできるそうな気がする、と本当に思わせてくれる子達です。

    宮島未奈先生の作品は学生生活へ没入させてくれて、ワクワク感や自分も何かしたいと思わせてくれます。ぜひ、手に取って読んでみてください!!!

  • 面白かったです。一気読みしました。
    宮島未奈さんの作品はどれも文章が軽くてサクサク読める。平安部のメンバーの背景も深掘りしないのが読者にそれぞれの個性を印象付けられる。文章が軽いわりに分かりやすいからまるですぐ近くで平安部を見ているように思える。
    高校時代を思い出させる爽やかでサラッと、たまにホロッとさせる作品だ。
    宮島未奈さんは本当に頭がいいんだろう。成瀬、マエストロ、平安部、どれも文章が軽いわりに情景が浮かび上がり、軽さが読者に人物像を浮かび上がらせる余白になっていると思う。
    これも続編を読みたいですね。

  • 宮島未奈さんの本はサクッと軽く読めるのに、引き込まれる感じがとても好きです。


    「詳しさだけで愛は測れない」 
    私は好きな気持ちがあっても、知識がそこまでないし、、となかなか好きなことを公言できないことがあるのでこの言葉にハッとさせられました。

    とってもバランスのいいメンバーで、こういう友達に出会えた学生時代はとっても貴重で幸運だろうなとうらやましくもなりました。
    平安部!ぜひ入りたい

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宮島未奈の作品

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