作品紹介・あらすじ
キレイ好きニッポン人あと100年で消滅?子どものアトピー・ぜんそくの急増、うんちのできない小学生、脱毛と美容にエステ通いの若者、臭い消し化粧品を買うオジサン…。ヒトの生命力を弱める清潔症候群の危険性とは?世紀末ニッポンに潜む病理を寄生虫博士が解剖する。
感想・レビュー・書評
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カイチュウ先生として有名な藤田紘一郎先生の本。
昔、農家には「肥溜め」が必ずあり、家で排出されるウンチを肥料として循環させていた。ウンチは大切な循環の輪の一部で、忌み嫌われるものではなかった。それが水洗トイレの普及で、ウンチは不用なものであり、嫌われものになってしまった。
「肥溜め」から肥料への循環が断ち切られてから、回虫の感染がなくなり、それと時を同じくしてアレルギー疾患の数が激増した。清潔であることを過剰に求めることによって、人間の免疫系が弱くなっているせいだという。ちょっとした異物に過剰に反応する体になってきているそうだ。
この先生自身、「キヨミちゃん」という回虫を体に飼っている。回虫がいることで、すこぶる体調が良いらしい。多少のダニアレルギーがある私にとっても、アレルギーがなくなるということに関してはうれしいことだが、じゃあ回虫を飼うか?というと、さすがに抵抗がある。ダニアレルギーだけではなく、花粉症にも絶大な効果があるらしい。
最近は清潔志向が強く、抗菌・消臭グッツが大流行。キレイであることを求めてエステも男女を問わず大盛況。たしかにキレイであることはいいことだけれど、マスメディアや、そういう商品を製造・販売している会社に洗脳されている観もある。「なんでもほどほど。多少のことでは人間死なないよ。」と酔っぱらって帰った日はお風呂に入らず寝てしまうが、翌朝ちゃんとシャワーを浴びている私も、完璧に洗脳されているのか。
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寄生虫博士の本です。
現代日本人の「清潔病」について書いてある本です。
清潔病から、現代日本人の性格や生活の変化などについてかかれています。
1日2回以上洗顔しなきゃ顔の皮膚がおかしくなるという人とかは一読をお勧めしますよ。
ちょっと古い本なので、情報が古いのが難点ですがね。
著者プロフィール
東京医科歯科大学名誉教授 ・ 人間総合科学大学
「2010年 『未来コンパス 13歳からの大学授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」
藤田紘一郎の作品
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