対話のレッスン

著者 :
  • 小学館
3.71
  • (7)
  • (15)
  • (19)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 163
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093873505

作品紹介・あらすじ

「会話」から「対話」へ。若者たちの言葉、時代の台詞から21世紀型コミュニケーションの方法を探る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ギリシャの民主主義の発生と演劇の関係性、価値観を擦り合わせていく対話態度、劇中での説明的言葉は見ず知らずの他者の存在と対話。

  • 読み始めだけど、言葉について、こんなに分析的かつ情緒的に書いてあるのにもかかわらず読みやすい本はなかなかないと思う。おもしろい!

  • 対話とは、方法や技術ではなく、態度。

    テクニックではなく、「在り方」である、ということ。

    ことばと深く丁寧に付き合ってこられた著者のことばは、腑に落ちる部分が多かったです。

    態度を身につける大切さは、「専門職」としてもそうだなと深く納得しました。

  •  インターネットが急速に発展、めまぐるしい速度で若者を中心に新しい言葉が生まれ、言語が改革される片鱗を見せていた時代に書かれていた本著。
     今読んでみると、なるほど確かにここ二十数年で日本人の言葉の使い方は大きく変わっているとわかります。しかし、当時著者である平田オリザさんが危惧していた問題は、言語の変化とは裏腹に、より深刻化しているように思えます。
     「対話は対立から始まる」と出てきましたが、今はSNSの普及により、自分と反対の立場にある人を簡単に誹謗中傷し、話のできないユーザーが多く現れました。また、多くの人々は他者からの監視と拡散を恐れ、他人に対立する意見を忌み嫌うようになりました。
     このままでは、日本は対話を恐れてしまう国になってしまう。
     自分が相手の意見と対立することを恐れず、相手の意見も深く聞き込み、対話を繰り返し、多くを擦り合わせた価値観を創造できる、対話の活発な社会を目指して、私たちにできることはなんでしょうか。変化していく日本語の中で、私たちが対話をしやすくするにはどうしたら良いのでしょうか。

  • 中島義道の対話のない社会を読みたくなった。

    弱者の声を押しつぶすでなく、耳を澄まして忍耐強くその声を聞く社会

    漠然とした空気に支配されて徹底的に責任を回避する社会ではなく、あくまで自己決定し自己責任をとる社会

    相手に勝とうとして言葉を駆使するのでなく、真実を知ろうとして言葉を駆使する社会

    思いやりの美談の元に相手を傷つけないように配慮して言葉をぐいと飲み込む社会でなく、言葉を尽くして相手と対立し最終的に潔く責任を引き受ける社会

    対立を避けるのでなく何よりも対立を大切にしてそこから新しい発展を求めてゆく社会

    他者を消し去るのでなく他者の異質性を尊重する社会



    日本ではこれは難しい?
    流動性が少なく他者不在の言語

    経済成長に向けて一元化された価値の時代は終わりを迎え、対話が必要とされている。

    自分の幸せを自分で決めなくてはいけないことに対する不安

    企業や学校という大きな集団、共通の趣味を持つ小さな集団、環境問題などの市民集団



    この異なる位相の集団を結ぶ対話の言葉がない。

    自分で人生を作っていきたいという感覚が弱く、今も自分探し中、専業主婦は子育ての有能さを示すしか自己実現の方法がない。

  • 言葉のプロが徹底的に言葉について考察したエッセイ集。
    著者の作品はいつも言葉に対する感受性、感度を磨いてくれる。
    テーマが少々難しくても、そこはプロで文章自体が何よりも読みやすいのだ。

  • 私とあなたは違うということ。
    だから、対話をして、会話をする。
    少しでも、距離を縮めるために。

  • グローバルな環境で日本人が生きていくためには、異なる価値観を持った人々とコミュニケーションを図っていかなければならない。そのためには、対話力を磨くことが重要と筆者は説いている。
    印象深かったのは、例え同じ国、同じ文化で育ってきていても、コンテクストのズレが生じてしまうということ。育った環境は一人一人微妙に異なるから、言葉のニュアンスも違ってきて当然だよなあ。

  • 「私とあなたは違うということ」

    本当のとこはわからないけど、話し合わないと何もわからないと思った。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年、東京都生まれ。劇作家・演出家。芸術文化観光専門職大学学長。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。戯曲と演出を担当。戯曲の代表作に『東京ノート』(岸田國士戯曲賞受賞)、『その河をこえて、五月』(朝日舞台芸術賞グランプリ受賞)、『日本文学盛衰史』(鶴屋南北戯曲賞受賞)。『22世紀を見る君たちへ』(講談社現代新書)など著書多数。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平田オリザの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
ジェームス W....
エーリッヒ・フロ...
レイチェル・L....
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×