激走 福岡国際マラソン (小学館ミステリー21)

著者 :
  • 小学館
3.28
  • (2)
  • (13)
  • (20)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 80
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093876230

作品紹介・あらすじ

北京オリンピックの代表が決まる福岡国際マラソン。有力選手、外国招待選手、そして有望視されている新人など各ランナーの思惑が錯綜する。そのなかで実力がありながらペースメーカーとして出場する市川。彼もまたこの福岡にひとつの思いを持っていた。レース途中に、有力選手の死亡事故があったが(それは殺人なのかまた事故なのか。先導する白バイの警官が、その謎に挑戦する)、白熱のレースは続く。モノローグのように、各選手の過去が綴られ、次第に謎が明らかにされていく。勝負はトラックまでわからない。そして最後の直線100メートルの激走がその答えを出した。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者、鳥飼否宇さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    鳥飼 否宇(とりかい ひう、1960年3月6日 -)は、日本の小説家。本名は鳥飼久裕(とりかい ひさひろ)。福岡県生まれ。九州大学理学部生物学科卒業。編集者を経て、2000年4月から奄美大島に在住。特定非営利活動法人奄美野鳥の会会長。

    福岡国際マラソンが、今年(2021年)の大会で終了するとのこと。
    その理由は、運営する上での財政難とのことです。
    世界の潮流が、「大都市型マラソン」に移行しているとのことで、数万人のランナーを受け入れる規模でないと、うまくいかないようです。
    何やら、びわ湖毎日マラソンも同様の理由で、今年の2月の大会で終了になったようです。

    そのようなことがあり、今回、この作品を手にしました。

    この作品の内容は、次のとおり。(コピペです)

    北京オリンピックの代表が決まる福岡国際マラソン。有力選手、外国招待選手、そして有望視されている新人など各ランナーの思惑が錯綜する。そのなかで実力がありながらペースメーカーとして出場する市川。彼もまたこの福岡にひとつの思いを持っていた。レース途中に、有力選手の死亡事故があったが(それは殺人なのかまた事故なのか。先導する白バイの警官が、その謎に挑戦する)、白熱のレースは続く。モノローグのように、各選手の過去が綴られ、次第に謎が明らかにされていく。勝負はトラックまでわからない。そして最後の直線100メートルの激走がその答えを出した。


    ●2022年3月14日、追記。

    一転して、福岡国際マラソン、2022年以降も開催できるようになりそう、とのこと。

    以下、引用です。

    日本陸連・福岡県・福岡陸協は3月14日、昨年大会で廃止となった福岡国際マラソンの後継大会「福岡国際マラソン2022」(仮称)を12月4日に開催すると発表した。


  • 在日朝鮮人、障害者、虐めに加えて更に後遺症が残ったり、殺人事件があったり、と、相当なコンボを積み重ねてきているんだけども、実にあっけらかんというか、爽やかにまとめきっているわけです。
    最終的には騙されたーっていう展開なんだけども、
    まぁそれもまた良し、って思えるのよ。
    これはもうね、才能だよね。
    だいたいの場合この手のネタで小説を作るとダークな展開になりがちなんだけども、やっぱそれだけじゃ人生つまんないよね!ここは洪さんを見習って前向きに生きていきたいよ。
    てかここまで前向きだと異常っていうかすごすぎ。

  • スポーツ青春ものっぽいのにちゃんとミステリーになっているのが面白い

  • 初めて読む作家さん、北京オリンピックの出場枠をかけ福岡国際マラソンに出場する各選手の心理面を綴る事で物語が進んで行きます。各選手自分の資質に応じた戦略を立てて臨む大会、しかし全ての選手の思惑が合致することはなく、常に状況に応じた軌道修正を迫られる。その心理面も描写も面白いですが、そんな中で一つの事件が起きる。僕としては物語の中でわざわざそんな事件を起こすよりも、事件に巻き込まれた選手も後半のデットヒートに参加させてレースを盛り上げてほしかった。。。
    それでも本は面白かった事には変わりないです。。まる。。

  • 期待せずに読んだんやけど、結構面白かった。
    最初の方で、何のためかは分かったけど、誰のためなのか分からず、
    先が気になって一気に読んだ。
    ペースメーカーって何か違うんじゃないの?と思っていたけど、うまく使われていた。
    別に契約以上に走っても良いというのは初めて知った。
    他人を思いやる気持ちがモチベーションになるという清々しい話かった。

  • 万人受けしない競技なので面白味に欠けるかなと思いましたが、過去の回想を挟みながら各ランナーの思惑が少しずつ明らかになる展開は飽きさせません。物語が単調にならないよう工夫されているなと感じました。
    途中に挟まれるアクシデントの真相はかなりあっけないものでしたが、それをダミーにしてメインを気づかなくさせる手法はお見事でした。
    なかなかの良作ですが、あまり知られていないのが不思議です。硬派過ぎるタイトルが邪魔しているのかなと思いました。

  • 初☆鳥飼氏。
    読みやすさ抜群。

  • マラソンをやってるので

    タイトルにマラソンと付くだけで手にとった作品。



    オリンピック選考会を兼ねたレースにを舞台にしたミステリ。

    走っている間の他の選手の心理とか、白バイ隊員など

    いろんな人の心情や企みが面白かった。

    本当にマラソン中継をテレビで見ているように感じる描写でした。

    マラソンをしている人は特に楽しめると思います。

  • 北京オリンピックの選考会も兼ねた福岡国際マラソンを舞台にしたミステリです。
    42.195キロを選手達が走っている時のそれぞれの思惑と駆け引き、心理描写にはハラハラドキドキさせられます。
    マラソンでミステリとはどういった事なのかと思っていましたが、最後まで読んでその意味が分かりました。
    初めは何が謎なのか分からないながらも読み進めていましたが、途中あるタイミングからその謎が段々と見えてきます。
    最後に明かされる真実と共に伏線が回収される時の感動は素晴らしいものです。

  • 中盤あたりまではただひたすらマラソン。30キロ地点位まで。出場メンバーはペースメーカーを務める主人公、市川。市川の会社の後輩、洪。イケメン二階堂。性格の悪いエース、小笠原など。
    二階堂が途中、突然死のアクシデント。実は小笠原の仕業なのだが…。走る中で、小笠原はライバルを蹴落としてきた。過去に思いを巡らせ、昔失明させた徳山のことを思い出す。
    最後の最後、洪=徳山だと判明し、同時に市川は盲目の洪専属のペースメーカーだったこともわかる。
    好きな私は楽しく読めたけど、一般的な受け入れは難しいか

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年福岡県生まれ。九州大学理学部卒業。2001年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。主な著作に「観察者」シリーズ、「綾鹿市」シリーズなど。碇卯人名義でテレビドラマ「相棒」シリーズのノベライズも執筆。2016年『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞【小説部門】を受賞。

「2021年 『指切りパズル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鳥飼否宇の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×