語られなかった皇族たちの真実-若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093876254

感想・レビュー・書評

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  • なぜ、皇統は男系にこだわらなければいけないのか?

    その最たる理由は皇統の男系継承は2000年の伝統がある、ということに尽きる。
    これだけ長い間育まれ、守られてきた伝統的慣習を簡単に変更するというのであれば、それは先祖に申し訳ないことであると考えなければならない。

    「皇統はなぜ女系ではいけないのか?」という設問がよくあるが、これは的が外れていて、それは「男系により継承されてきたものを天皇家というのであり、女系により継承されても天皇家とはいえないからである」
    たとえば世界最古の木造建築は法隆寺であるが、老朽化が激しいからといって鉄筋コンクリートで立て替えたとしたら、それはもはや法隆寺ではない。
    これは鉄筋コンクリートの善し悪しとは別次元の問題である。
       ~以上、本書より。

    戦前・戦中の皇族の方たちお考えや発言がたくさん紹介されておりとても興味深かったです。
    戦後、秩父、高松、三笠の三宮を除き、すべての皇族が臣籍降下により皇籍を離脱されるのですが、その後、うまく社会へ溶け込め、居場所を確保した人もいるが、事業に手を染めるもことごとく失敗せれた人、新興宗教の教祖に祀り上げられた人、詐欺にあって財産を騙し取られた人、選挙に出て落選した人、離婚した人・・・などなど、さまざまな方たちがおられるとこを知りました。


    現状において男系での継承方法はあるわけで、にも関わらず女系論を議論するのは早計に感じます。
    皇室典範を改正するなら、男系継承を担える旧皇族の方(血のスペア)の皇族への復帰を優先させるべきだと思われます。出来るだけ早急に・・・
    なお、この意見が正しいかどうかの判断は500年後の日本人に委ねたいと思います。

  • 三代の皇統の危機の歴史も興味深くわかり易いが、第二章の戦時中における皇族の活躍が面白かった。あくまで一側面、事実の一つの見方に過ぎないかもしれないが、感心する点が多い。ただ、誤字・脱字が多いのが難点。

  • 女系天皇へ反対する立場の著書が読みたかった。
    以下が男系を継続するべき理由
    ・2000年男系が続いてきた歴史を守るため
    ・女性には月のものがあるため、天皇業務であるまつりごとに参加できない期間が出る(神事には穢れをまとう女性は参加不可のため)
    ・女性には出産、育児があり通年を通して激務の天皇には適さない
    ・日本には男系継承の価値観が根付いているため(女性は結婚後大半が男性の性を名乗る等)

    守られてきた歴史やルールを変える事に対し、拒否感がない立場からすると納得できない内容だったため、他の著書も読んで判断が必要。

  • 竹田先生のデビュー作だっけ?

    明治大帝の玄孫でいらっしゃる。
    皇室について書かれた本はそれ程、いろんな視点からいくらもあるけど、やはりこれだけ皇室に近い方が生でご覧になられてきた皇室には生々しい迫力がある。
    特に、先の大戦前後の、天皇、皇族の方々の決意、そうして、どんなバカでも、皇室へ持っている敬意が読み取れる。
    これは宗教ではないのだが、一種、敬すべきものが生活の真ん中にあり、敬されるべき存在であることはとてもありがたい。
    翻って現在。
    多分それを蔑ろにしようとする、長い時間かけた動きがあって、なんだかんだ、皇統を野に堕とし、薄めて滅してしまおうと言う勢力が見受けられる。
    残念ながら皇族の方々自身も、それに抗えていないのではないかと、思える節もあって、極めて危機感を感じる。

  • 理路整然と語られていて、いちいち納得した。
    大昔からの伝統として、万世一系の男系だからこそ、庶子も認め宮家という担保もあり、ここまで続いてきた一族である。そして男系の概念は、日本人の一般家庭の常識に沿うものである。
    理由があるからこそ伝統になっているものであり、伝統は変えるべきではない。

  • 天皇家・皇族を理解する上で大変参考になる。筆者・竹田恒泰氏は、旧竹田宮恒徳王の孫であり、明治天皇玄孫(孫の孫)である。第二次大戦終了後の1947年、祖父竹田宮恒徳王は皇籍を離脱し、JOC委員として、東京オリンピック・札幌オリンピック誘致に尽力された。また父竹田恒和は現JOC会長である。

    本書は安易な皇室典範改正・女系天皇容認に対する警鐘である。女系天皇を認めないというのは男女不平等である、という指摘は、本書を読めば、まったく的はずれであることが分かる。天皇家の男系継承こそが日本の歴史そのものである。以下に本書の締めくくりの言葉を引用する。

    ”男系によって継承されてきた天皇こそが「万世一系の天皇」である。もし男系でない天皇が誕生したとしたら、それは「万世一系の天皇」とは似て非なるものであり、その時点で「万世一系の天皇家」は断絶したことになる。したがって、皇統は絶対に男系によて継承されなくてはならないと断言して結語としたい”

    第一章は、約2000年に及び、天皇家がいかに男系継承で万世一系を保ってきたかの振り返りである。万が一に備えた世襲親王家、一夫多妻であった側室制度、ピンチヒッターとしての女性天皇などである。

    (なぜ女系天皇ではいけないのか、後ほど追記する)

    第二章から第四章は第二次大戦前後の天皇以外の皇族の方々の活躍の紹介である。日本の歴史教科書ではほとんど教えられていないエピソードが数多く掲載されており、特筆すべき内容である。
    ・第二次大戦前の皇族成人男子は、みな軍人だった(明治天皇の方針)
    ・多くの皇族が開戦に反対だった
    ・にもかかわらず、昭和天皇自身は内閣&統帥部の意志を尊重し開戦に踏み切った
    ・戦時中高松宮(昭和天皇の弟)と細川護貞(細川護煕元首相の父)は東条英機暗殺を目論んでいた!
    ・東久邇宮稔彦王は1920年ごろフランス留学時に、フランスの政治家クレマンソーからアメリカに注意するように言われていた!
    ・終戦の二日後、昭和天皇の名代として皇族がアジア各地に飛び武装解除に尽力した!
    ・筆者の祖父竹田宮恒徳王もその一人で、満州国新都を発つのを一日遅れていたらソ連に連行されシベリア抑留になるところだった
    ・東久邇宮内閣は短期間のうち終戦処理を行った。

    以下、メモを取り忘れた。
    67 宦官 政治腐敗
    72 男系と女系

    <hr>
    目次
    序章 竹田家に生まれて

    第一章 万世一系の危機
     後桃園天皇崩御
     世襲親王家と側室制度
     なぜ男系継承にこだわったか

    第二章 戦争と皇族
     開戦と皇族
     皇族たちの終戦工作
     東条首相との対決

    第三章 終戦と皇族
     終戦の詔書
     皇族男子召集

    第四章 占領下の皇族
     東久邇宮内閣
     十一宮家の皇籍離脱

    終章 雲の上、雲の下

    巻末資料 戦後皇籍を離脱した十一宮家

  • 4-09-387625-8 251p 2006.1・10 初版1刷

  • 昭和史を知る上でとても有益。なぜ男系なのか。なぜ今の皇族の数になったのか。何気ない疑問が解決します。

  • 非常に面白かった。
    終戦日前後の、皇族方の働きを知って感動した。

    これは、買って、手元に置きたい本。

  • 知らなかったことがたくさん。
    面白さ的には、皇室へのソボクなギモンのが…。

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著者プロフィール

昭和50年(1975)、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。専門は憲法学・史学。作家。平成18年(2006)に著書『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。令和3年(2021)には第21回正論新風賞を受賞。著書はほかに『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』『日本人はなぜ日本のことをよく知らないのか』『日本人はいつ日本が好きになったのか』『日本人が一生使える勉強法』『アメリカの戦争責任』『天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか』『日本の民主主義はなぜ世界一長く続いているのか』(以上、PHP新書)、『現代語古事記』(学研プラス)、『決定版 日本書紀入門』《久野潤氏との共著》』、『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか《門田隆将氏との共著》』(以上、ビジネス社)など多数。

「2023年 『日本のどこが好きですか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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