ファン・ゴッホ 自然と宗教の闘争

著者 :
  • 小学館
4.00
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 18
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093877398

作品紹介・あらすじ

教会、太陽、ひまわり、浮世絵、掘る人…。繰り返し登場するモティーフの変貌から、その生涯と画業が「キリスト教対自然」の壮絶な葛藤であったことが明らかに-。日本のゴッホ研究の第一人者によるゴッホ論。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  ドミノクラシー。キリスト教文化社会の崩壊を押しとどめようとオランダの牧師たちは自然の営みとその美を説教した。ゴッホは版画麦畑の葬列の余白と裏面に鉛筆書きの細かい文字でびっしりと書き込みをした。一粒の麦は死ねば多くの実を結び人は土に種を蒔くと。聖職者をあきらめたゴッホの内なるキリスト教はその生涯と創作活動によっていかに変貌を遂げたか。

    『歴史的にみれば、自然宗教の共同体としての「黄色い家」のコンセプトならびにその失敗は、決して個人的な妄想でも、例外的な現象でもない。ファン・ゴッホはまさに「自然」概念がその力を失いつつある時代に生きていたのであり、ロマン主義から世紀末までの芸術家たちが経験したことを、一〇年間という短い画業の間に体験したことになる。つまり、衰退するキリスト教会からの解放、代替宗教としての「自然」の勝利、そして敗北という体験である。』261頁

全1件中 1 - 1件を表示

圀府寺司の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする