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- / ISBN・EAN: 9784093878579
作品紹介・あらすじ
荒野に捨てられた一ぴきの子猫。子猫がたどりついたのは砂漠の真ん中に作られた強制収容所だった。日本人や日系人たちが入れられたこの収容所で子猫はひとりの男と出会う。彼の名前は宮武東洋。彼は写真家だった…。第二次世界大戦中、アメリカ西海岸に住んでいた日本人・日系人たちは敵国の民として強制収容所へむりやり入れられてしまった。そんな中、誇りをかけて立ち上がったひとりの写真家・宮武東洋の戦いとは…!?戦時中の実話をもとにした、感動の物語。
感想・レビュー・書評
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私の曽祖父の兄弟が戦前アメリカに移民した。第二次世界大戦によって家族はひきさかれた。そして一世は収容所でなくなり、生き残った子孫が今はアメリカ人として暮らしているそうだ。
詳しい話を聞ける人は、もうすでに故人となってしまった。いくつかの伝聞を知る母も戦後生まれの団塊の世代である。
この絵本は随分とやさしいタッチで描かれているので、想像の帯が広がる。ドキュメンタリー映画も制作されているようなので、そちらも見てみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
911後のアラブ系人への差別が激しかった時期に、「WWⅡの頃差別を受けていた日系人をアラブ系人が助けてくれたから、今、日系人がアラブ系人を助けるんだ」って、どこかで読んだ。その時は軽く流しちゃったけど、軽く流していい事じゃなかったんだな……。
自分の想像力の無さが嫌になる。けど、ここから始めよう。 -
★★★★★
子猫の目を通して、戦時中の在米日系人の強制収容所の様子、一世と二世の世代間の断絶など。
繊細な鉛筆画で淡々と。
(まっきー) -
第二次世界大戦中、アメリカ本土にあった日系人強制収容所の1つ『マンザナ収容所』。ロサンゼルスのリトル東京では有名な写真家だった宮武東洋。収容所には、カメラの持ち込みは禁じられていた。しかし、「こんな過ちは二度と起こってはならない。そのためにも、今起こっている事実をカメラで記録するのが、カメラマンとしての自分の務めだ。」と考えた東洋おじさんは、持ってきていたレンズを使いカメラを作り、ひそかに収容所の様子を撮影し始めた。やがて、収容所のメリット所長から収容所の公式カメラマンとして、所内で写真をとることを許可される。ただし、アメリカ人の助手にシャッターを押させることが条件だった。