考えない練習

著者 :
  • 小学館
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感想 : 439
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093881067

作品紹介・あらすじ

頭で考えずに、もっと五感を使おう。するとイライラや不安が消えていく―
東大卒現役僧侶による休脳のすすめ
文庫版、電子書籍版も発売中。

感想・レビュー・書評

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  • 本書で言う「考えない」とは、無意識下で勝手にいろいろ考えてしまっている雑念を失くしましょう、ということのようです。
    考えすぎることは、思考を鈍らせてしまうこと。
    本当に思考するときに、よりクリアに考えることができるよう、日々の「考える」を仏道的に見直してみましょう、という提案です。

    仏道で三毒とされているものが、欲・怒・迷です。
    人間は強い刺激や苦しみでさえも、「快楽」に変換してしまうのだそう。
    しかし、五感を研ぎ澄まし、普段の生活を「見えている」から「見る」に、「聴こえている」から「聴く」に変えることで、普段の日常の味わいが増し、刺激的なものがなくても毎日を楽しめるようになるのだとか。
    五感を使うこと、それに自分の心を客観的に見ることを意識して、自分で自分の心をコントロールできる術を取り入れたいと思います。

    印象的だったのは、笑うことについて書かれたコラム。
    大きな声で笑うというのは刺激の強いこと。
    お笑い番組は三毒を含む笑いで成り立っているため、ぼんやり眺めているだけで欲・怒・迷が刷り込まれてしまうのだとか…どきっ。
    時々自分のことを一歩引いて観察し、穏やかな表情を浮かべていられるような練習もしておこう…

  • むしろ、考え抜こうと決意するきっかけとなった本

  • 最近の私のテーマがずっと、「考えすぎない、感じる」です。
    そんな時、ずっと前に買ってて、本棚にあってまだ読んでなかったこの本が目に入りました。
    何かヒントをいただけるかもと、読みました。

    僧侶の著者によると、脳はより強い刺激を求めて勝手に暴走するものらしい。そしてネガティブほど強い刺激で、その強い刺激を、本当は苦なのに快だと認識するらしい。
    だから放っておくと、どんどんネガティブな考えに走ってしまう。

    そして頭で考えるのは最もエネルギーを使うので、感じる余裕がな
    くなる。そうすると、五感が鈍くなって、今目の前で起こっていることの実感がなくなり、しっかりと生きている充足感がなくなり、よって幸福感が薄くなる。

    だから今この瞬間をしっかりと感じることが重要。
    それには五感を研ぎ澄ます練習をして、集中力を高める。


    能動的に五感を使うコツがいろいろと書かれててとても参考になりました。
    瞑想は良さそうなので毎朝瞑想することにしました。

  • 「渡鬼」がどうしても苦手な理由がこの本を読んでわかった。
    登場人物が声高に「自分がもっとも正しい」という思い込みが、声に出ているからだ。それが不快に感じるからだ。

  • 意識は人間を人間たらしめている尊いものである。
    そんな当たり前の認識が、本書によって脆くも崩れ去ってしまった。
    筆者が言う通り、自分が普段何を考えているかを意識してみると、9割方考えなくてもいい事を(それどころか、考える事によって毒にすらなる事を)考えている事に気付く。
    余計なことを考えそうなとき、または考えているなと思ったとき、本書で勧められている通り、五感に意識を集中し、「考えること」を忘れる。
    それだけで、いつもは「休憩」ばかりしていたのに、嘘のように仕事に没頭できた。
    自分は意思が弱い人間だと勝手に思っていたが、それも所詮は脳が作り出した幻影に過ぎないのかもしれない。
    いつまで続くかは怪しいが、記憶が薄れるたびに再読したい本だ。

  • http://sgk.me/g7ey1q「頭で考えすぎずに、もっと五感を使おう。」
    著者の小池さんによると、悩みや不安から解放された毎日を送るためには“五感を研ぎ澄ますこと”がコツだそうです。
    ブッダの言葉をわかりやすく現代語訳し、ちょっとした心がけが「考えない練習」になるのだと教えてくれます。
    脳研究者・池谷裕二さんとの「脳と心の不思議な関係」と題した対談も収録。

  • 実行してみたい考え方が多く書かれている。

    悩みを原始仏教的に神父みたいに述べてくれている。
    寺にこういうサービスがあったら良いのに。

  •  仏教については、歴史の教科書に出てきたり人を弔ったりするもの、程度の認識しかなかったが、仏陀の頃からの教えが今の時代にも実用的な心の処方箋となることに驚いた。  人間の基本的煩悩「怒り」「欲」「迷い」により、人は苦しむが、これは全て思考のなせる業だという。正しくない思考をやめ五感を研ぎ澄ますことで、今その瞬間瞬間を大切に生きるのが大事だ、ということがよく分かった。
     時折読み返し、正しくありたい。

  • 感情・感覚に対して能動的になることで、思考を自由にしよう。
    東大卒・現役の住職さんが、刺激の多い現代社会に生きる私達に送る、ちょっぴり楽に生きるためのヒント。

    一番インパクトがあったのは、「アガった時は御釈迦様みたいに半目で視界シャットダウン」かなあ(笑)。お坊さんにならではのアドバイスよね〜(笑)。


    話す…自身の声に耳を傾け、音の刺激に集中してみよう。その時、もっとゆっくり話そうとか余計なことはかんがえず、ただ自分の声音に集中!

    聞く…世界の音に耳を澄ましてみよう。雑音の中に、意味を見出せる音が拾えるかも。

    見る…観察の結果を自分に還元させないこと。自分のせいで相手がつまらなそう…←こう見えるのは、自分の評価を気にする煩悩があるから!認められたいという気持ちをこの人は私の話を聞いていないという怒りや失望感にフィードバックさせないこと。

    あがり症になるのは、失敗してマイナスの評価をされたらどうしよう…という慢の煩悩ゆえの思考が先走っているから。自分で勝手に考えすぎている!
    相手をよく観察して距離感をつかめれば余裕を持てる!御釈迦様の半眼を真似してみよう!視界を遮断することで集中力を研ぎ澄ます!

  • なかなかの良書。

    お坊さんが書いた、考え過ぎてしまう癖を治すための本です。

    仏教用語が感覚に合わず、理解しにくい傾向はありますが、内容的にはとても分かりやすく、実践出来そうな感じがします。

    特に響いたのは、
    ムカつく!と思うのではなく、「ムカッと思っている自分がいる」と自分の状態を見つめる(客観視)するという方法。

    これを試してみると、他人事のような感じで、心が穏やかなままでいられます。

    他にも、平穏な心持ちで居られるための数々の考え方や方法が書いてあり、凄くためになりました。

    スグに忘れてしまいそうですが、何度も読み、実践を繰り返せば、少しづつでも変われる感じがします。

    優しい教え方で、読みやすいから、すんなり入ってきて、下手な自己啓発書より余程いいです。

    スグにイライラしたり、集中出来なかったりする人にオススメ。

    タイトルにピンと来た方は是非!

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著者プロフィール

1978年生まれ。山口県出身。東京大学教養学部卒業。月読寺(神奈川県鎌倉市)住職、ウェブサイト「家出空間」主宰。僧名は龍照(のちに空朴に改名)。住職としての仕事と自身の修行のかたわら、一般向け坐禅指導も行う。執筆活動も手がけ、『考えない練習』(小学館文庫)、『しない生活』(幻冬舎新書)、『超訳 ブッダの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、多くの著作を持つ。2018年9月に月読寺を引き払い、路上生活者に。11月には修行の旅に出る(現在は音信不通)。

「2019年 『やっかいな人を自分のお城に入れない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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