作品紹介・あらすじ
ラグビーガールズと彼女たちを取り巻く人々との心温まるエピソード満載。
感想・レビュー・書評
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女子ラグビーがあるって初めて知りました。
サッカーより面白そう。ハードなイメージしかなかったけど紳士のスポーツなんだな。
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神奈川にこんな女の子がいたなんて!
旬な話題なのに、ほとんど知らず。。
たまたま、図書館で見つけた本を読んでびっくり!
発展途中ながらも、ほほえましく、ファイトが沸く内容ですね!
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ラグビーというと、競技人口の多さから、どうしても男性のスポーツというイメージが拭えない方もいるかもしれません。しかし、今年から「タグラグビー」が小学校の学習指導要領に加わり、男女共に取り組めるラグビーの認知度は徐々に高まっていくのではないでしょうか。
タグラグビーとは、タックルの代わりに体につけたタグ(札)を抜き取ってパスを繋げていくため、年齢や性別に関わらず楽しめるスポーツなのです。
本書でスポットを当てている女性たちも、入り口はこのタグラグビーでした。小さな公園でタグラグビーをしていた子どもたちの中から女子ラグビーの日本代表選手が羽ばたいていく過程は一見して順調なようですが、もちろん様々な努力があるからこそだということが伝わり、思わずこれからの活躍を期待してしまいます。
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2016年のリオデジャネイロ五輪で男女共にセブンズが正式競技として決定している。
セブンズは1883年、スコットランドの肉屋が資金解消に少人数の有料の試合を組んだことが起源とされている。
この本では、日本の女子ラグビーの現状を一人の若手の人生を通して知る貴重な一冊である。
何年か先、彼女たちは我々になでしこジャパンと同じ歓喜を提供してくれているかもしれない。
しかし、現在の彼女たちの環境は厳しい。
このある種の夢物語の主人公は鈴木彩香選手。
カワイイ人でもある。
横浜の汐入の公園、「下野谷第2公園」で友達の家族が変な紐を腰につけて楽しそうに走り回っているのを見たのが楕円球の出会い。
その消防署に勤務する友達のお父さんがその公園の子供たちに教えたのがタグ・ラグビー。
この鈴木雅夫さん(血縁関係はない)がタグラグビーの出前授業を地道に繰り返した結果、現在横浜市のタグラグビー実施校は250校にものぼるそうだ。
その伝道師の教えを受けた鈴木選手及び幼なじみは、やがてタグラグビーの全国大会で優勝する強豪と成長し、大人顔負けのハンドリングとランニングスキルで、日本のタグラグビー界を席巻していく。
そして小学校を卒業すると、やがてタグラグビーから今度はタックルのあるセブンズと15人のラグビーへとシフトしていく。
しかし部活で存在しなかったり、女子だけのチームもあるはずがない。
そこで陸上部などに所属しながら週末はクラブでプレイしたりし続けた。
ここが今いちばん日本の女子ラグビー界にとって痛いところかもしれない。
部活の存在がほぼないのである。
大学にいけばチームが存在したりする大学もあるようだが、中学・高校で女子ラグビーどころかラグビー部がない学校は意外と多いのだ。
その結果、現在セブンズのキャプテンなどを務める鈴木選手でも、試合勘を保つのは大変な作業であるし、実践による経験も不足しているのが現状だろう。
とにかく強化も大事でありながら今後の普及も大切だろう。
現在の女子ラグビー日本代表には、高校時代に大工大高(現在常翔学園)ラグビー部に所属したという驚異の選手もいるが、(男子に交じって練習をこなしていたそうだ)これはかなりのレアケースだろう。
いずれにせよ、これほどの覚悟を持たないと女子ラグビーを続けるのは難しく、なかなかチームメイトも確保しづらいのが現状だ。
そんな環境にも負けず、現在の女子日本代表はアジアの上位で争いを繰り広げいているものの、中国やカザフスタンのように巨漢を並べるチームには負けが込んでいる状態だ。
鈴木選手と共に汐入で遊んだ仲間には、共に日本代表入りを果たしている山口選手を始め、出前授業の鈴木さんの長女、鈴木陽子選手もまだ年齢規定で代表入りを果たせないものの、入るのは時間の問題とされている。
一人のラグビー好きの情熱が横浜でタグラグビーの種を生み、それがやがてタグラグビーの聖地・メッカとなり、そこから日本の女子ラグビーの中心選手が生まれるとは、なんとも言えない夢物語のような話だ。
まだまだ環境も厳しいし、どこか甘酸っぱい青春のお話でもあるものの、今は競技人口が少なくとも、数は少なくとも何人かの熱意で世の中は少しでも変えられるという認識を持たせてくれる内容だし、彼らの現状も垣間見える中からやはり応援したくなる気持ちにさせてくれる。
世の中に広く女子ラグビーの現状を伝える意味でも多くのラグビーファンに手に取ってもらいたい。
そしてラグビー協会もしっかりと女子にも力を入れてもらうことを願いたい。
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女子ラグビー頑張れ。タグラグビーの普及がラグビーの裾野を広げればいいんだけど。
著者プロフィール
松瀬学(まつせ・まなぶ)長崎県生まれ。福岡・修猷館高校、早稲田大学ではラグビー部に所属。ポジションはNO8、プロップ。83年、共同通信社に入社。96年から4年間、米NY支局勤務。02年に同社退社後、フリーランスのスポーツ・ジャーナリストに。日本文藝家協会会員。元RWC組織委員会広報戦略長、現・日本体育大学教授、ラグビー部部長。著書は『汚れた金メダルー中国ドーピング疑惑を追う』『ノーサイドに乾杯!』『ONE TEAMのスクラムー日本代表はどう強くなったのか?』『東京五輪とジャーナリズム(共著)』など多数。モットーが「感謝」。
「2024年 『まっちゃん部長わくわく日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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