水素水とサビない身体: 悪玉活性酸素は消せるのか

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093883382

作品紹介・あらすじ

水素水が万病に効く理由。第一人者初解説本

2007年、日本医大・太田成男教授がアメリカの医学誌に論文を発表し、世界の耳目を集めた水素水の健康効果。その後、各大学で臨床実験が進められ、昨年までに世界中で250もの水素関連の論文が発表された。体内に入る悪玉活性酸素を水素水が除去する(体に付いたサビを落とす、水として体外に流し出す)力が徐々に明らかになり、日本では2013年に入り、多くのメディアが水素水を取り上げ、副作用のない老若男女への水素水商品が一躍ブームに。二日酔い、シミシワなど肌の諸症状、歯周病、リウマチ、アレルギー、認知症、パーキンソン病、脳梗塞、心筋梗塞、不妊、そして癌……。万病に効くとされるそのメカニズム、最新データ、ビジネスの現状(優良商品の見分け方)、将来性など、水素水のAtoZを太田教授自身が初めて明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 水素水については様々な見解があり、
    水素水の効果を全く否定している学者達もいる。
    そのような状況下、水素水を使っている私は少し悶々としてていた。
    が、本書に出会って、思わずガッツポーズが出るくらいに感動している!
    『私のいまの研究課題は「too good」、良すぎることへの対応です。悪いところを良くするのが水素です。問題のないところにあまり作用しません。こんな都合のいいことが、なぜ起きるのでしょうか。』

    しっかり読ませて頂きました。
    自分の身体のみならず、園芸のことにも使っていくことにします。
    この本に出会って、本当に良かった!

  • 水素は、細胞傷害性の高い活性酸素(悪玉)だけを消し、一方で生理的役割を持つ他の活性酸素には反応しない。
    水素水を飲むとインスリンが効くようになる。メタボリック症候群が原因になって生活習慣病を引き起こすのは、インスリンが分泌されてもインスリンが効かなくなること(インスリン)抵抗性。
     そのインスリン抵抗性から高血糖、高血圧、高脂肪になる。インスリン抵抗性そのものを改善すれば、生活習慣病の予防ができる可能性がある。
     水素の抗酸化作用についても当初考えていたより複雑で、悪玉活性酸素を水素を撃退するというだけでなく、悪玉活性酸素ができにくい体質にする作用もあることがわかってきた。このように体質を変えるには、水素が遺伝子のスイッチを調節する。
     水素水を飲むとエネルギー代謝が活発になり、同じ運動量でも酸素の消費量も上がる。原因は、肝臓から分泌され、エネルギー代謝を活発にするホルモンの分泌が盛んになり、脂肪代謝をする遺伝子のスイッチが作動しはじめるから。運動選手が水素水を飲むと、糖代謝ではなく脂肪代謝が活発になり、疲れにくくなる。水素がダイエットに有効。
     活性酸素を除去できる抗酸化物質はいろいろある。悪玉ヒドロキシルラジカルだけを除去できるのは、水素水だけ。人間の細胞は、まず細胞を覆う膜があり、その中に細胞質がある。さらにその細胞質の中には核があり、これも膜で覆われている。この構成ゆえに、なかなか抗酸化物質は入っていけない。細胞膜は脂でできているため、水溶性のビタミンCは突き抜けることができない。一方、細胞質は水溶性のため、水にとけないビタミンEやコエンザイムQ10は作用できない。それぞれの抗酸化物質は、特定の場所でしか作用できないためオールマイティーではない。脳には、必要なもの以外は排除して脳を護る血液脳関門があって、ほとんどのビタミンや高分子の物質は入ることができない。水素だけは細胞内のどこにも入っていける。水素は気体の分子だから。 水素水を飲んだらすぐに細胞に届く。体内の悪玉活性酸素とくっつき、還元して水にする。
     水素(H2)+活性酸素(2・OH)=水(2H2O)
     水素水を飲んだ時のほうが、乳酸値が優位性をもって抑えられる。水素水を飲むと疲労が少なくなる。
     ミトコンドリアでは、電気エネルギーを利用して、ATPという物質を合成している。ATPから決まった量のエネルギーが得られるうえ、体内で必要とされるあらゆるエネルギーと交換することができる。しかし、この合成の際にミトコンドリアを包む膜の上で、ときどき電子がこぼれ落ちてしまう。酸欠状態のときに酸素が急に入ってきた状態。ミトコンドリア上の電圧が高くなりすぎた状態。その時に電子がこぼれ落ちる。そのこぼれ落ちた電子が、近くにある酸素と結びついてしまったもの。それが活性酸素。ミトコンドリアの質が低下した場合や、過度な負担がかかった場合、より多くの活性酸素ができてしまう。活性酸素が発生するのは、急激な変化があり、無理にエネルギーを作ろうとするとき。
     活性酸素ができると、みずからが悪い予兆であることを知らせて、その対処を自分自身に迫る。
     活性酸素のシグナルによって、細胞内では活性酸素を消去する酵素が増やされるから、プラスの面が大きい。運動をする時でも、準備運動やクーリングダウンによって、活性酸素の発生を劇的に抑えることが可能。
     若い時に継続的な運動をしていた人は、70歳でも若い人と同じようなミトコンドリアを持っていることがある。ずっと運動をしていない人は、50歳くらいの年齢でも、運動法を考慮しなくてはならない。わかってきたのは42歳くらいから、年齢とともに、活性酸素のレスポンスが弱くなってしまう。
     最初に酸素が電子を吸収してできるのは「スーパーオキシドラジカル」。次に「過酸化水素」になり、そして最後に酸化力のとても強い「ヒドロキシルラジカル」になる。スーパーオキシドラジカルとヒドロキシルラジカルを比べると、その酸化力は100倍以上も違う。運動することによって活性酸素が発生すると今度は活性酸素を消す酵素が増える。この役割を果たしているのは、微量のスーパーオキシドラジカルや過酸化水素。この活性酸素をなくしてしまうと、ミトコンドリアの質を向上させる機能がなくなってしまう。
    その他にも活性酸素は非常に多くのよい役割を果たしていることがわかってきた。血管をつくるためにも精子をつくるためにも、活性酸素は必要。また、活性酸素の一種の一般化窒素は血管の拡張や神経機能にも必要。
     これらの活性酸素は、必要な成分でもあることから、「善玉活性酸素」と名づける。対して、体にとって必要な役割が全くなく、遺伝子、タンパク質、脂質を酸化して破壊する、いわゆる「悪玉活性酸素」といえるのは、ヒドロキシルラジカル。ヒドロキシルラジカルとペルオキナイトライトだけを選択的に消去する抗酸化物質が必要であることがわかってきた。
     活性酸素が生まれる場面を検証していくと、大きく四つにわけられることがわかってきている。
    活性酸素が生じるのは、ストレスが多いとき
     活性酸素が生じるのは、エネルギーが急に少なくなったとき
     活性酸素が生じるのは、急に酸素が入ってきたとき
     活性酸素が生じるのは、早食いのとき
    急な変化を生んだとき、また、心に余裕がないときに活性酸素は生じてしまう。
     免疫細胞では、ミトコンドリアと同じように、スーパーオキシドをまず作り、過酸化水素に変換します。次に別の酵素によって次亜塩素酸をつくり細菌を殺す。たくさんつくられた過酸化水素の一部は、ヒドロキシルラジカルに変わってしまう。ヒドロキシルラジカルは、外敵を攻撃するよりも自分自身を攻撃してしまう。これが、炎症という現象で、熱をもったり、腫れたり、痛くなったりすることになる。炎症が起きると、炎症性ホルモンが分泌され、全身の免疫細胞から活性酸素が放出されややすくなり、全身の活性酸素量が増加してしまう。
     歯磨きをする人と歯磨きをあまりしない人とでは、健康状態がずいぶん変わってくる。歯磨きをあまりしないと歯周病でのハグキの炎症が発生するので全身の炎症性ホルモンの量が多くなってしまい、全身の活性酸素量が多くなってしまう。
     皮膚が紫外線をあびると、普通の酸素は一重項酸素という協力な活性酸素に変貌する。このは一重項酸素の酸化力はヒドロキシルラジカルの次に強力でメラニンをつくる細胞「メラニン細胞」を刺激して増やす。これがシミの原因。
     紫外線によってつくられた一重項酸素は、皮膚の細胞を構成する線維芽細胞を弱めたり殺したりする。繊維芽細胞は、皮膚の張りを保つ、コラーゲンを作る細胞なので、皮膚の張りが弱くなって、シワの原因になる。コラーゲンは三本の糸が絡みついたような形をしていて、丈夫なコラーゲンにするにはビタミンCが必要。ビタミンCが体の中のビタミンCが体の中の活性酸素を消すのに使われてしまうと、コラーゲンを丈夫にするまでに手が回らないことになる。お肌に水分を維持するヒアルロン酸。水素水を外から皮膚につけると、すぐに内部まで浸み込む。
     ヒアルロン酸外から縫っても中には入っていきませんが、皮膚の細胞でせっせとつくり出している。皮膚の細胞が弱ったり減ったりすれば、水分を保持できなくなる。ヒアルロン酸をつくるには多くの酵素が必要なのですが、カロテンの仲間はこのヒアルロン酸をつくりだす酵素を増やしてくれる。
     放射線の害の80%は、悪玉活性酸素ヒドロキシルラジカルによる害。
     水素水には、炎症を抑える効果、アレルギーを抑える効果、代謝をよくするなど体質を改善する効果もわかってきた。
     

  • 所在:展示架
    請求番号:498.3/O81
    資料ID:11600456
    水素水って本当にカラダにいいの??ミトコンドリアのはたらきも一緒に学べる、便利な一冊です。
    選書担当:S.A

  • 幸田さんの本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    世界を驚かせた論文発表から6年、今わかっている「水素水の健康効果」最新報告。

    いつ飲んで、どれだけ飲んで、っていうのはためになったかな。

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著者プロフィール

日本医科大学教授。1951年福島県生まれ。東京大学理学部化学化卒業。スイス連邦バーゼル大学バイオセンター研究所研究員、自治医科大学講師、助教授などを経て、現在は日本医科大学大学院医学研究科細胞生物学分野教授。日本ミトコンドリア学会前理事長、日本分子状水素医学生物学会理事長などを務める。ミトコンドリア研究を基礎とした水素医学では、副作用のない抗酸化作用などこれまでにない新たな概念を次々と提示。医療における水素研究分野では世界を牽引する第一人者として、大きな注目を集めている。
主著に『ミトコンドリアのちから』(新潮社/共著)、『体が若くなる技術』(サンマーク出版)、『水素水とサビない身体』(小学館)など。監修書に『ウォルター先生の水素のはなし』(産学社、おおたふみあき作)、『水素美容のひみつ』(産学社、早坂理恵著)など。

「2016年 『安保流×太田流 老いない人の健康術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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