パリわずらい江戸わずらい

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  • 小学館
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本棚登録 : 167
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093883603

作品紹介・あらすじ

旅と食と感動が満載浅田次郎最新エッセイ集

JAL機内誌『スカイワード』人気連載単行本化の第3弾。海外、国内で遭遇した抱腹絶倒の出来事から、身辺に起こる驚きと感動のエピソードを絶妙の筆致で描く傑作エッセイ集。
温泉での珍事を描いた『話にもなりませんわ』、軽井沢の別荘に出現した謎の生物とは『招かれざる客』、ナポリでナポリタンを追い求める『多様性と二者択一』、ラスベガスでマイケル・ジャクソンとまさかの邂逅『袖振り合うも多生の縁』ほか極上の全40篇。

感想・レビュー・書評

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  • 文芸に国境は無い。全ての芸術作品は人類の相続財産である。われわれは文化を通じて、ひとつの世界に生きる一つの人類だと言う理想を守らなければならない 1つの文字に1つの世界を包懐する漢字こそ、人類最大の発明品だと私は頑なに信じている 思想や哲学や信仰がなくとも、苦悩と誠実に向き合えば文学は立派に成立することを、この全集は証明したと思う

  • 機内誌連載のエッセイをまとめたものであるから当然だが、旅の記述が多い。だからこういう文章を読むと海外に出たくなる。文化の差を知ることは、己の立ち位置を知ること。教養は旅によっても涵養される。但しカルチャーショックを受けてこそ。

  •  われわれは等しく、ふるさとに生まれ祖国を築き上げた先人たちに対する敬意を、忘れているのではあるまいか。紙幣の肖像はただ偉人を顕彰するためのものではなく、彼らの努力の結果としてわれわれが生きる糧を購えるのだと、常に自覚するために描かれているのである
     さて、読者のご当地の二千円札には、誰がふさわしいであろう。(p.100)

     私たちは生活習慣として、うしろ向きに履物を脱ぎ、リアから注射する。今さら物を考えず、いわばおざなりにそうしているのであるが、外国人の目には比例と映り、あるいは非合理的な一律性に見えるのである。
     よくよく考えてみれば、こうした例は枚挙にいとまないのかもしれぬ。(p.186)

     ラーメンだけではきっと「替え玉」を要求してしまうであろうというたしかな懸念から、「ラーメン餃子セット」を注文した。まあ、どっちもどっちであろうけれど、根拠なき良心がそう命じたのであった。
     ところが、アッという間に運ばれてきた盆に、私は瞠目した。ラーメンと餃子のほかに、白いご飯まで付いていたのである。「でんぷん+でんぷん」どころか、「でんぷんの三乗」という壮挙であった。
     良心に従って提示された運命に抗うほど、私はへそまがりではない。禁忌のでんぷんをあますことなく平らげながら、米と麦を食い続けてきた日本人であることを、今さら自覚した。肉や野菜をいくら腹いっぱい食おうと、この充実感は決して得られぬのである。(pp.232-233)

  • 気軽に読めて、ためになる。

    江戸時代の脚気の話、日本人の駐車の仕方が海外では…という話がおもしろかったです。

    温泉での小競り合い、ホテルのクロークでの勘違いなど、もし自分がそこにいたら、案外めんどくさいおじさんなんだろうなとも思いましたが、
    正直に書かれているのでおもしろい。

    東日本大震災の時の事も、普段の自分の習性や価値観と世の中のズレを感じたような事を書かれていて、本当に正直な方だと思いました。

  • JALの機内誌『SKYWARD』で連載中の浅田次郎氏のエッセイの書籍化。『つばさよつばさ』、『アイム・ファイン』に続く第3段。

    久しぶりに浅田さんのエッセイを読みました。
    歳を重ねて、書かれる内容には深みも増して・・・、なんて書くとお仕着せのレビューになってしまうので、やめときましょう。

    イケイケドンドンのころのエッセイ(『勇気凛々』シリーズ)とかと比べると、正直キレはなくなっていて、衝撃を受けるようなエッセイはなかったです。
    でも、やっぱり面白い。
    共感できることも多々ありました。

    なにより、浅田さんの「弱気」や失敗談が昔より多い気がして(自分が人生の経験をしてきたから、印象に残っただけかもしれませんが)、やっぱり浅田さんも人間だなあ、と少し身近にも感じた作品でした。

    いい心の清涼剤になりました。

  • 私は、九州だからか、ちくわぶが、分からん。おまわりさん何処も良い。一路を読んだ後なのでこの人が作者かと。

  • いつもの機内誌の取りまとめエッセイ。
    短いながら凝縮された楽しいエッセイ集でした。

  • 浅田ハゲ次郎とか、ハゲデブメガネのアブラオヤジとか、自虐的な形容がちょっと過ぎるんじゃないでしょうか…(笑)。新しい自虐ワードが出てくる度に笑っちゃったよ…(笑)。

    著者の小説を一冊も読んだことがないのに、旅心を刺激されまくってる今のタイミングに購入して一気に読破。
    旅エッセイというよりは著者の日々の徒然を綴ったエッセイです。旅行に題を取ってる作品は多かったけど。

    浅田先生、ちょっと気難しそうだけど、すごくチャーミングなオジサマなんだろうなあ。と微笑ましくなりました。女性編集者のくだりとかね…(笑)。

  • ひょんなことからエッセイじみた物を読みだしてしまった
    やっぱり知識の椀飯振舞と浅知恵しかない雑学の中身に
    物足りなくて眠くなるが

    題名になっているページを読むと何やらおかしなことが書いてある
    脚気には麦が米か?
    海軍は英国に習い蛋白にこだわり脚気に侵されなかったが
    フランスやドイツに学んだ陸軍は「白米六合」の戦術で臨んだ結果
    脚気で多くの兵士を失ったという
    しかし明治43年鈴木さんによって米糠にオリザニンが発見され
    ビタミンによって脚気騒動に幕が下りたというが
    何と玄米の奨励ではなく麦三割の採用となったというお粗末

  • 飛行機に乗らないので、JALのSKYWARDに掲載されたものと、知ったのは、全て読んでからだった。

    国際ペン大会に出席で、海外を回られており、その折々の話が、描かれている。
    又、ダイエットの話が、面白い。
    堕落論の所では、笑ってしまった。
    イタリアの料理の「タリオリーニ」「リングイネ」「フェットチーネ」などが描かれているのに、作者が、ナポリタンの申し子(?)と、のたまうには昭和の時代背景が伺われ楽しい。
    カレーの話も面白いが、「ちくわぶ綺譚」の東京、大阪の違いや、「でんぷん」の三乗の話にまたまた笑ってしまった。
    私も、昔、「うどん定食」を御馳走してもらったことがあるが、そのメニューは、うどん+おいなりさん+五目御飯(小さいお茶碗少なめ)を食べたことがあり、、、作者の話に、うなづいてしまった。
    しかし、タコヤキ+タコメシは、お目にかかった事が無い。(笑)

    着物の話に、家紋の話。
    作者が、家の家紋を知らないと言うのも、ビックリしたが、今の時代の子供たちは、「家紋』と言う言葉も知らないかもしれない。

    最後の「真冬の帰り道」では、作者の勘違いで、コートの置き忘れが、ホテルでなく、家にあった事だが、、、これは、パワハラである。
    まして、友人とともに、暴言を吐いており、まして、有名な作家となのだから、権力行使している。
    「ごめんさない」と、謝罪しても、評判を落とすことになる。
    まあ、この本に、書かれたのだから、きっと、その後、丁重な謝罪をされたのだろうと、思うけど、、、。

    久しぶりに、エッセイで、笑ってしまった本の1冊である。

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