112日間のママ

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 461
感想 : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093884648

作品紹介・あらすじ

「涙で読めない」と書店員さんの声が続々

「夜中の3時だった。僕はもう見ていられなかった。
もうこれは無理だ。奈緒の夫として、奈緒はもうこんなに苦しまなくていい。
そして、息子の父親として、ママのこの姿はもう見せたくない。
もう、十分に頑張った。頑張ったから奈緒は・・・
僕は先生を呼んだ」

番組のスタイリストとしてサポートしてくれていた奈緒さんとの結婚から、妊娠中の乳がん発覚、その後の出産、闘病、そして最後の日々までが、悲しみと悔恨を込めて驚くほど克明に記されています。
当たり前の日常が失われていくリアルな記述に「涙で何度も中断した」「自分も妻にちゃんと向き合おうと思った」といった声が数多く寄せられています。


【編集担当からのおすすめ情報】
病気と闘っていく夫妻の関係から別れまでが克明に記された本書は、清水さんから奈緒さんへのラブレターでもあります。
夫を支えようとし続けた奈緒さんのすごさ。
妻の「思い」を守っていこうとする清水さんの切なさ。
誰もが涙し、自分の大事な人との関係を、もう一度考えさせられます。

感想・レビュー・書評

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  • 読売テレビのアナウンサーであり、夕方の情報番組『ten』でキャスターをつとめる清水健さん。
    妻の奈緒さんは妊娠中に乳がんであることがわかった。
    清水さん、奈緒さんは家族三人で生きることを決断。
    妊娠中は最低限の治療で出産をむかえたのだが…
    奈緒さんがママでいられたのは112日間だった。

    大阪に戻って来て、清水さんと奈緒さんのことを知りました。
    この本は是非、購入して読みたいと思っていたのですが、入荷待ち。
    図書館で借りて読みました。

    奈緒さんは本当に強い女性です。
    そして、清水さんがすごい!

    26日には、清水健さんが読売テレビを退社されることが発表された。
    今後は、清水さん自ら設立された「清水健基金」の活動に専念されるとのこと。
    そして、息子さんとの時間を大切にしたいと。

  • ずっと読んでみたかった本
    普通の日々を過ごせていることが
    どれほど尊いことかと

  • この本は本当に奈緒さんの強さがわかる作品。
    近年、女性に多く見られる乳がんでつらそうな表情や弱音をはかず、強くあり続ける奈緒さんに本当に感動しました。

    私だって乳がんになってしまうかもしれない。でも、奈緒さんのように強くあれるとは思えない。弱音をはいたり、誰かに恐怖や心配な気持ちをぶつけてしまうと思うから

    子供を産み母となるのか、自分の命を繋ぎ生きることを第一に考えるのかは本当に難しい選択

    この作品は年齢関係なく世の中の女性に読んでもらいたい作品。
    生きたという証を作品を通してたくさんの人に知ってもらいたい。

    16歳の時に初めて買ったノンフィクション作品だったけど、何度読んでも涙が出てくる。

  • 途中から読み進めるのがつらくなった。

    もちろんどうなるか結末は分かっているが、そこに近づいていくのがたまらなく怖くなってくる。

    本で読んでいるだけでこれなのに、当時の奈緒さんや清水健さんの心境を思うと、本当に怖かったんだろうなと思う。

    奈緒さんのいつも笑顔で「大丈夫」と言っている様子には心の底から感服する。
    その上で周りに気をつかうし、ご主人の清水健さんを想う気持ちも忘れていない。

    こんなひと、いる?こんな素敵なひとが。

    そして、清水健さんの献身的な様子。ニュースキャスターとしての自分と両立しながら、奈緒さんを助けるためにこちらも命懸けだった。
    おそらく本で語られている数倍、読者の想像をはるかに超えるほど尽力されていたのだと思う。

    おふたりの夫婦愛も素晴らしかった。

    清水健さんはピリオドを打つつもりはないと本書で語られていた。
    今も清水健さんと奈緒さん、そしておふたりの最愛の息子さんの物語は続いているのだと思うと、どうか幸せになってほしいと祈らずにはいられない。

  • 悩み 苦しみ 悲しみ 不安 喜び 本人が一番 辛い
    「一緒」に悩み 苦しみ 悲しみ 喜び 笑い 泣く…そして「一番」に未来を信じ 共に「今」を生きる
    ひとりじゃない
    強さと優しさ 絆は受け継がれると思います

  • 年取ったせいか、若い人が亡くなる話は、涙腺にくる。ましてやノンフィクションであるなら、なおさら。感想としては、最後の解説(?)を書かれている夫律子先生の述べられていることがすべて。特に奈緒さんの強さには脱帽。

  • 表紙は清水奈緒さん。
    享年29歳。

    清水健さんが、奥様である奈緒さんとの
    出会いから別れを綴った作品です。

    こういう本を読むと、
    これは一時の別れであって
    かならずどこかで再会できる
    そうであってほしいと、願わずにはいられません。

  • 奈緒さんの病気に苦しいながらも、相手を気付かう優しさ。
    涙なしでは読めませんでした。

  • がん患者の闘病中と看護者の苦しみは想像を絶するもので、それは読み手の私にも奈緒さんの体の痛みが伝わる程だった。
    後半になるにつれて目で字を追うのも指でページをめくるのも辛くなっていった。
    文章だけでこの様な気持ちになるのなら、当事者の苦しみや辛さはどれ程のものだったんだろう。
    奈緒さんは見事な程に強かったし、こんな出来た人と結婚した清水健さんは幸福で、周囲にも素敵な人で溢れている。
    ニュース番組ten.に対する見方が大きく変わった。

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著者プロフィール

1932年長野市出身。名古屋大学医学部を卒業後、アメリカへ留学。その後、名古屋大学医学部講師、金沢医科大学胸部心臓血管外科教授になり、1994年医療法人コスモス理事長に就任。2011年には社会福祉法人ウエルフェアコスモス理事長兼任。2020年長野老人保健施設協議会会長。主な著書は、『医師50年 研究と臨床の軌跡』(共著)、『胸部臓器の移植と置換』(D.K.C.クーパー&D.ノヴィツキー著)(翻訳)、小説『ゴッドハンド 愛の誓い』(ペンネーム武川謙三)その他多数。

「2023年 『人は宇宙から来て宇宙に帰る 改訂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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