池上彰の世界の見方 アメリカ: ナンバーワンから退場か

著者 :
  • 小学館
3.76
  • (17)
  • (57)
  • (36)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 476
感想 : 38
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093884693

作品紹介・あらすじ

大統領選挙で揺れるアメリカを読み解く

アメリカを理解するうえで必須の基礎知識と、変化し続ける超大国の今を池上さんが6つのテーマから読み解く。
1.「ナンバーワン」から見るアメリカ──なぜ世界一の座が脅かされているのか?
2.「大統領選挙」から見るアメリカ── 誰も予測しなかったトランプ現象。投票日が「11月第一月曜日の翌日」の理由
3.「2050年問題」から見るアメリカ── 21世紀半ばに白人が過半数割れするとどうなる?
4.「人気の就職先」から見るアメリカ──日本の大学生とはまったく志向が違う!
5.「キリスト教」から見るアメリカ──政教分離とは「政治」と「教会」の分離である
6.「日米防衛協力」から見るアメリカ──なぜ安全保障関連法ができたのか?
池上さんの母校・都立大泉高校の附属中学校での特別授業をもとに構成。

【編集担当からのおすすめ情報】
この本を読むと、今までのイメージとは異なるアメリカの姿が見えてきます。
同時に、アメリカという国を深く理解するための基礎知識が、しっかり身につきます。
母校の後輩達に実施した、池上さんの気迫あふれる6時間の特別授業を、本を通して追体験してみてください。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • T図書館
    シリーズ2 2016年
    中学3年生の授業を元にした本
    基礎を知りたい人はこの本がお勧め
    大統領選と教育の内容が重複していたので、最近を知りたい人は「アメリカ2」の方がおすすめ

    《感想》
    初めて知った内容が多かった
    神を信じている人が90%なんて驚きだ

    アメリカの教育現場は格差がある
    冨者が住んでいる地区は、施設も充実して優秀な先生も集まる
    一方貧困地区では、学校はボロボロで安月給である
    そのためNPOを作って、教育貧困地域の子供たちのために教師をやりたい人がたくさんいる
    日本では、全国同じ教科書を配布するという素晴らしい面がある
    もっとアピールしてよいと思う

  • 東京都立大泉高校付属中学校3年生の授業 シリーズで初回の授業。大泉高校は池上氏の母校。2016年

    ・民主党 オバマ、クリントン、カーター、ケネディ、(バイデン)など
    ・共和党 父子ブッシュ、レーガン、ニクソン、(トランプ)

    ・移民の持ちこんだ農作物 カリフォルニアワインはフランス移民。北南ダコタにロシア移民が寒さに強い小麦を持ちこんだ。スイス移民はウィスコンシン州で酪農技術を定着させた。アイルランド人には真面目な国民性から消防士や警官が多い。

    <黒人>
    ・15世紀半ば、ポルトガルがアフリカの奴隷貿易を大規模に始めた。スペイン、オランダ、イギリスが後に続く。中南米ではスペイン、ポルトガルによってヨーロッパ向けのサトウキビ、タバコ、藍、米などの栽培のための安価な労働力を必要としていた。
    ・その頃西アフリカでは黒人部族間の抗争が繰り返され、負けて捕虜となった他部族の黒人をヨーロッパの商人たちに売り渡していた。
    ・1619年8月20日、バージニア入植地にやってきたオランダ船が運びこんだ20人がアメリカ最初の黒人奴隷といわれる。
    ・1808年に奴隷貿易は禁止されるが、それまでにおよそ50万人が連れてこられた。

    <その他の差別>
    ・中国人 1850年代、大陸横断鉄道には中国人が大勢携わる。完成すれば労働力は必要ないので、1882年に「中国人排斥法」を作る。カリフォルニアのチャイナタウンは大陸横断鉄道建設時代にやってきた中国人によって作られた。
    ・日本人 1924年には本土に18万人、ハワイに20万人いた。1921年「緊急移民排斥法」に「帰化不能外国人」があり白人、黒人以外(=アジア人)は帰化できないとした。実質的に日本人の排斥のためで日本では「排日移民法」と呼ばれる。
    ・先住民 現在約250の居留地がある。貧しい居留地に暮らす先住民に特例でカジノの経営を認めた。これは初めて知った。(→検索では、1970年代後半から1980年代にかけ、アメリカ経済はベトナム戦争の影響で疲弊し、国が内務省管轄の先住民予算を削減してきた。それが背景にあり、いくつかの先住民が賭博営業を始めた。2011年の現在、240の部族で460の賭博施設が運営されており、年間のインディアンカジノ総収入は約270億ドルとなっている。規模は様々)

    ・アメリカの教科書は分厚い 教師は全部は教えない あとは自習で。教科書検定はない。教育観が日本と違う。教師のレベルが様々であまりよく教えられない教師もいる、という発想に立つ。


    2016.4.12初版第1刷 図書館

  • 日本とアメリカの若者の就職先人気ランキングが面白かった。日本は人からの評価や自分の生活の向上を気にしていて、アメリカは世の中のためになる仕事を選ぶと。ただ、皮肉にもアメリカが他国の情勢を悪化させているのが現実。そこにランキング(若者の想い)との矛盾を感じた。

  • トランプが大統領になる前の本なので少し古い部分もあるが、アメリカ建国の歴史等をおさらいできてよかった。アメリカ合衆国というのは成り立ちからして非常に特殊であり、我々はアメリカが世界のスタンダードだと誤解しがちであるが決してそうではないということを学んだ。時期的には集団的自衛権に関するトピックがホットだった時期なので、安保法案についても改めて考えさせられた。

  • 集団的自衛権が問題になった頃の本なので、安保関連の記載が多かった?

  • むかし、そうだったのか、アメリカという池上さんの本を読んだことがあるが、恐らくそこで書かれていたことが書かれているように感じた。でも忘れていることも多くあったので、思い出せてよかった。

  • 中学3年生の生徒たちへ授業をした様子を書籍化しているので、池上さんと生徒の掛け合いもあり、ニュース初心者にも分かりやすい説明になっていると感じました。

    日本より複雑な「アメリカ大統領選挙」や、アメリカの軍事・歴史など、日本にも関係してくる事柄を中心に、アメリカを多角的に解説しています。

    中国やロシアも脅威になりつつありますが、それでもアメリカの権力の強さは、強大ですね...。

  • キリスト教原理主義と日本国憲法護憲派は似ているなと思った。

  • ■ Before(本の選定理由)
    ロシア、中東編を読み終わったので、次はアメリカ。
    歴史に基づいて「いま」を解説するので納得感がある。

    ■ 気づき
    大統領選挙の投票日は11月の第一月曜日の翌日。
    こんなに半端なのは、農業の閑散期:11月、さらに安息日の日曜投票はNG、遠くから投票に来る人の移動時間を考慮して、月曜の翌日だという。

    寄り集まり、キリスト教など、幾つもの理由に基づいた集合体なんだな、と感じた。

    ■ Todo
    ブッシュ(息子)の失政と特にアフガニスタンでの政権転覆後の支援は酷い。「分かった気にならない」ことは自分でも見習うことができる。

  • 大統領選挙の流れは難しくてよく分からなかった。でもアメリカの歴史や宗教観、日本との関係も分かりやすく解説されてアメリカ人の思想の背景が少し見えた。この本読んだ後にアメリカ映画観ると少し違った見え方ができそう。

全38件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上彰の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×