老いては夫を従え

著者 :
  • 小学館
3.58
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本棚登録 : 134
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093885331

作品紹介・あらすじ

老いゆく日々を笑いに変える前向きエッセイ

恋愛のエキスパートとして女性向けエッセイも多い著者が、今度は自らを題材に「老い」を綴る。歳を重ねることを怖れず抗わず楽しむ術が満載の「人生の教科書」ともいえる前向きエッセイ全27編。

皮膚科では「老人性」を連呼され、老眼鏡は片時も手離せなくなり、病院の予約時間はすっかり勘違い、数々の言い間違いに物忘れ……。著者が「老い」を実感した出来事が、次から次へと、ときに毒舌を交えながら軽妙に綴られていきます。
フェイスブッックのメッセージの「管理人」の文字を「菅直人」と読み間違えたエピソードや、若いショップ店員に「ジーパン」と言っても通じず、「デニムですね」と言い換えられて衝撃を受けた話などなど、クスッと笑える話題が満載。その一方で、体調の急変で倒れ救急車で運ばれた話や、自身の乳ガン闘病記まで、考えさせられる話もぎっしり。乳がん闘病記では、告知から術後までの事象と心の動きが、時間軸を追いながら克明に綴られています。ひとつ間違えば重くなりがちなテーマながらときに笑いまで誘うのは、筆者の軽妙な筆致のなせる業。
「ああ、あるあるある」と共感したり、思わず声を出して笑ってしまったり、時にはホロッと泣けたり。
さらに、同じく著名な漫画家である夫君も頻繁に登場し、格好の題材に。共に歳を重ねたからこその絶妙な掛け合い、いつのまにか逆転した!?夫婦の力関係など、偽らざる夫婦関係も垣間見えて、それがまた、深い味わいを加えています。
「老い」が愛おしくなる一冊です。


【編集担当からのおすすめ情報】
著者と同年代、または年上の読者には「あるある!」が満載。うなずいたり、笑ったり、ほのぼのしたり……、読んでいるうちに、気持ちがどんどん元気になってきます。
また、これから「老い」を迎える方にも、是非読んでいただきたい一冊です。日頃はネガティブに感じる「老い」も、笑えるポジティブなものに感じられる意識改革が起こるはずです。
老いること、歳をとることを憂いている友人や知人へのプレゼントにもおすすめです。

感想・レビュー・書評

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  • これから起こるであろうことが書かれていて、くすっと笑える。夫を従えることにはなりそうにないが、自分はしっかり現実を見据えていきたいわ。
    誰にでも老いはやってくるんだもん。うまく楽しまないとね。あ、今日も物忘れしちまったぜ、くらいでちょうどいいはず。

  • 本著では柴門さん自身の老化を感じたエピソードを始め 告知から術後までの乳がん闘病記も描かれています。

    その時々の心の変化がリアルで共感出来ました。

    頭と口が連動していない現象には思わず「あるある!」

    夫を冷めた目線で見る姿勢にもクスっと笑え 「死語」の話、ワンコの話、俳句にハマった話、facebookに纏わる話など 1編1編、味わい深く読みました。

    「老化」すらユーモアに変える軽妙で明るいエッセイでオススメです。
    タイトルも良いですね。

  • 図書館。
    かつて著者の2人の子どもが幼児だったときのエッセイを楽しく読んだ。それから幾星霜。その子どもたちは独立し、息子さんは入籍するまで成長している(2015年当時)。
    いやー。人のことながら年の経つのの早いこと。面白く読んだ。
    でも、岸本葉子に続いて、やっぱり「老い」をテーマにしたエッセイは読み過ぎないほうがいい。どんより。
    笑えたのが、息子さんが入籍した機会に家族で食事会をしたことをエッセイに書いた。それを読んだ編集者が、著者の連れ合いである弘兼さんのいるところで「入籍おめでとうございます」と言ったら、弘兼さんが驚いて「お前、入籍したのか」と聞いたという話。忘れるにもほどがある。
    そういう私もそのうちやらかしそうだが。

  • 私が読んだのは単行本ではなく文庫になった方でした(検索しても文庫の方が出てこなかったのでこちらで登録)
    私も若くない歳になったので、サイモンさんのいろいろが手に取るようにわかる。
    頭で思っている単語じゃない言葉を連呼してみたり、急になぜか体調不良になったりとか。
    これを読むと「私だけじゃなくてみんながそうなのだ」と再認識できるし、暗くならず「老いたんだな」とふつうのこととしてとらえられて、笑い飛ばせる気がして楽しかった。

  • 柴門さん、やっぱり面白い。
    特に好きなのが
    「テレビの住宅メーカーCMに出てくる幸せファミリー。
    50代~60代と思われる祖母が灰色のカーディガンに草餅みたいな色のフレアースカートを穿いている」
    へのツッコみ。
    「こんな祖母は大都市近郊ではほとんど見ない」
    とか書かれていて思わず笑った。
    あと、ヘパーデン結節の話は私を含め周囲に結構いるのですんごく共感。
    自分のルーツの話も、興味深かった。
    最近読んだ何冊かの本に「親のことをほとんどわかっていなかった」と言うようなことが書かれていたが、実際親のこと、その上の代の祖先について、本当にわかっていないかも、と思うことが多い。自分が親をわからないのもそうだが、子どもが私をわかってないだろう、とも思う。
    だからって子供に今、語れるかと言うと「さあね」と思ってしまうが。

  • 2018.04.25

  • だんだん年老いるものだな、と思いました。

  • 題名から、かかあ天下の話かと、、、思っていたのだが、、、
    う~~~ん、、、作者の言っていることが、よくわかる!!!
    誰でも、生まれてきたからには、子どもから、青春を経て、青年、中年、熟年、、、と、、、、歳を取っていく。
    今まで、当たり前にシャンシャンと出来ていたことが、身体が動かないくなり、頭の方は、することを忘れ、、、気力が衰えて来る。
    この本を読んで、そうそう・・・・あるある・・・そうだったのよ!!!と、相槌を打ちたくなる話ばかり。

    ご主人様と一緒で、アナログ人間、未だにガラケー愛用者、よく理解できる話ばかり。

    人の話を聞きながら、スマホをいつまでのいじっているのを見てカーっとなった作者。
    つい最近の横綱も、カーっとなってしまって、引退になってしまった。
    医師の診断も、軽い物だったのが、何処で、どうすり替わって行ったのやら、、、、10針近く頭部を縫っているのだが、、、どういう見解なの?と、思ってしまった。

    さておき、本文の方は、乳がんの事も、サラリと、書かれているのだが、、、、親族に病歴があると、、、やはり、、、と、心配になった事だろう。

    我父も、リタイアしてから、国鉄(当時はJRでなく、国鉄)2万キロの旅、パスポートは4冊の海外旅行、日本1000か所温泉の旅、神社仏閣の狛犬の写真、水彩画、俳句、と、、、、趣味多様であったのを思い出したが、商社マンだけにやり遂げないと気に入らなかったのか、、と、今、父の歳に近づくにつれ、仕事にも、趣味にも、時間配分にも、頭が下がる思いがする。

    NHKの朝の連続ドラマの話が、出てきたが、母方の親戚も船場のいとはんのおばさんがいて、いつもお付きの女中さんが居てたと、、、言っていた。
    箸より重い物は持ったことが無くて、足袋もお誂え、母と三宮へ行っては、帽子やコサージュを購入してたし、子供には、やはり「うちのボンが、、、中ボンが、、、」と、長男、次男の事を亡くなるまで、そう呼んでいた。

    サイモンさんのご親戚の男性も、きっとボンが、、、と、言われていたと思う。

    最後の方に上品な老婦人の挨拶をかわすときに「ごきげんよう」と、、、、答えるところ。
    今の「さようなら」と、言う言葉より、なんていい言葉なんだろうと、小さい時に思ったことがある。
    長生きして、老婦人になったら、「ごきげんよう」と言ってみようと、、、
    しかし、身についていないと、出ない言葉だと、最近思うようになった。
    ジーパン、ジーンズが、デニムになったように、死語になってしまっているのかも。

    人生100年時代ヘ突入しているのが、体力気力がついて行けるのか、、、と、思いながら、読んだ本である。

  • なかなかシュールというか…これからの指南書になるというか…。これからの自分に、家族にどう向き合っていくか、考えさせられながら楽しく読みました。私にとって最後の砦のペット。子どもたちからせがまれてもなかなか手を出せなくて…。50過ぎてからの楽しみに実は取っているのだけど、それていいよって柴門さんに言われているようでちょっと嬉しかった。気楽に読める一冊です。

  • 914.6

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著者プロフィール

1957年徳島県生まれ。お茶の水女子大学卒。79年漫画家デビュー。『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』『同窓生 人は、三度、恋をする』『恋する母たち』など、著書多数。エッセイ集として『恋愛論』『大人の恋力』『そうだ、やっぱり愛なんだ』『老いては夫を従え』など多数。2016年、25年後の物語として描かれた『東京ラブストーリー  After 25 years』で柴門ふみブーム再燃。夫は弘兼憲史氏。

「2020年 『オトナのたしなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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