いまどきの納骨堂: 変わりゆく供養とお墓のカタチ

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 60
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093886499

作品紹介・あらすじ

「お墓」がこんなに変わっていたなんて!

本書は「お墓、どうしよう?」「お墓、どこにしよう?」と悩む人たちの解決の一助になりますように、との思いも込めて綴った、新しいスタイルのお墓の見聞記である――。

新聞で近年、お墓についての広告を見かけるようになったと思いませんか?その中心は、まるでお墓に見えない「納骨堂」だ。

<見に行くと、まず外観に驚かされる。美術館や高級マンション、あるいはオフィスビルのように見える建物で、中に「お墓」があるとは到底見えない。(中略)かつてのお墓につきものだった、うら寂しい空気感など皆無だ。このようなカジュアルなお墓参りを喜ばしいととらえるか、脈々と培われてきた墓参の雰囲気がなくなって嘆かわしいととらえるか>(「はじめに」より)

いったい中はどんなふうになっているのか。いくらぐらいするのか。どんな人が”購入”しているのか。見て、聞いて、覗いた「お墓本」の決定版!

社会問題となっている「墓じまい」、「改葬」への密着や、納骨堂と同様、注目を集めている散骨や樹木葬なども取材。悩んでいる人、迷っている人の役に立つ1冊です。












【編集担当からのおすすめ情報】
代々のお墓を今後どうしていけばいいか、悩んでいる人が増えています。週刊誌や新聞でもお墓に関する特集をよく見かけますが、果たしてそれらが悩んでいる人たちに応えるものになっているのか。役に立っているのだろうか。そう疑問に思ったのがこの本の企画を立ち上げるきっかけになりました。

この『いまどきの納骨堂』では、いろんなスタイルのお墓を紹介しています。そのお墓を実際に井上さんが巡り、事業者はもちろん、そこのお墓を選んだ人たちにも話を聞きました。なぜそこにしたのか、悩みに悩んだ末に「ココ!」と決断した彼らの表情は総じて明るく、彼らはよくお参りしています。
そして聞けば、当初は新しいスタイルのお墓に嫌悪感や疑問を持っていたのが、ひょっとしたことから消えたり、減じた人が多いことが分かりました。

人それぞれ--の先にある、お墓への取り組み方は、きっとお墓選びはもちろん、終活、親やご先祖様との向き合い方の参考になるはずです。明るいお墓選びをこの本を読むことから始めて下さい。

感想・レビュー・書評

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  • ○○家の墓、先祖代々の墓のイメージが一転しました。埋葬したのち改葬できることすら知りませんでした。納骨堂、永代供養墓、樹木葬、散骨などなど。慣わしやしきたりは疑ってかからなければと本文中にありましたが、多様な埋葬方法があることは興味深かったです。エンディング産業展なる見本市もあり近年賑わいを見せる分野と知ると、埋葬は個人的な選択肢のようでいても、実際は人気や価格や手軽さになびかれやすくなるのかも知れません。

  • 墓を代々受け継ぐ、というのは今の時代では難しいというよりは不可能に近くなってきているのかもしれません。

    何もせずに無縁墓になるよりはきっちり墓じまいして永代供養にした方が安心感はありますね。

  • どんなに頑張っても、遺骨は自分では歩いていけない。誰かの世話になるしかない。そして、どこかに保管しなくてはならない。
    自動運搬式の納骨堂の維持管理の問題から、固定式の納骨堂、永代供養墓、樹木葬、女性専用墓、散骨、送骨、0葬、骨仏、本山納骨。
    数十年前に骨仏を選んだ先代。私たちはどうするのがいいのかも含めて。

  •  墓は人間だけが持つ文化。本来は親鸞がおしゃったように賀茂川に流して魚の餌にでもなればいいのだろうが、残された人が納得出来ないのだろう。

     お墓は著者が書いているように、遺された者のためにあると僕も思う。本にも「墓前ではなくてもできることばかりだが、わざわざお参りに行きたくなる不思議。身近な人たちが行ってからのことだ」
     僕も身近な人が逝って、この言葉が身に染みてわかる。墓は遺された人のためにあるのだ。残された者がその寂しさを癒す装置として存在するのだと思う。そこに出向いて死者と話し合えるという装置なのだ。
     だから、墓に骨を埋めるとか埋めるとかは関係ない。僕は近くの寺の納骨堂に骨を預けた。そして、墓は海が眺められる丘の上に、妻と僕の墓を建ててもいいなと思うようになった。二人だけの墓だ。だから、僕が死ねば無縁墓になる。そのうちに朽ち果てて撤去されるだろう。それでいいのだ、墓は遺されたもののために存在しているからだ。

  • 自動搬送式、仏壇型、ロッカー型、樹木葬(里山・公園・庭園)、散骨、送骨、0葬とこれまでの墓石型でない納骨の仕方を、値段、場所、檀家、永代などの詳細を加えて丁寧に紹介してある。納骨は、される本人より、以後手を合わせてくれる人のためのものであると思った。0葬でいいかと思う。

  • 他人事じゃないな。

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著者プロフィール

井上 理津子(いのうえ・りつこ):ノンフィクションライター。1955年奈良県生まれ。タウン誌記者を経てフリーに。主な著書に『さいごの色街 飛田』『葬送の仕事師たち』『親を送る』『葬送のお仕事』『医療現場は地獄の戦場だった!』『師弟百景』など多数。人物ルポや食、性、死など人々の生活に密着したことをテーマにした作品が多い。

「2024年 『絶滅危惧個人商店』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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