幸せな職場の経営学

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093886901

作品紹介・あらすじ

幸福度高い従業員は生産性が3割アップする

「働き方改革」という言葉があちこちで使われるようになったが、実際に職場で何か改善されているという実感が持てない、という声も聞こえてくる。
アメリカの研究では、「幸福度の高い従業員の創造性は3倍、生産性は31%、売上げは37%高い」というデータもあり、世界で「幸福度」は科学的に分析され、ビジネスに取り入れられている。

それを考えればこれからの時代、トップダウン式の組織は生き残れず、リーダーは調和型で、可能な限り部下に権限譲渡し、働き方は個人の裁量に任せるような仕組みにしなければ業績は上がらない。

日本企業は「社員の幸せ」について、何を取り違え、何に躓いているのか。
また、社員が幸せになるとどう成果や業績に変化が現れるのか。
「幸福学」の日本の第一人者・前野隆司慶大大学院教授が、取材を重ねて得たデータを公開、ヤフー、ユニリーバほか、「幸福学」をベースにした職場の変革で業績アップした実例を現場の声と共に紹介する。
職場の改革レッスンも掲載しているので、今日からすぐ実践できる。

感想・レビュー・書評

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  • 全ての会社でこんな事ができたら、日本はもっと幸せな国になれる。

  • 働いている人が幸せな職場をどうやって実現するか、実例やQ&Aも交えて説明している本。また、前提として、幸せを生み出す四つのメンタリティとか、幸せだと生産性があがるとかの説明も書かれている。

    具体的にポイントになるのは、権限委譲やコミュニケーション、自他への信頼感など。

    ヤフーの事例の中で出てきた、人事制度も一つのプロダクトとみなすという考え方はなるほどと思った。

  • ティール組織やホラクラシー組織。フラットな環境、指揮命令系統がなく信頼でつながっている。チームやサークルで成り立つ。ザッポスなど。昔の集団主義的家族主義的経営と同じ。
    理念やビジョンが浸透しているほうが幸福度が高い。
    イノベーションは想定外の発想から起こる=スノーピークのオフィス=まんべんなくコミュニケーションできる。
    徳島の西精工=1時間の朝礼、働き方改革よりも効率がいい

    非地位財と地位財=非地位財のほうが長持ちする
    人生満足尺度
    ありがとう因子、やってみよう因子、ありのままに因子、なんとかなる因子。

    伊那食品工業株式会社=仲がいい家族がやっていることを会社でもやる。「遠きを計るものは富み、近くを計るものは貧す」
    ヤフー
    ダイヤモンドメディア=日本のホラクラシー組織。情報の格差が生まれると権力の格差も生まれる。ランダムナワンオンワンミーティング
    ユニリーバ=WAA(いつでもどこでも働ける)
    指示待ち人間には、指示を与える。
    ピグマリオン効果=期待されると期待された通りの成果を出す。
    傾聴する、調和型リーダーシップ=ポジティブWordだけで会話を成立させる
    弱い紐帯(弱いつながり)を大切にする
    幸せになる一歩は幸せになると決めること。

  • これからの「働き方改革」を考えるための指標としての「幸福度」はとても重要だと思った。
    一方で、大企業の経営者に、どれだけこの指標が浸透するか、疑問に思った。
    ビジネスの現場では「生産性」を左右する変数が複雑すぎて、一般化しづらいのがモドカシイと思った。。
    とはいえ上司にはぜひ読んでほしい!!

  • 経営者視点に立った場合には、本書を通じて他社の事例など、色々なヒントが得られるかもしれない。一方で、単なる労働者としての視点から読むと、あまり得られるものは多くないように感じた。

  • 幸せを構成する4つの因子で分析する手法が実に興味深く、自身のマネジメントにも有用。

  • 幸せになる4因子を具体例をあげて説明していて、分かりやすかった。
    ①やってみよう
    ②ありがとう
    ③ありのままに
    ④なんとかなる

  • 社員と組織を幸せにするには?
    幸福の研究者が、人が幸せになるために必要な「4つの因子」を明らかにし、それを職場で高めることの重要性を説いた書籍。

    ■幸福とは何か?
    経済学者ロバート・フランクは、財を次の2つに分類した。
    ・地位財:他者との比較優位によって価値が生まれ、満足を得られる財。役職や所得、家や車など。
    ・非地位財:他者との比較ではなく、それ自体に価値があり、喜びにつながる財。愛情や自由、健康など。
    心理学者ダニエル・ネトルによれば、地位財による幸せは長続きしないが、非地位財による幸せは長続きする。

    ■幸せを構成する4つの因子
    著者が行った調査の結果、人が幸せになるために必要なのは、次の「4つの因子」であることが明らかになった。
    ①「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)
    ②「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
    ③「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
    ④「ありのままに!」因子(独立と自分らしさの因子)

    ■組織と幸福
    これからの時代は、集団主義と個人主義、両方の良さを兼ね備えた「ウェルビーイングな組織」が求められる。それは「個人の幸せ」も「皆の幸せ」も大切にする組織。

    幸せの4つの因子を個人主義・集団主義の面から見ると、①③④は“個”の幸せ、②は“皆”の幸せを目指す因子の2つに分類できる。
    この2つをバランス良く高めることが、幸せな組織や社員を育むことにつながる。

    トップに依存する経営は、変動に弱い。社員1人1人が全体のことを主体的に考えて動く自律型の組織は、変動に耐えうる。
    人は主体的になることで学び、成長する。学びや成長は、幸せの4つの因子のうち、①に関連する。つまり主体的であることが幸せにつながるのである。

  • 『あなたは今、しあわせに働けていますか?』

    仕事における幸福論を考える一冊。

  • ・toppointで読む
    ・同じ著者の他の本とおんなじ

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著者プロフィール

慶應義塾大学SDM研究科教授・ウェルビーイングリサーチセンター長、一般社団法人ウェルビーイングデザイン代表理事。1962年山口県生まれ東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、キヤノン入社。カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008年より現職。『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)、『ウェルビーイング』(前野マドカ氏との共著・日経文庫)など書著多数。

「2023年 『実践!ウェルビーイング診断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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