あんときのRADWIMPS 「人生出会い」編

渡辺雅敏

• 小学館 (2021年2月15日発売)

作品紹介・あらすじ

RADWIMPS初の公式ノンフィクション

「本当のことじゃないと、届かない」と洋次郎は度々語っていた。
でもこんなに何でも赤裸々に歌ってしまって、大丈夫なんだろうか？

レコード会社の社員として「化け物みたいに圧倒的なアーティスト」を探していた著者は、CDショップの試聴機で横浜の高校生バンドと出会う。
イントロもなく突然始まった歌を聴いた瞬間、新しい風が吹いてきたように感じた。
「ついに見つけた！ ここにいたのか！やっと出会えた！」

10代の少年だった彼らは、2006年に発売されたメジャーデビューアルバム『RADWIMPS 3 無人島に持っていき忘れた一枚』、『RADWIMPS 4 おかずのごはん』の2枚で熱狂的なファンを獲得。「大人が知らない社会現象」を巻き起こすことに。一方で表現者として恐るべきスピードで進化を遂げていく野田洋次郎とメンバーとの間には見えない亀裂が生まれ、名曲が誕生するごとにドラマが起こっていた。

“すごいバンド”になるために、変わり続けることを選んだ4人の若者達の歓喜と苦悩の日々。すべてを見守っていた著者が克明に描いた公式ノンフィクション。

巻末には野田洋次郎による書き下ろし原稿を掲載。


【編集担当からのおすすめ情報】
映画「君の名は。」「天気の子」などの音楽で広く知られるバンドの、
メジャーデビュー15周年にして、初めてとなる公式ノンフィクション。
初公開となる写真も掲載。

感想・レビュー・書評

[田んぼの人さんの感想 · 2025年7月17日]

RADWIMPSの発生からアルトコロニーの定理の発売までを書いた本著「人生 出会い編」、ファン必読である。
RADWIMPSの苦悩と成功、喜びが第三者の視点からありありと描かれており特に洋次郎の歌に向かう姿勢にはただ尊敬と畏怖の感情が巻き起こる。
バンドを続ける難しさ、人に求め、自分を刺す辛さ。エゴと協調のバランス。RADWIMPSが駆け抜けた本当の青春時代の情景描写。
全てを書ききってしまい歌ってしまい、恥部をさらけ出すような洋次郎。彼は憧れであり僕が出会わなくちゃいけない人。
下巻の「人間開花」編も非常に楽しみである。

[ハルカさんの感想 · 2021年2月22日]

これを読んだ後、すぐに「祈跡」や「もしも」を聴きたくなって、ききました。私はRADWIMPSの初期の姿を知りません。最近になって、声だけで感じ取っています。
ただ、高校生・大学生くらいの時に浮かんだ歌詞だと思うと驚きます。素敵な言葉を選ぶ人たちだと、曲を聞くたびに思うのです。

[keymatsuさんの感想 · 2021年2月21日]

これまでミュージシャンのドキュメンタリー本を読んだことがなかったので、とても新鮮でした。自分の青春時代をなぞっているみたいで、時に懐かしく、時に胸が熱くなりながら読み進めました。RADのこれまでがナベさん目線で書かれているんですが、とても生々しく、リアルに描かれています。

[Ryo Watanabeさんの感想 · 2025年1月31日]

中学2年生の夏に聴いたRADWIMPSの「ふたりごと」の衝撃や感動は、今でも色褪せない。
19歳。ついさっきまで高校生だったRADWIMPSの4人が、良き伴侶的存在のマネージャーなべさんに出会い、「僕」と「君」の一対一の世界を表現し続けた青春の日々、製作の苦悩と大人へなる過程が綴られている。RADWIMPSとマネージャーなべさんの出逢いの話。

なべさんの恋ですね、これは。
ピチピチして、作為や打算のない、真っ直ぐできれいな音楽。タイトルも曲も感情のすべてが入りきらず、溢れて零れ落ちている。やっと理想のアーティストに出会えた！
僕がもしもRADWIMPSと仕事をする幸運に恵まれたら。。
でも他のレコード会社と契約していたらどうしよう。。　と希望と妄想を膨らませる姿は、恋そのもの。

RADWIMPSは表現者としての「業」を背負い、傷つきながらも何かを生み出そうともがき続けてきた。「僕」と「君」の一対一の世界を究極まで突き詰めた結果、RADWIMPS4～おかずのごはん～という頂点に達したのだ。洋次郎の恋は終わり、「大切な彼女に好きだと叫ぶ装置」としてのRADWIMPSは役目を終えた。

それでもなお、「地上で唯一出会える神様」を失った後も、「自分」や「世界」に向き合い、次の段階へと進む。この進化の先にあるのは、モネの「睡蓮」のような、百年後も残るアルバムを作るという決意である。その過程で多くの葛藤や傷つきがあったが、結果として「バンドを諦めない」という夢が打ち砕かれる中、アルバム『アルトコロニーの定理』が生まれた。

少年だった4人は大人になり、一度変質したものは元には戻らない。それでも新しい形を模索し、進化を続ける姿が、RADWIMPSの本質を物語っている。

1曲1曲、1アルバム1アルバムを聴き返しながら、その背後にある想いや苦労、葛藤を感じ取ることをお勧めしたい。

[しょうゆさんの感想 · 2023年1月22日]

学生の頃、初めてRADWIMPSの「オーダメイド」を聴きました。衝撃でした。
曲のセンスはもちろんですし、何より、この人は本当に思って感じてる事を歌ってると思いました。
それから、ずっとradのファンです。

radは私の人生の歴史の一部です。
そんなradの曲が私の人生と交わるまでの歴史を見て、答え合わせができてる気がして、この奇跡の音楽に出会えたことの感謝と感動がより一層増えました。

今までは、radのメンバーの凄さや才能ばかりに注目してきましたが、周りのスタッフやこの本の著者であるナベさん達がいなければ、私はradに出会っていなかったかもしれないですし、ここまでradを好きになっていなかったかもしれないです。
RADWIMPSって音を鳴らす人だけではなく、周りの支えている人も含めて、全員でRADWIMPSって感じがしました。

世の中にradの曲が響き渡った大きな要因の一つは、間違いなくナベさんの愛のおかげだと思います。
本当にRADWIMPSが大好きなのだと感じましたし、曲をリスナーに届けるまでの手法や考え方が素敵でした。

“何十年も続いている、タイアップやテレビで大量露出をして、ヒットを作る方法にも正直うんざりしていた。大量露出により、アーティストは消耗し消費され、あっという間に耐久性を失う。大切なアーティストを、そんなふうにはできない。”

“大事にしていたのは、聴く人に余計な情報を入れないということ。リスナーの中でイメージを自由に膨らませてほしい。どんな人が歌っているのか、そういう情報は後からついてくる。まずは、曲だけを届けたい。”

本書の中で特に驚いたのは、この文章
”リスナーには自然にＲＡＤＷＩＭＰＳに出会ってほしかった。素晴らしい音楽を自分で見つけられたら、それはリスナーの中で大切なものとして育つ。”
私は偶然RADWIMPSを知り、ほぼ前情報はなく、純粋に「オーダーメイド」を聴けました。そして、この発見に興奮し、今でも私にとって大切なものとして育っています。
ナベさんの狙い通りだったんです。
もしかしたら、メディアから押し付けられる形でこの曲を聴いてたら、また違った感想になっていたかも知れません。

その他にも、radの色んな側面を見れて良かったです。
長く一緒にメンバーといるナベさんだからこそ書ける文章だと思います。
この本が読めて幸せです。
RADWIMPSの音楽を聴くことができて、本当によかった。

[きたちゃん先生さんの感想 · 2021年8月29日]

■印象に残ったこと…
・"人生が変わる瞬間"
　誰にでも必ず、そういう出会いがある。
　あなたにそんな時が訪れたら、しっかりつかまえて抱きしめられますように。

[菅原ひかりさんの感想 · 2021年6月29日]

野田洋次郎ってやっぱり天才で神様なんだと思った。RADWIMPSのこれまでの曲全部聴きたくなった。

[samestarさんの感想 · 2021年6月20日]

渡辺さんのRADWIMPSへの愛が溢れている。
知りようがなかったメンバーの苦悩まで書かれている。
渡辺さんとの出会いが無ければRADWIMPSは今まで続いてなかったかもしれないんだな。お互いにとって幸運な出会いだったんだな。

RADを聞き始めたのは『RADWIMPS 4 〜おかずのごはん〜』だったな。「ふたりごと」は前作に入るかもしれなかったんだな。

[るんさんの感想 · 2021年3月20日]

今までの知らないRADWIMPSを知ることができたから良かった。

[先天的消しゴムさんの感想 · 2021年3月7日]

『この物語はナベさんから僕たちへのラブレターだ。』

RADWIMPSがより身近に思えると同時に雲の上の存在であることを改めて突きつけられる。

[かいわれ大根おろしさんの感想 · 2021年3月3日]

この作品の中にでてくる歌をその都度聴きながら読むことでさまざまなメンバー内での葛藤や、洋次郎の想いなどがひしひしと伝わってきた。初めて知ったことが多くて、また一つRADWIMPSが好きになりました

[りんののけさんの感想 · 2021年2月24日]

俺色スカイの話、桑の脱退騒動の話、知らないことがたくさん知れて本当に面白かった。
me me sheのミュージックビデオ洋次郎の本当の彼女だったんだ。