兵士を追え

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093892032

感想・レビュー・書評

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  • 海自編。潜水艦はモチベがそれだけになるので食事がダントツでよく、週一鰻だそう。今もなのだろうか、すごい。
    だけど運動スペースもないから不健康になりがちという悩みも。ディーゼル・スメルと呼ばれる体臭もついてしまう。皆静かな印象というのも独特だ。

  • 杉山隆男氏の兵士シリーズ三作目は、海上自衛隊への密着取材。海上自衛隊とはいっても、本書では「海上」を主戦場とする護衛艦等の海上艦艇は取り上げられていない。空の上から海上・海中の敵に対峙する対潜哨戒機P3C、そして海中に潜みその時を待つ潜水艦。いずれも、海上自衛隊の中で特殊かつ最先端の戦場を受け持つ精鋭たち。厳しい任務に就く隊員の成長、そしてオフに垣間見える人間としての自衛官。『兵士に聞け』『兵士を見よ』に続き、本書も購入。

  • 海上自衛官の潜水艦乗組員を中心に筆者が同乗し、乗組員の声を集めたレポもん。細かく説明等を交えていることもあり、話が長ったらしくなる部分があるが、潜水艦乗組員という日の当たりにくい方々の話しで非常に興味深かった。まだ筆者のシリーズが有るみたいなので読んでみようかな。

  • いつの間にか「対潜」の2文字がとれたP-3C哨戒機、そして潜水艦を取り巻く海上自衛隊員の物語。潜水艦の作戦目的と性能が秘密であることから、想像力を働かせないと読みにくい。1機100億円と言われるF-15など戦闘機の価格と比べると1隻450億円の潜水艦は、数が少ない気がします。旧海軍が開戦前に艦隊決戦用の装備に予算を割き、航空機を補助兵力とみなしたように、いまも水上艦に多大な予算と人員を割いているのかと想像しました。日本の四方を取り巻く海、その中とその上で行動する人々にも世代の変化がおこっているようで、狭いようにみえて、ちいさな社会がそこにあることを感じました。

  •  本書は、海上自衛隊の潜水艦乗りとP3Cという対潜空中哨戒機搭乗員の話である。その内容は普段あまり知られていない「日本軍隊?」の装備と活動内容をかなり詳細に追っている。
     本書を読んで感じたのは、ここまでの取材を許した自衛隊の意図だ。本来軍事機密としてベールに覆い隠すべき内容の取材を許すからには、それなりの意図があるのだろうと感じた。防衛費は年間5兆円近くにもなる。世界の軍事費ランキングからいうと、アメリカ・中国・フランス・イギリス・ロシア・ドイツについで、7位となる。これだけの軍事費を使って、何も国民に知らせないのではいかにも説得力がない。ある程度の内容を知らせて国防の実態をアピールしたいのではないのかと感じた。まあ、高度な装備をある程度もらすことは抑止力につながるとの視点もあるかもしれない。
     本書は、装備や訓練の話だけではなく、隊員の家族のエピソードをたびたび紹介するとともに、隊員個人のエピソードをおおく紹介し、「軍人」としてだけではなく「個人の顔」も見える内容となってはいるが、あまりおもしろくないと感じた。普段知らない世界を知ることができたわりには、興味を刺激されない。これは、本書の筆者の力量のせいではなく、取材対象の訓練内容・活動内容がもうひとつリアリティ・緊張感がないせいではないのかと思った。
     現在の日本の戦略的位置からして、近い将来に日本が近隣諸国と戦争になるとは思えない。もちろん、尖閣列島の問題や不審船等への対処が欠かせないことは理屈ではわかるのだが、軍事活動への必要性が身近な皮膚感覚とはなっていないのが、日本の現実ではないのかと思った。ようするに「軍事」は、日本においては多くの人にとって興味あるテーマではないということを、本書を読んで再確認した思いをもった

  • 面白いし一気読みしたのだけど、陸自の「兵士に聞け」以来、巻を重ねるごとにつまらなくなっていっている。
    潜水艦は機密が多いし、つまるところ数日間の試乗体験とP3Cの取材なわけだし、それを、けっこうどうでもいい自衛官のインタビューで埋めていて、それを膨らませるために、必要以上の美文になっている。
    著者を責めるのは酷な気もする。「戦後日本社会の鬼子」でなくなった自衛隊は、なんというか、心に迫るというか、胸に詰まるものではなくなったのだろう。
    心や胸を攻めることが自衛隊の存在理由ではないのだから、それは別にいいんだけど、ちょっとさびしい。
    降る雪や 昭和は遠くになりにけり

  • 自衛隊の現実を知りたい人にはとてもオススメのシリーズの第三作です。第三作では海自が中心で、潜水艦への同乗取材と、哨戒機部隊での取材がメインです。不審船事案の下りは読んでて緊張します。潜水艦での日常も興味深いですよ。

  • 潜水艦のレポート。まだ全部読んでない。

  • 「兵士に聞け」の続編第二弾。海自の潜水艦に同乗取材した今回のレポートは、滅多に外部に漏れてこない潜水艦という世界を知ることが出来ます。

  • 自衛隊の潜水艦乗りの実情をあますことなく描いています。

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著者プロフィール

1952年、東京生まれ。一橋大学社会学部卒業後、

読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に

新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興

亡』(文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション

賞を受賞。1996年、『兵士に聞け』(小学館文

庫)で新潮学芸賞を受賞。以後、『兵士を見よ』

『兵士を追え』(共に小学館文庫)『兵士は起つ

 自衛隊史上最大の作戦』(扶桑社新書)と続く

「兵士シリーズ」を刊行。7作目『兵士に聞け 

最終章』(新潮文庫)で一旦完結。その後、2019

年より月刊『MAMOR』で、「兵士シリーズ令和

伝 女性自衛官たち」の連載を開始。ほかに小説

『汐留川』『言問橋』(共に文藝春秋)、『デルタ

 陸自「影」の兵士たち』(新潮社)、

『OKI囚われの国』(扶桑社)など著書多数。

「2022年 『私は自衛官 九つの彼女たちの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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