兵士に告ぐ

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093892049

作品紹介・あらすじ

2002年3月、長崎の地で「自衛隊の海兵隊」と呼ばれる部隊が産声を上げた。総勢600名。いずれも強靱な精神と肉体を併せもつ、全国から選ばれた猛者たちだった。日本の南の砦、「西部方面普通科連隊」の素顔に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 特殊な普通科、西部方面普通科連隊〈西普連〉の精強な人選、過酷な練習について
    災害が起きたとき
    自衛隊内の犯罪が隠蔽されがち、という闇もサラッと触れているけど深そうで怖い。内省的な組織だからこそ厳罰化しようよ。上に甘くて下に厳しいってひどい。

  • 中国、北朝鮮、そして韓国などが、あわよくば自国の領土、領海に組み入れようと隙を伺う南西諸島。

    その島嶼部を防衛し、万一上陸占領された際には奪還作戦を担う部隊として、防衛大臣直轄の部隊として発足した最精鋭部隊、西部方面普通科連隊。

    自衛隊への取材を続ける著者が、その西部方面普通科連隊を端緒に、部隊発足の経緯、さらには陸上自衛隊の練度、隊員の意識、そして地域との連携。
    さらには他の地区で廃止される部隊の姿などを丹念に描く。

    法的な存在根拠の有無、政治、国民の意識のズレなどとは無縁なところで、国土を守るために訓練し、備える陸上自衛隊。
    その姿を、我々は災害派遣等の現場報道などで見かけるに過ぎないが、彼らは戦力としても上等、一流の軍人である。

    国権の発動たる戦争は認められていなくても、国際協力のもとに行われるオペレーションに参加するために、戦力を保持し、必要とあらば武力行使も辞さないというのは、国際社会への貢献を国是とする我が国には、必要なものではないだろうか?

  • なんか言いたいこと・伝えたいことがエラくぶれているというか・・・正直何を訴えたいのかが文面から汲み取れなかった。前作までのシリーズからは悲しいかなかけ離れた作品になってしまっているのが残念。

  • ざっくり読み。

    正直なにが言いたいかはわからんかった。
    ただ人間て結局食べるってことが結構大きいポイントなんだと。
    食べれるか、食べれないかってでかいね。

  • 今度は日本の海兵隊こと西部方面普通科連隊を取り上げる。
    「兵士に聞け」「兵士を見よ」は面白かったけど、これはちょっといまいちだな。
    いまいちというか、三段ぐらい落ちた。

    自衛隊のストイックな美学と、その半面の軍人らしい現実主義的なところ、そしてあまり見えてこない失敗もすれば悩みもする生身の軍隊のルポが良かったのだけど、ずいぶんと見方がステレオタイプになったような気がする。
    ルポタージュから広報誌になったような。
    ベトナム戦争の従軍記事から、湾岸戦争の従軍記事に変わったみたいだ。

    でもそれは著者の杉山隆雄氏の筆の変化ではなくて、自衛隊自身の変質の結果なのかもしれない。
    「戦後」を引きずった鬼子としての軍隊の、自分たちを見てほしい、分かってほしいという姿から、それなりに社会の中に存在を得て、それなりにスマートな報道管制を敷いてくる姿。
    まっとうな進化と言えなくもないし、戦後自衛隊VS旧軍復活というフレームでしか見てこなかったから違和感があるのであって、コンテキストまで含めて、これが現時点のありのままの自衛隊なのかもしれない。

    うーん、ちょっと良くわからない。

  • 兵士に聞け、見よ、追えにつづく作
    ミリミリとした

  • 話の焦点はぼやけている、とamazonでは言われているが、私には目先の利益を重視し、長期的戦略なく方便を駆使して米軍にすり寄る自衛隊と、同様な政府への姿勢への警鐘が奥底に感じられる。そこからは現場レベルの幹部や隊員には好意を寄せつつも、総合してみると危機感を覚える、そうした著者の愛着と失望が渾然一体となって感じられた。

  • 自衛隊の現実を知りたい人にはとてもオススメのシリーズの第四作です。第四作では再び陸自が中心、特に西部方面普通科連隊をメインにすえています。自費で装備を購入して自慢しあう中隊長と二曹など、相変わらず個性的な自衛官が登場します。しかし、著者の指摘する「アメリカ」を使えばできないこともできてしまう日本の現状、逆に言えばそうしなければ必要な訓練もできない日本の現状、そして自衛隊と米軍との一体化が進むことへの不安・・・。考えさせられます。

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著者プロフィール

1952年、東京生まれ。一橋大学社会学部卒業後、

読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に

新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興

亡』(文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション

賞を受賞。1996年、『兵士に聞け』(小学館文

庫)で新潮学芸賞を受賞。以後、『兵士を見よ』

『兵士を追え』(共に小学館文庫)『兵士は起つ

 自衛隊史上最大の作戦』(扶桑社新書)と続く

「兵士シリーズ」を刊行。7作目『兵士に聞け 

最終章』(新潮文庫)で一旦完結。その後、2019

年より月刊『MAMOR』で、「兵士シリーズ令和

伝 女性自衛官たち」の連載を開始。ほかに小説

『汐留川』『言問橋』(共に文藝春秋)、『デルタ

 陸自「影」の兵士たち』(新潮社)、

『OKI囚われの国』(扶桑社)など著書多数。

「2022年 『私は自衛官 九つの彼女たちの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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