狙われた日華の金塊~ドル崩壊という罠~

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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897273

作品紹介・あらすじ

狙われた日華の金塊ードル崩壊という罠ー

巨額債務を抱えるアメリカはついに国際通貨ドルの放棄と計画破綻を画策する。なぜアメリカは自らデフォルト(国家破綻)するのか。「ドル後」の世界が向かう先は。元外務省キャリア官僚が世界中から集めたインテリジェンスを積み重ねることによって、ドル崩壊を巡る大国間の暗闘と謀略を鮮烈に浮かび上がらせる。そしてその向かう先にあるひとつの事実へと辿り着く。それは、日本と華僑ネットワークが過去数百年にわたって退蔵してきた簿外資産――「金(ゴールド)」である。この書を読めば、昨年末アメリカ国内で賛否を呼んだ、オバマ米大統領の「天皇陛下へのお辞儀」でさえ、その裏に巧妙なシナリオがあったことを知る。

感想・レビュー・書評

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  • この本の著者である原田氏は元外交官で北朝鮮を担当していた方です。外交官は国の機密事項に触れていて、本に書くことが憚られることも多々あるようです。直接的な書き方をしていませんが、日本が太平洋戦争で獲得(略奪?)した金塊がどこかに保管されているようで、その莫大な量が放出されると現在は高い価格となっている金の価格が暴落するとコメントしています。

    今後日本で資産運用は難しい中で、唯一といっていいくらいに「ゴールド価格が上がり続ける」と言われていますが、果たしてどうなるのでしょうか。この本によれば、その暴落はすぐにでも起きそうな感じで書かれていました。金価格については今後の成り行きを注目したいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・アメリカ勢が自らをデフォルトに追い込んでまで得ようとしているものは、日本勢と華僑・華人ネットワークとが数百年にわたって退蔵してきた金塊である(p8)

    ・現在起きているのは単なる景気循環シーンではなく、資本主義が行き詰る中、「次の資本主義」へ移行するプロセス、方向性は、地域統合か地域分割、日本の時代(日本円が選ばれる)が2011年までは続く(p24)

    ・国家が国家であるための条件として、1)外交権、2)治安維持を行う警察権、3)通貨発行権がある(p36)

    ・バイアメリカン条項は、各国から非難されたが、カナダだけは適用外とした(p37)

    ・日本が当面の間デフォルトしないと考えられるのは、2010年1月に発表した定期預金残高が200兆円もあるから(p42)

    ・かつで1820年に、中国・インド・東南アジア(日本含む)の所得は58%であった、1992年で37%、2025年には200年ぶりに57%となり、かつての地位を取り返すと期待されている(p44)

    ・最近のGMO(遺伝子組み換え作物)は、1回の収穫しかできないターミネータ技術である(p65)

    ・2008年4月の最後の米ロ首脳会談では、「ロシアは低濃縮ウラン、アメリカは高濃縮ウランの縄張りを決めた」(p78)

    ・ライトブリッジ社は、核廃棄物として兵器転用可能なプルトニウムを作り出さないような核燃料(トリウムは中性子1個吸収してできるウラン233を使用)を発展sさせるためにつくられた(p81)

    ・アメリカが政府資金を投じて行っている実験は、既存の原子炉で用いるためのプルトニウムとトリウムを混合させた燃料の開発(p88)

    ・トリウム原発に移るためには、核兵器は決して許すべきでない・プルトニウムができてしまう原子力技術は捨てられるべき・トリウム獲得にアメリカが勝ち残ること(p90)

    ・インドの約半分の海岸では30万トン以上のトリウム確認、放射性ガスを放散しないので危険ではない、採りつくしても一晩のモンスーンでトリウムを含む重砂は復活する(p95)

    ・りん酸塩鉱物の1つであるモナザイトの中にトリウムが含まれる、インドでも北朝鮮にもある、戦前に京都帝大が行っていた原爆研究は北朝鮮のモナザイトを用いていた(p98)

    ・2009年10月に中国は対外決済のために5600本(400トロイオンス)の金塊をアメリカから受け取った、3本を調べてみると金メッキされたタングステンであった、調査の結果、アメリカは合計64万本のメッキ品を作ったことが判明(p110)

    ・その結果、2004年4月にはロスチャイルドは1919年以来してきた「金値決め」の役割を放棄することになった(p111)

    ・2004年を境に金についての世界は変わっていった、これを巧みにかわす働きをしてきたのが、金ETFである、日本でも2008.6に上場が承認された、2009.10に中国で起きた事件以来、金地金でさえ信頼性が大きく揺らぎ始めた(p114)

    ・日本(旧華族、旧軍人ネットワーク)と中国(華僑・華人)は、共同で莫大な量の金塊をフィリピンのミンダナオ島の地下金庫で管理している(p131)

    ・フィリピンは、アジアにおいて500年近くにもわたって決済手段として流通する「銀」の集積ポイントであった(p148)

    ・日本は日清戦争で奪い取った賠償金(2億金両)をロンドンに在外正貨として預託することで、金1=銀32に固定する金本位制が導入可能となった(p151)

    ・マーケット外から突如として現れる莫大な金塊は、金マーケットを「瓦落」へと陥れる、金は2020年までに無価値となるという声もある(p195)

    ・我々がすべきことは、利己的になることではなく、次の時代を見据えた模範となる思考と行動を身の回りから始めていくことである(p204)

    2012年6月23日作成

  • 2011/11/01:読了
     華僑と日本の金塊の話はともかく、それ以外の部分は
    参考になる情報だった。
     中国がアメリカからタングステンの偽の金が来たとか、
    なぜ、日本の新聞に載らないのか...
     困ったもんだ。

  • 原田武夫さんって、なんか、新しい本が出るたびにトンデモ本作家になっていく。
    トンデモエピソードのオブラートに包まれた重大な予言を読み取れということか?

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著者プロフィール

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役CEO。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務省に外務公務員Ⅰ種職員として入省。アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)などを歴任し、2005 年、外務省を自主退職。2007年、株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)を設立。2017年より国際商業会議所(ICC)G20 CEO AdvisoryGroupのメンバーを務める。2022年より学習院女子大学で教鞭を執る。『PAX JAPONICA The Resurrection of Japan 』を英国にて出版(2017年)。その他、日独英で著書・翻訳書多数。2023年に立教大学大学院人工知能科学研究科にて修士号取得。独自の手法により作成・提示する「未来シナリオ」は、大きな反響を呼んでいる。

「2023年 『図解でわかる! 2030年の未来予想図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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