九十歳。何がめでたい

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 3056
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093965378

作品紹介・あらすじ

待望の単行本がついに発売。実にめでたい!

『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。

大正12年生まれ、今年93歳になる佐藤さんは2014年、長い作家生活の集大成として『晩鐘』を書き上げました。その時のインタビューでこう語っています。
「書くべきことは書きつくして、もう空っぽになりました。作家としての私は、これで幕が下りたんです」(「女性セブン」2015年2月5日号より)

その一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、「暴れ猪」佐藤節が全開。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞しています。

自ら災難に突進する性癖ゆえの艱難辛苦を乗り越え92年間生きて来た佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章は、人生をたくましく生きるための箴言も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。
ぜひ日本最高峰の名エッセイをご堪能ください。

















【編集担当からのおすすめ情報】
収録されたエッセイの中には、15年に大阪・寝屋川市で起きた中学1年の少年少女殺害事件や、16年に発覚した広島・府中市の中学3年生の「万引えん罪」自殺問題から、高嶋ちさ子さんのゲーム機バキバキ事件や橋下徹元大阪市長のテレビ復帰に至るまで、折々の出来事と世間の反応について歯に衣着せぬ物言いで迫ったものもあります。

とりわけそうした時評からは、怒れる作家と称される佐藤さんのあたたかな眼差しが心に沁み入ります。世間で論じられていた視点とは全く違う、佐藤さんならではの視点にも注目してください。

感想・レビュー・書評

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  • 本にするようなこと?
    少し読んでやめた。

  • 当たり前、が決して当たり前ではないことを気づかせてくれる

  • 歯に衣着せぬ物言いが痛快!

  • うーん、軽快な語りで、スカッと感はありこの著者に会ってみたくはなるけれど、
    世代の差だろうか。価値観などに共感し得ない部分もありました。

    けれどケアに従事していた者として、当時の私には自分の知らない先人の皆さまの築き上げた苦労や価値観、気持ちを理解しておく意味でとても気づきの多いエッセイでした!

    私だったら、、90才まで生きてたとしたらこんな前向き、エネルギッシュなパワーを纏えないし、孤独死の淵で、涙を流してる気がしてならないですが、明るく生きねば、生きてる限り。
    そんな確かな勇気も湧いた。

  • 佐藤愛子さんが2015年、2016年に女性セブンに連載していたエッセー。タイトルを見て面白そうなので抱腹絶倒を期待して買ったが、それほどではなかった。それでも猪突猛進型の筆者のいろんな失敗や、素直な怒りに共感を持て、おもしろくは読めた。『思い出のドロボー』は面白かった。

  • 90歳、日常をその人なりに生きるのだと思った。

  • 時代について行くのは大変だろうと感じた。若者(著者からすれば70代も若者)との感覚のズレがたくさんあるだろうなぁと思う。

  • 男前な大ばあちゃんは、流石人生経験も豊富です。そうそうと思わされたり、それ、極端やろーとツッコミを入れたくなったり。楽しめた。

  • 古本屋で発見した『九十歳。何がめでたい』(佐藤愛子)。

    この歳になると、どんな風に世界が見えてるのか気になって手に取りました。

    読んでみて、だいたいウチのおじいちゃんと考えてる事は同じで、

    タイトル通りの事を考えたり、

    便利な世の中だけど人間の精神的な部分の衰えを憂いたり、

    体の不調を訴えていたり……

    マイナスな事を考えてしまう事が増えるのかなと思いはしましたが、

    90歳というご年齢から「説得力があって納得できる」と思った事も。

    それが以下。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ❶「気が小さいからつまらん手合のいうことが気になるんです。そんな奴にははっきりいった方がいいんです。『私、そんな話はしたくないの』とね。

    (中略)
    あなたは親しめない変り者として方々で悪くいわれるようになるだろうけど、そんな手合に気に入られてそれがナンボのもんじゃない、と考えるようにすればいいのです。」

    ❷ ふりかかった不幸災難は、自分の力でふり払うのが人生修行というものだ。(中略)したくないこと、出来そうもないと思うことでも、力をふり絞ってブチ当れば人間力というものが養われて行く。

    ❸ 騒音は生活が豊かで活気が満ちていてこそ生れる音である。戦争体験者である私は、空襲警報が鳴り響き、町は死んだように鎮り返った怖ろしい静寂を知っている。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    これを読むまで【戦争】が頭から抜けてて、

    【平和】である事がいかにありがたい事なのかを改めて知りましたし、

    自分がいかにちっさい事で悩んでるかもわかった1冊でした。

    そして、

    世のおじいちゃんおばあちゃんに対して、「この人達には今こういう事が起こっているかもしれない」とマイルドな目線を、

    未来の自分には「自分もこうなっているかもしれないのだろう」という遠くを見るような目線を、

    それぞれ向けるかもしれない。

    ただ、その年齢に達するかはわからないけれど。

  • そうそう、うんうんと頷きながら読み終わってしまった。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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