九十歳。何がめでたい

著者 :
  • 小学館
3.47
  • (78)
  • (185)
  • (225)
  • (43)
  • (20)
本棚登録 : 1570
レビュー : 276
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093965378

作品紹介・あらすじ

待望の単行本がついに発売。実にめでたい!

『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。

大正12年生まれ、今年93歳になる佐藤さんは2014年、長い作家生活の集大成として『晩鐘』を書き上げました。その時のインタビューでこう語っています。
「書くべきことは書きつくして、もう空っぽになりました。作家としての私は、これで幕が下りたんです」(「女性セブン」2015年2月5日号より)

その一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、「暴れ猪」佐藤節が全開。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞しています。

自ら災難に突進する性癖ゆえの艱難辛苦を乗り越え92年間生きて来た佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章は、人生をたくましく生きるための箴言も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。
ぜひ日本最高峰の名エッセイをご堪能ください。

















【編集担当からのおすすめ情報】
収録されたエッセイの中には、15年に大阪・寝屋川市で起きた中学1年の少年少女殺害事件や、16年に発覚した広島・府中市の中学3年生の「万引えん罪」自殺問題から、高嶋ちさ子さんのゲーム機バキバキ事件や橋下徹元大阪市長のテレビ復帰に至るまで、折々の出来事と世間の反応について歯に衣着せぬ物言いで迫ったものもあります。

とりわけそうした時評からは、怒れる作家と称される佐藤さんのあたたかな眼差しが心に沁み入ります。世間で論じられていた視点とは全く違う、佐藤さんならではの視点にも注目してください。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 小気味よいエッセイ。言いたいことをはっきり言ってくれるのですっきりする。
    『「文明の進歩」は我々の暮しを豊かにしたかもしれないが、それと引き替えにかつて我々の中にあった謙虚さや感謝や我慢などの精神力を磨滅させて行く。(中略)もう「進歩」はこのへんでいい。更に文明を進歩させる必要はない。進歩が必要だとしたら、それは人間の精神力である。私はそう思う。』
    私もそう思う。相手との距離感を気にするあまり、言いたいことも言えない世の中。その通り!と言いたいことがたくさん書いてあった。ハナのグチャグチャご飯にじーんときました。

  • おもしろかったです。
    自分とは年齢は離れているけど、
    現代に対する違和感や苛立ちなど
    共感する部分が多かったです。
    ズバッと言ってくれるので爽快です。
    また、お笑い要素もあって
    読みながら笑いました。
    普段あまりエッセイを読まないのですが、
    この本はとても読みやすかったです。

  • 色んなことにピシャッと言い切るのが気持ちいい。

  • 今は95歳?

  • 自分にはない考えを持った方だった。

  • なんだかとても共感できる内容で。
    わたしは90超え出来るかどうか甚だ怪しいけども。

  • 著者の、現代への喝を受け取れた本。
    人生は、シンプルで単純なもの。ややこしくしているのは現代の便利さと心の弱さ。
    著者の ”自分の弱さと戦う!戦わないで嘆いているのは甘ったれだ!駄目だと思うならその駄目さを駄目でなくすればいい。” この一行を読んで、なんだかはっ!としたと同時にそうか、なんて単純なんだろうと思えてきた。自分が自分の弱さと言い訳でがんじがらめにされすぎてややこしくなってしまっていた。
    前だけ見て今この瞬間だけに集中して考えていけばいいんだ。
    人生の先輩は、やっぱり言葉の重みがあるなーと思えたエッセイ集。

  • 90歳、というと世間の人はめでたく思うことが多いが、実際は老いることで、日常生活の中で困難に感じることも多い。世間の目と90歳の目線とのギャップを描いたエッセー。

  • 平成ベストセラーシリーズ
    平成29年(2017年)
    ・1/6 ドナルド・トランプが第45代アメリカ合衆国大統領に就任
    ・9/9 桐生祥秀が100m走で日本初の9秒台 (9.98秒)を達成
    ・9/20 安室奈美恵が2018年をもって歌手活動引退を発表

    平成29年のベストセラー年間売上1位は佐藤愛子著『九十歳。何がめでたい』(トーハン調べ)

    この本を手に取って初めて佐藤愛子さんという人を知りました。刊行当時92歳、大阪出身の小説家。怒りが元気の源というだけあって本の中でもプリプリカリカリお怒り。
    いわばご年配のマツコ・デラックスが世相のあらゆる事象を斬るエッセイ集といった感じです。
    見るもの触れるものに怒り散らして騒々しいお人だな、というのが読み始めの感想でしたが、徐々にその怒りがクセになります。

    印象的だったものを数点ご紹介。
    ●来るか?日本人総アホ時代
    「文明の進歩」は暮らしを豊かにしたのと引き替えに、我々の中にあった謙虚さや感謝や我慢などの精神力を摩滅させていく、というお考えは常々考える#便利が人をダメにする をうまく言語化していただきました。
    ●一億論評時代
    いくつになってもマンガで大笑いできる「幸せを心に持っている人」でありたいと思いました。
    ●グチャグチャ飯
    それまでとテイストの違う内容でウルッ。遠く実家で暮らす猫たちが死んだら…と思うと余計に心にくるものがあります。

    全く関心のなかった新聞の人生相談欄ですが、これからは機会があれば覗いてみることにします。

  • サラッと読みやすい本でした。
    無知で佐藤愛子さんを存じあげていませんでしたが、昭和生まれの私には、子供の頃を思い出し、人を許す気持ちや、そんなに深く考えなくていいんじゃないと教えてもらったようで、気持ちがとても楽になりました。
    上手くいかない時や、考え込んでしまっている時に、また、読んでみたいな。

  • これ面白い!みなさんぜひ読んでみて!

  • 変な理屈なんて考えなくていいんだなと。楽しかったです。
    祖母がこれくらいの年齢なので、話していることと繋がって、改めてこう感じながら過ごしているんだなと思いました。
    祖母もこの本を読んで面白がっていました。
    人生100年時代と言われているこれから、難しいこと考える前にこれ読むといいんじゃないかと思います。

  • 図書館で長く続いていた予約の列が解消され、書架に並んでいるのを発見!
    九十歳の齢を過ぎても、変わらぬ論調にニンマリ。さすが愛子さん!!
    いくつか「えっ?」という章もなくはないけれど、大正女の心意気、変わらず楽しめました。

  • 図書館の本 読了

    Mさんのお勧めの佐藤愛子さん。
    若いときに読んだかもしれないけれど、まったく記憶になくて初読み状態。その上一気に読破。
    聴力、はなちゃん、泥棒、お地蔵様、人生相談、色々記憶に残るお話多数。

  • エッセイ集なのに、読んでいるうちに強く優しく叱咤されているような気分になる本。
    面白かったです。

  •  90歳超えても、さすがプロの作家。ずいぶん昔に読んで面白く感じた、そのクオリティを変えることなく、この本も面白く拝読。

  • このお年で、もう昔から色々な経験をしてるから、すごく説得力あって納得でできる

    スーパーのレジ袋のくだりとか、司法のくだりとか、そのとおりだと、
    普段の何気無いことを、今と昔を比較しながら、別に現代をひていするわけではないがずっばっと。

    一時は、のんびりしてたら鬱になりかけたらしい。
    人はいつでも何か目的もって人生楽しまなきゃいけないなぁとおもう

  • 何てパワフルで素敵で粋で温かくて人間くさいのだろう。
    私は、歳を重ねる事はやっぱり嫌で、老いたくないと思っている。だけど、生きたいと思うのならば、老いは平等にやってくる。
    私は、こんな素敵な九十歳になっていたい。こんなパワフルで人間くさい人でありたい。可愛いおばちゃんになりたいと思ってたけど、クソ喰らえなのかもしれない。一生懸命、必死で生きて老いたいと、この本を読んで、憧れに近い感情で思った。
    ソバプンの話、声に出して笑いました(笑)

  • 九十歳を過ぎ、身体の方々にガタが来ていると言っているのに、仕事の依頼がしつこい。
    それというのも声が大きいせいだと思い、なるべく弱弱しい声で断るのに、攻防戦を繰りひろげているうちにだんだん地声が出て「お元気じゃないですか」ということになってしまう。
    声が大きいのは損だ。と憤る。

    私が思うに、怒るのも体力が要りますから、やっぱり怒れるだけお元気なのではないかと…。

    ”進歩というものは、「人間の暮らしの向上」、ひいては「人間性の向上」のために必要なものであるべきだと私は考える。我々の生活はもう十分に向上した。(中略)もう「進歩」はこの辺でいい。さらに文明を進歩させる必要はない。進歩が必要だとしたら、それは人間の精神力である。私はそう思う。”

    この文章を読んで中学生の時に習った「知足の喜び」を思い出す。
    足ることを知らない、満足できない不幸。
    しかも今の世の中、物質的な満足に偏り過ぎているのではないか。

    ”何の不足もない平穏な暮らしの中では悩んで考えこむ必要がない。考えないから生活からは強さ、自立心、何も生れない、生れるのは依存心ということか。

    何の不足もない人が、みんな依存心の塊かというとそうではないと思う。
    ただ、自立していなくても生きていけるという事実はある。

    無言電話を怒り、三越のトイレの使いにくさに怒っている愛子さんも、この連載が始まるまえは元気じゃなかった。

    ”週に二日、家事手伝いの人が来てくれるほかは、私は一人でムッと座っている。べつに機嫌が悪いというわけではないのだが、わけもなく一人でニコニコしているというのもヘンなもので、自然とムッとした顔になるのです。本を讀めば涙が出てメガネが曇る。テレビをつければよく聞えない。庭を眺めると雑草が伸びていて、草取りをしなければと思っても、それをすると腰が痛くなってマッサージの名手に来てもらわなければならなくなるので、ただ眺めては仕方なくムッとしているのです。
     そうしてだんだん、気が滅入ってきて、ご飯を食べるのも面倒くさくなり、たまに娘や孫が顔を出してもしゃべる気がなくなり、ウツウツとして「老人性ウツ病」というもはこれだな、と思いながら、ムッと座っているのでした。”

    ちょっと長い引用になってしまいましたが、これ、ちょっと前の実家の母がまさしくそうでした。
    季節のせいかタイミングなのか、調子がいい時と悪い時があります。

    週末アパートの契約更新に行ったとき、管理会社の社長(70代の女性)がおっしゃってたのは「歳をとればよけいに、”きょういく”と”きょうよう”が必要なのよ。「今日行くところ」と「今日用事があること」それが元気で長生きの秘訣なんだから」

    大変でも2週間ごとの締め切りは、愛子さんの元気の源になったのではないかと思います。
    だから最終章の
    ”讀者の皆さま、有難う。ここで休ませていただくのは、闘うべき矢玉が盡きたからです。決してのんびりしたいからじゃありませんよ。”
    愛子さんには、再び怒りの矢玉を持って、存分に投げつけてほしいなあと思います。

  • この方の小説は読んだことがないので、私にとっては『おばあちゃんの愚痴』といった感じで、痛快でとても面白かった。

  •  さすがの愛子サンも切れ味が鈍ってきたようで、だいぶガッカリ。

  • 毒舌であったかい。

  • ニュース、日々の生活、新聞記事など日常の出来事に対してストレートな物言いで書かれたエッセイ…✏️

    まるで内容が祖母と話してるかのような気分になりつい笑ってしまった(*´艸`*)笑

    そして思ったのが新聞の人生相談の返答は難しくて深いですね…

  • 小説家佐藤愛子さんが90歳にして雑誌に連載していたエッセイをまとめた1冊。
     
    決して説教臭くなく、ユーモアをふんだんに散りばめた、くすっと笑える話が詰まっています。
     
    例えば『ソバプンの話』。
     
    『ソバプン』とは、そばによると"プン"と鼻を刺す臭いを放つ人の話。
     
    こういう人がいて困る、というラジオの聴取者からの悩み相談なんどけど、『ソバプン』なんて名前を付けるとなんとなくかわいく思えてくるから不思議(^^;
     
    ミツバチやスズメバチのキモチになってみたり、昔のいたずら電話を懐かしんでみたり、一つひとつがほっこり笑えて楽しい1冊になっています。
     
    ユーモアあふれるエッセイとして老若男女問わずおすすめです。

  • 佐藤愛子さんの痛快エッセイ!世の中のこと、なんだかなあと思うけど、言葉にできないもやもやたちに、そうそう!それそれ!そう思ってたの!と、しっかりケリをつけてくれる。面白くて一気に読みました。

  • 愛子先生、自然体でおもしろい。とても暖かい気持ちにさせてくれる一冊。

  • 当時92歳の佐藤愛子氏が女性セブンで連載していたエッセイをまとめた2016年のベストセラー。終始毒づいたネタばかりだが、どの話も愛らしさや爽快感のようのものを味わえて楽しかった。読みながらずっとニヤニヤしてたと思う。90歳のおばあちゃんならではの視点で現代社会に対する疑問や不満が語られているが、現役世代の我々からすると「なるほど、一理ある!」と新鮮な感覚さえあるのが面白い。大正に生まれ、高度成長時代の昭和という時代をリアルタイムで過ごしてきた佐藤氏の言葉は、過酷な現代を生き抜く為の知恵と示唆に溢れている。

  • これ、女性セブンの連載だったんだ~。
    このくらい頭クリアで90まで突入出来たら、それはそれでめでたいかも、特に周囲には。
    新聞の人生相談ネタがいくつか出てきていたが、私の大好きな最相葉月さんまでぶった切っていた。さすが。

  • あたたかい気持ちになった。
    うちのばあちゃん(91歳)みたいなこと言ってるからか。
    ばあちゃんに「元気そうで」というと怒るんですよね。
    「どこが元気なんじゃ。誰もわかってくれん。」と。

    しんどさを軽減しようと病院に行っているのに
    「老化だから仕方がない」と言われることに怒る。
    そんな姿を見て、医者も孫の私もにこやかに「元気やね」と言う。
    もちろんばあちゃんはさらに怒るのだけど。

    これまでうちのばあちゃんがユニークだと思ってたけど。
    なるほど、これは「90代あるある」だったのか。

全276件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

佐藤 愛子(さとう あいこ)
1923(大正12)年、大阪に生まれる。甲南高女卒。
1969(昭和44)年、『戦いすんで日が暮れて』で第61回直木賞、1979(昭和54)年、『幸福の絵』で第18回女流文学賞、2000(平成12)年、『血脈』で第48回菊池寛賞、2015(平成27)年、『晩鐘』で第25回紫式部文学賞を受賞。2017(平成29)年、旭日小綬章を授賞。ユーモアあふれる世相風刺と人生の哀歓を描く小説およびエッセイは多くの読者の心をつかむ。
著書に『九十歳。何がめでたい』(小学館)、『私の遺言』(新潮文庫)、『晩鐘』『血脈』『わが孫育て』『我が老後』シリーズ――『我が老後』『なんでこうなるの』『だからこうなるの』『そして、こうなった』『それからどうなる』『まだ生きている』(以上、文春文庫)、『ああ面白かったと言って死にたい――佐藤愛子の箴言集』『幸福とは何ぞや―佐藤愛子の箴言』『そもそもこの世を生きるとは―佐藤愛子の箴言集2』(以上、海竜社)ほか、著書多数。

「2019年 『ガムシャラ人間の心得』 で使われていた紹介文から引用しています。」

九十歳。何がめでたいのその他の作品

佐藤愛子の作品

九十歳。何がめでたいを本棚に登録しているひと

ツイートする