逆説の日本史1 古代黎明編(小学館文庫): 封印された[倭]の謎 (小学館文庫 R い- 1-1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094020014

作品紹介・あらすじ

教科書ではわからない日本史の空白部分に迫る。従来の歴史学界の権威主義、史料至上主義、呪術観の無視、以上の三大欠陥を指摘しながら古代史の謎を推理、解明していく。日本人の「わ」の精神のルーツは?宮内庁が天皇陵の学術調査を拒み続けるのはなぜか?あの出雲大社はオオクニヌシノミコトの怨霊を封印するために建てられた「霊魂の牢獄」ではなかったか?当時最高の知識人であった聖徳太子はなぜ、「和」こそが日本人の最高の原理としてあげたのか?など。

感想・レビュー・書評

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  • いゃ〜、面白かった。なぜ「わ」なのかというだけで、ここまで考察するのかと楽しめました。
    井沢さんの著作を読もうと思ったのは、ホリエモンとの対談をYouTubeで見たのがきっかけでした。その中で、徳川綱吉の生類憐れみの令に関しての間違った認識について語られていたのが激しく納得できて、こんな考察をする方の著作を読んでみたいと手に取りました。
    とりあえず、次々に読んでいきます。

  • どの巻も面白く出張のお供のような本。目からウロコ的なものからそういうことかと納得するものまで、多種多彩。日本は「和」教なり。

  • 自分の歴史認識を覆させられる本です。初めに戦国時代の織田信長の話から入るので楽しみやすい本になっています。

  • フォトリーディング
    歴史

  • 一人の作家が、通史を語る壮大な試み。
    全巻読み通したいかどうかを左右する、重要な一巻になる。

    七、八年前から読みはじめ、現在(H25年6月)15巻まで読み進めてる。

    この第一巻を読み、日本人の精神構造は、ほとんど変わってないと再認識した。

    基本的には、著者の主張には説得力がある。だだし、いろんな見方、解釈があるのは忘れてはいけない。
    特に、古代に関しては、文献が少ないだけに、どうとでも言える。

    梅原氏の一連の作品を読んだ時の、知的興奮を覚えた。

  •  宮内庁が天皇陵の学術調査を拒み続けるのはなぜなのか。それは、天皇家のルーツが朝鮮半島南部にあることで、その証拠となる品が出土することを恐れているからなのだ。天皇家の朝鮮半島ルーツ説は、イギリスとフランス両国の成り立ちから検証しても不自然ではないらしい。問題はその事実を公にできないことなのではいことなのだ。いつの日にか真実はあかされ、朝鮮半島と日本の関係が良好なものになることを願わずにはいられない。

  • なかなか面白い読み物でした。  この本で書かれていることの真偽をとやかく言うほどの知識のない(ついでに言うと古文書に親しんだ経験もない)KiKi には、この本の説を鵜呑みにしていいのかどうかの判断まではつかなかったけれど、子供時代から今に至るまで古代史を見た時に感じたいくつかの「?」に対する1つの見解とか、手前勝手に膨らませていた個人的な妄想と合致するような説が書かれていたという意味では、「ああ、やっぱりこういうことを考える人がいたんだ!」と何となく嬉しくなるような読み物でもありました。

    全編にくどいほど出てくる学会批判にはちょっと辟易としたけれど、歴史を暗記物・知識として学んできた KiKi にとっては、学問とは一線を画した歴史との向き合い方・・・・という意味でも楽しむことができた本だったと思います。  特に古代史においては KiKi が学生時代に学んだ古代史と現在の学校教育でなされている古代史には少なからず違いがあることを知っているだけに、教科書を金科玉条の如く覚えようとしていた(仮に何らかの疑問を持ったとしてもさほど深追いせずに「事実はそうだった」と鵜呑みにしようとしていた)自らの姿勢を問い直すという意味でも、なかなか興味深い読書体験だったと感じました。





    古代日本に既に「怨霊信仰」があったかどうかはこの本だけでは判断がつかなかったけれど、古事記に書かれている「国譲り神話」にはどことなく胡散臭いもの(要するにそんなに平和裏に事が済んだとは思えない)を感じていたうえに、出雲大社でオオクニヌシノミコトが礼拝者にそっぽを向いているということを聞き知った時に「何でだろう??」と疑問に思ったことはあったので、出雲大社がオオクニヌシノミコトを封じ込めるための社殿だったというくだりは、少なくとも神道には無知な KiKi にとってはなかなか説得力のあるお話でした。

    又、聖徳太子の十七条憲法の第一条に書かれている「和を以って貴しとなす。」に関しては KiKi は昔からこの言葉に込められた太子の想いが誤解されているように感じていたんだけど、そしてその誤解に近い認識を著者の井沢氏も持っている(もしくはその誤解が一般化していることを前提にこの論説が書かれている)ような印象を持ったけれど、それでも敬虔な仏教信者であったはずの聖徳太子が、第一条と第十七条にこれに関する言葉を書いているのは何故か?(要は「仏法を重んじよ」ではないのは何故か?)には疑問を感じていたので、「ふむふむ、なるほど・・・・・」とそれなりに興味深く読むことができました。

    KiKi 自身はこの「和を以って尊しとなす」というのは「とにかくカドを立てないで(≒争いは排し)仲良くするのが一番大切」というような意味に捉えられがちだと思うけれど、実はそうではなくて、「人間というものはえてして自分の意見を通すために現代的に言うところの「派閥 or 党派」のようなものを作りやすく、そこには「個人の主張」のみならず「派閥の論理」のようなものが入り込みやすい。  そうなると、建設的な議論は望めなくなり他との対立がますます複雑になってしまう。  完全無欠な人間はおらず、不完全な者同士がそれぞれの立場で公平な話し合いを持ち、相手の言論にも耳を傾けながら問題解決を図ろうと努力すれば、そこで得られた合意はおのづから道理にかない、何でも成しとげられる」というような意味合いだろうと解釈しているんですよね。

    そしてもう一つ面白かったのは、卑弥呼の失墜の原因は「皆既日食」だったのではないか?というくだりです。  つい先日、金環日食を経験し、宇宙の神秘を机上の知識ではなく実体験として堪能した直後だっただけに、原始的な太陽神信仰が篤かった時代に「皆既日食」なんていう滅多にない経験をすれば、当時の人々がそれ即ち「呪力の減退」という結論を導いてしまうというのはさもありなん・・・・・・と感じられました。

    いずれにしろ、このての本は「正しい知識を得よう」として読むべき本ではなく、「こういう考え方はどうよ?」と提示されたものに対して、自分なりにあれこれ考えてみる・・・・・というスタンスで読むべき本なんだろうなぁ・・・・・と。  そして、とりわけそこに深い探求心を芽生えさせ、根気強く文献・遺跡と真摯に向き合う根性を養った人が学者になっていく・・・・・そういうきっかけになる本なんだろうなぁと感じました。

    (全文はブログにて)

  • http://sgk.me/fVPNOO 日本史の常識を覆す大胆な推理!
    人間が人間として生きていた時代を今に甦らせるために今必要なことは人々の自由な発想、想像力であると著者は言います。

  • 教科書ではわからない日本史の空白部分に迫る。
    封印された『倭』の謎』を紐解く。

  • 改めて日本の歴史を学びたいと思いました。
    学ぶ事は考える事、想像する事。
    まだまだ知らない日本がありそうでワクワクさせてくれました。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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