逆説の日本史8 中世混沌編(小学館文庫): 室町文化と一揆の謎 (小学館文庫 い 1-8)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094020083

作品紹介・あらすじ

室町時代といえば足利尊氏が南北朝の混乱期を経て武家政権を確立した1336年から織田信長によって将軍足利義昭が追放された1573年までの間を指すが、本書は“天皇になろうとした将軍”足利義満の権勢の後、室町幕府の弱体化が進行する過程に焦点を絞り、来るべき群雄割拠の時代の予兆を詳述する。“無政府状態”と化した時代―下克上の世になぜ、宗教の力が全国に及び、日本歴史上有数の禅宗文化が花開いたか、その謎に迫る痛快日本史、必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 今回の出張でも、例に漏れず出張のお供「逆説の日本史」を読んだ。
    あまり人気のない時代の室町時代、さらにマイナーな足利義政が中心の巻だったが、目に鱗の話が目白押しだった。
    懶惰の帝王義政と妻日野富子の関係性の面白さ。
    将棋、折り紙、風呂敷、花道、茶道など室町時代を起源とする驚き。
    勉強になりました。

  • ①③足利尊氏と後醍醐天皇との争い、南北朝に日本が分かれていく過程を書いていたような・・・
    ②太平記から①③の内容+筆者の主張の補完のイメージ
    ④足利義満について、天皇になろうとした将軍という視点で書かれていて、面白かった
    ⑤足利義教=魔王として君臨した独裁政権のパイオニア、織田信長の先輩としての視点でこれも興味深かった

  •  応仁の乱は東軍と西軍が入り乱れていて解りづらい。本書に接して理解が進んだ。
     山城国一揆と加賀の一向一揆についても勉強になった。
     「将棋、この日本文化の最高峰」は一将棋ファンとして嬉しく読んだ。

  • 本巻では、応仁の乱から山城の国一揆および加賀の一向一揆までの歴史と、能を中心とする室町文化について説明がなされています。

    本書のような読みやすい日本史の解説本のばあい、無責任極まる室町幕府八代将軍の足利義政と、恐妻の日野富子というキャラクターに焦点があたってしまいますが、本書では政治的混乱を生み出した背景についてもかなり立ち入ってていねいに説明がなされており、興味深く読みました。

    将棋をモノポリーにたとえるなど、著者の連想が大きく飛躍しているように感じられるところもありますが、それも含めてこのシリーズのおもしろさなのではないかと思います。

  • 独自の歴史観が面白い

  • 日本史を授業とは別の視点から読み解くシリーズ第八弾。 今回は、室町時代の終焉から戦国時代への突入まで。 足利義政が将軍になるところから始まるわけだけど、なんせ似たような名前や読みづらい名前が多いので訳がわからん。誰が誰の子供で誰とどういう関係なのかが、油断すると頭に入ってこない。 でもまあ要約すると、政府の責任者(この時代だと将軍(家)ね)が責任を取らず逃げ回っている、約束を守らない(どっかで聞いたような)、私腹を肥やす等からモラルが下がり、それならと言うことで各地の守護が勝手なことを始め、戦国時代へと突入していくと言う話。応仁の乱もこの時期だけど、これも将軍が約束を守らなかった事による跡目争いが発端。 それはそれとして、今の日本文化と言われる部分の原型ができた時代だったよう。

  • 這裡提到淨土真宗的佛光寺和專修寺派之前極度隆盛,而本願寺派快倒店(因為忠實實行親鸞教義),在天才蓮如的手下才又復甦的故事,讓人不禁感嘆,樣宣傳和布教的需求,加上人性,讓宗教永遠無法純化,偶像、教主崇拜、布教手法比艱澀(或極度簡單)的教義更容易吸引人。

    山城一揆和一向一揆的部分也饒富興味。而這個時代的土地制度異常混亂,同一塊土地可能有律令制,又有公家的莊園和管理者,又有武家的莊園和管理者亂入。作者提到關所的問題,座(特權商人)的專賣獨佔制度與關所是息息相關的獨佔特權一環,而因為莊園被武士搶奪之後寺院竟開始亂立新關所,讓經濟停滯問題更嚴重。座也跟寺社息息相關,像大山崎離宮八幡宮的神人就等於是僧兵一樣,而當時大市場都是寺社的門前町,販賣都必須交保護費,更強化獨佔(例如想自己私下偷製油賣油,可能被關所成本榨乾,也可能根本擺不了攤就被僧兵神人修理了)。這些問題都是被信長徹底解決的,信長的樂座讓商品可以自由製作販賣,廢除關所讓樂座才有意義,另外他所造的城下町及樂市將人口聚集,終於形成可與門前町匹敵的都市。從這個角度看來他真的是一個巨人般的存在(寺社越研究就越覺得這種能夠打趴這些人的只有大魔王了)。不過作者也提到,本能寺之變光秀一路暢通回頭攻擊也是因為關所徹底廢除的關係,所以他認為德川看到這個借鏡才又恢復設置,大井川也不架橋。

    雖然政治上亂成一團,但是這本書提醒我們,現在所有的文化幾乎都是室町時代發芽紮根。另外,能樂當然和怨靈思想脫不了關係,作者認為這是日本在戲劇這一塊極晚發達的原因,因為沒辦法演到怨靈悲劇這一塊(我覺得這只可能是其中一個原因,還是有點牽強),怕演入魂,平家物語之前也是給化外琵琶法師原則上是出世的人唱(出世的人可處理死亡相關的ケガレ,例如僧侶,以前的醫生→原則上是剃光頭),後來因能面本身提供了一種就像開關切換的作用,解決這個問題之後才開始發達。接著提到將棋,關於別人的駒捕獲之後可空降為己所用這點我本來也很難了解,作者指出這不是一種戰爭遊戲,比較像經濟大亨鯨吞蠶食對方資產的遊戲,稍微比較懂一點了;而這種沒有陣亡者的遊戲也是日本獨特思想下的產物。駒這種看似沒有節操的行為,確實跟室町戰國時代的武士們相同。

  • 第8巻は、室町時代、第8代足利義政から第9代義稙の追放まで。一向一揆と室町文化に紙面が割かれている。
    著者いわく、能(猿楽)の多くが「怨霊が主人公の劇」であり、怨霊鎮魂の儀式。仮面を付けて演じるのは、上演の間だけは怨霊が憑依し、終わったら憑依から脱する事ができるようにするため、とのこと。また、将棋における「駒の再使用」は日本人の大発明であり、死穢を嫌う日本人が戦争ゲームからマネーゲームへと変質させた結果。だから将棋は日本文化の象徴なのだとか。

  • 流し読みのため第4章のみ通読。能が怨霊との絶縁体として面を用いている、将棋は死穢の思想を反映した戦争ゲームではなく経済ゲームになっている、などなど。鋭い洞察が随所にみられる。筆者と読者の温度差を多少感じつつも歴史を振り返ることができる良書。

    第1章 「懶惰の帝王」足利義政編
    第2章 日野富子と傀儡政権編
    第3章 国一揆と一向一揆編
    第4章 室町文化の光と影編

  • 実は、このレビュー、読後ずいぶん立ってから書いてるのですが、この巻は印象が薄い。

    この時代に始まった文化への興味がないせいかもしれない。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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