千里眼トランス・オブ・ウォー 上 小学館文庫

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094037975

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  • 混乱のつづくイラクでまたしても発生した日本人人質事件。四名の人質のPTSDを考慮した政府は現地に臨床心理士を派遣。岬美由紀、二八歳。彼女が戦地に向かった理由は、その過去にあった…。自衛隊幹部候補生時代の想像を絶する訓練、そして女性自衛官初の戦闘機パイロットにー。その栄誉さえも捨て、臨床心理士に転向した彼女の信念が戦地へ向かわせたのだ。「信じて。戦争はかならず止められる」武装勢力の衝突の渦中で取り残された美由紀は、銃口を目の前にそう説くが。

  • 2015.07.05.読了

  •  イラクで発生した人質救出のため、外務省の役人・成瀬と共に派遣された岬美由紀。一応は人質四人のPTSDを慮って臨床心理士としての派遣であったが、美由紀が空自に身を置いていたことを考慮しての人選であったことは明らかだった。拉致したグループはアルカイダではなく、人質救出もうまくいきそうだったその時、予期せぬクルド人からの攻撃を受け、現場は一転、戦場へ。なんとか成瀬や4人の人質を逃がした美由紀であったが、その行動からただの臨床心理士ではなくスパイではないかと疑われ、逆にアル=ベベイルという部族に囚われてしまう。

     イラクの戦場での話だけでなく、今回は美由紀の自衛隊幹部候補生時代の話が大多数を占める。両親との別れや、救難ヘリパイロットを目指しての過酷な訓練やライバル達とのやりとりはとても読み応えがある。こんな女の世界も怖い・・・。「青い瞳とニュアージュ」の一ノ瀬恵梨香との繋がりも記載されているのだが、改訂が繰り返されているせいか、若干相違がみられる。確か「青い瞳とニュアージュ」を読むと、恵梨香の両親は心中したために恵梨香がトラウマを負っていることになっていたが、今作では美由紀の両親の自動車事故に巻き込まれて恵梨香の両親が死亡したため、恵梨香が不安定になり、美由紀がその住まいやカウンセリングに必要な費用などを責任を感じて負担する、となっている。ちなみに美由紀と恵梨香は顔を合わせてはいない。

  • イラクの日本人人質解放のため交渉に向かった美由紀が、一人イラクに残されるところから始まるお話。
    上巻の大半は、自衛隊時代の回想部分。両親の事故死から救難ヘリパイロットの試験まで。

    相変わらず一直線、思い込んだらどこまでも、の正義感たっぷりの美由紀。回想場面は臨場感があってボリューム的にも面白かった。

    が、武装勢力に戦争をなくすために心理士になった、と演説する辺りは唐突過ぎで現実感もないし、ちょっとなぁーと思わずにはいられない。

  • 戦いにおいては理性的であるべきである。

    実にすばらしい。

  •  展開が2転3転し、手に汗握ります。
     長いですが、飽きずに読めます。

  • イラクで囚われた岬美由紀、自身最大の危機
    元自衛官の臨床心理士・岬美由紀。人質救出に向かったイラクで、武装集団によって囚われる。戦いに駆り立てる心理「トランス・オブ・ウォー」を解き、争いを収めようとするが、極悪のオムカッスル刑務所に送られる。

  • <内容>
    混乱のつづくイラクでまたしても発生した日本人人質事件。四名の人質のPTSDを考慮した政府は現地に臨床心理士を派遣。岬美由紀、二八歳。彼女が戦地に向かった理由は、その過去にあった…。自衛隊幹部候補生時代の想像を絶する訓練、そして女性自衛官初の戦闘機パイロットに―。その栄誉さえも捨て、臨床心理士に転向した彼女の信念が戦地へ向かわせたのだ。「信じて。戦争はかならず止められる」武装勢力の衝突の渦中で取り残された美由紀は、銃口を目の前にそう説くが。イラクの戦地を舞台に壮大なスケールで描く千里眼シリーズ最高のスペクタクル上巻。

  • イラクで囚われた岬美由紀、自身最大の危機
    元自衛官の臨床心理士・岬美由紀。人質救出に向かったイラクで、武装
    集団によって囚われる。戦いに駆り立てる心理「トランス・オブ・ウォー」
    を説き、争いを収めようとするが、極悪のオムカッスル刑務所に送られる。

    米軍と武装集団の狂気の戦闘を美由紀が救う
    誰のための戦いなのか。米軍F16とイラク武装集団との戦場を目指して、
    岬美由紀はたった独りで、旧式のプロペラ機で飛び立つ。この臨床心理士
    はいかにして狂気のトランス状態から兵士たちを救い出そうというのか。

  • まあまあおもろい

  • 前作(ヘーメラーの千里眼)にて世界戦デビューしたヒロインが、今回はイラク戦争のまっただ中に登場というか、取り残されるところから始まりました。<BR>
    前作では防衛大学校時代の回想部分が多くありましたが、今回も自衛隊の訓練生時代の回想シーンに、本上巻の半分以上を使ってくれてしまいまして、イラクはどうなったんじゃー?という感じで読むことになりました。<BR>
    いつもタイトルの意味が終盤にならないとわからないのが、今回はこの上巻の中で早くも2度ほど出てきて、なんとなく解ったのではあるんですが、どう落とし前をつけてくれるのか、想像もつきません。<BR>
    2005/11/29

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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