日本国憲法・検証 1945‐2000資料と論点 (第5巻) (小学館文庫)

  • 小学館 (2000年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784094045352

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  • 2000年刊行。著者は獨協大学法学部教授。現行憲法の制定史・問題点の開示、各種見解等を史料を踏まえ検討していくシリーズ。全7巻中の第5巻。◆本巻は9条、自衛隊論である。流石にこの問題は他書にも多く、内容が被る点も見受けられる。ただ、史料を全文掲載する等、本シリーズの特徴は具備。また、どちらかというと、9条護憲派に対して、法文の問題点や世界の現実と向き合いつつも、その上で維持する意味と同条の持つ過去と未来への意義を強固にする必要、議論の進化と精緻化を強く求める内容(出来なきゃ改憲になるかも)と感じた。
    ◆本巻の直接の感想とは離れるが、本シリーズは憲法の各問題点につき、成立過程から現在までの問題点を誠実に丁寧に史料引用を多めに展開してきたものである。他方、昨今、憲法問題や改正論が喧しいが、ここまで丁寧に史料解析や問題点を指摘する一般向けの書は殆どない。そもそも憲法の議論は極めて多岐に亘り、ただ9条だけを論じた書の如何に浅薄たるを、問題意識を有する者に突きつけるのが、全7巻の本シリーズと言えよう(不誠実なアジテーターは論外)。10年以上前というデメリットを割り引いても、今読んで色褪せないと言えようか。
    ◆太平洋各国(特に本書では豪・比)と米国との、冷戦下における二国間軍事同盟の内実。冷戦ではなく熱戦であった戦後アジア地域。この二点から対日講和あるいは講和以後の賠償金放棄政策を止むを得ず採用した現実。その不即不離としての対日不信。独に物言えた欧州周辺国(仏・英を軸に)に対して独の取ってきた態度。物言えなかった日周辺国。◆「押しつけ?論」につき、詳述された改正過程(政治的妥協と換言可)と、制憲議会の意義、独立後に議論可能な改正が国会審議すらならなかった事実には注意。

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著者プロフィール

古関 彰一(こせき・しょういち):1943年東京生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。専門は憲法史。獨協大学名誉教授。和光大学教授、獨協大学教授、和光大学理事長を歴任した。日本国憲法がGHQによる、いわゆる「押し付け憲法」ではないことを明らかにした『新憲法の誕生』(第七回吉野作造賞)や、ちくま新書『平和憲法の深層』のほか『「平和国家」日本の再検討』『安全保障とは何か――国家から人間へ』『憲法九条はなぜ制定されたか』『日本国憲法の誕生』(以上、岩波書店)、『対米追従の構造』(みすず書房)、『集団的自衛権と安全保障』(共著、岩波新書)など著書多数。

「2025年 『虚構の日米安保』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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