新ゴーマニズム宣言 (10) (小学館文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094051506

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  • 「台湾論」の補足本。台湾論を読んでいないのでなんとも。

  • 今までの『ゴー宣』はオウム真理教との闘争、薬害エイズ問題、新しい教科書をつくる会の話と、小林氏が当時、仕事の中心となっていたものについて触れてはいたものの、それだけが一冊を占める事はなかった。マンガであるから娯楽性も含めたお気楽な話もあったのだが、今回は新しい歴史教科書が教科書検定に合格するまでの騒動と当時小林氏が出版した『ゴー宣』の別冊版『台湾論』についてのみ語られている。

    日本政府との軋轢や相変わらずの朝日新聞との犬猿の仲ぶりを全話に渡って開陳しており、同じ事の繰り返しも目に付き、いささか疲れた。しかし、『台湾論』が起こした国際的な騒動はすごく、特に「小林よしのり、台湾の入国禁止」のニュースは驚いた。ここまでグローバルな存在になったのかとただ恐れ入った。

    台湾の政治家や国民運動まで起こして小林氏の入国禁止を解いた、かの国のヴァイタリティーにひたすら感銘。国が小さい分、小回りが利く部分もあると思うが、国民達が一人の漫画家のために世の中を動かすのは今の日本では到底考えられない事。
    今の日本人は物事の本質を見極めることなく、「面白そうだから」、「カッコイイから」、「みんなやっているから」という浅薄な動機でしか活動しない。だから熱しやすく冷めやすくて継続的な活動に繋がらないのだ(この頃流行っていたホワイトバンド活動もこの例に洩れず、本来の目的を達成せずに廃れてしまった)。

    中国の政治的圧力は最近のこのシリーズを読むにつけ、嫌気がさす。台湾人がNoといえば色んな画策が小手先の浅智恵までに留まっている例を観て日本政府も中国との外交に強気に臨めないのか?
    中国のマーケットは確かにすごいが半年前の日本人に対する悪意ある行動は大いに批判していいはずだった。小林氏が作中で述べているように、中国はこちらが弱気でいればどこまででも増長し、課題要求を突きつけていくだろうから、強気に対処すれば絶対に引くと思う。ただの狼の皮をかぶった羊なのだ。

    あと中国・韓国が第2次世界大戦の傷痕を未だに日本にネチネチと云っているのに対し、日本が敗けた相手アメリカに対して、あの戦争に対して何も非難をしていない事に今回気付かされた。
    これは日本人の切換えの良さなのか、それとも単なる日和見主義であるが故なのか。素直に喜ぶべきか失望すべきか、迷うところだ。

    しかし、今回は小林よしのりという一漫画家に対して、台湾の国民ならびに政治家や活動家が一致団結したという事実が本当にびっくりした。
    この事実を知れば、何が国際的に大事なのか解るような気がするのだが、政治家諸君。

著者プロフィール

1953年8月31日生まれ。1975年、福岡大学在学中に初めて描いた漫画『東大一直線』が赤塚賞の最終候補で落選するが、雑誌に掲載され、大ヒットとなる。『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など話題作多数。
●主な著書
『新ゴーマニズム宣言10』(2001、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special 台湾論』(2000、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special「個と公」論』(2000、幻冬舎)、『ゴーマニズム宣言9』(2000、幻冬舎)、『朝日新聞の正義』(共著、1999、小学館)、『自虐でやんす。』(1999、幻冬舎)、『国家と戦争』(共著、1999、飛鳥新社)、『子どもは待ってる! 親の出番』(共著、1999、黙出版)、『ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル』(1998、幻冬舎)、『 知のハルマゲドン』(共著、1998、幻冬舎)、『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論』(共著、径書房)、『教科書が教えかねない自虐』(共著、1997、ぶんか社)、『小林よしのりのゴーマンガ大事典』(1997、幻冬舎)、『小林よしのりの異常天才図鑑』(1997、幻冬舎)

「1997年 『ゴーマニスト大パーティー3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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