チャイナリスク ある邦銀の挑戦 (小学館文庫)

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  • 小学館
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本棚登録 : 26
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094054934

作品紹介・あらすじ

四〇年前ロンドンから一人の銀行マンが香港に降り立った。「香港支店を開設せよ!」。ここから中国進出の足がかりを得た三和銀行(のちのUFJ銀行)は、その後、さまざまな障壁を乗り越えて、北京、上海をはじめ、中国本土各地での事業展開に成功する。なぜ彼らは「中国に強い、が強み」と胸を張れるようになったのか?十年にわたり、香港、深〓(せん)、広州、北京、上海へ現地取材を繰り返し、二百人近い関係者へのインタビューを敢行した著者渾身のビジネス・ノンフィクション。中国ビジネス成功への鍵がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 反日抗議活動が起こった2005年までの間を、人間が成長するような物語として描き切る。小説というより、ノンフィクションの形式とも言える。
    国交回復以前に、中国をターゲットとした先見性は、評価できる。
    そして、そこに関わった人々を物語とする。
    何故、香港であり、何故、中国なのか?
    銀行業務は、預金と貸付という単純なものではない。
    同時に、香港や中国では、貸し付ける先が、信用調査をきちんと
    することも不可能で、信用調査はその経営者を見抜くしかないのである。
    決済を元ですると言っても、評価がしにくい。
    周恩来は、円元決済を打診してきた。その時に、三和銀行は、必死となって取り組むことになるが、その手柄は東京銀行に取られることに。
    幾つかの事例の中で、香港や中国でのビジネスの基本的な考え方が、
    明らかになる。とりわけ、現地化というテーマが興味ふかかった。
    丁寧な取材の上に成り立っているが、銀行の暗部は浮かび上がらない。
    三和銀行物語 だからだ。
    銀行自体が、コンサルティング業務をせざるをえない。進出に手助け、マッチング業務など、様々なことが要求される。
    それは、中国の法令がめまぐるしく変化して行くゆえに、
    それを遵守するコンプライアンスが必要とされる。そういうポジションに銀行がある。

  • 今は無き三和銀行が香港/中国市場に対しどのようにアプローチしていったかという企業戦略を時系列にまとめたもの。立石さん、読み物として面白くまとめよう、というサービス精神が旺盛な方らしくどの本を読んでも面白いが(特にホンダの話は秀逸だった。)これもなかなか良くできてる。取材を真面目にやってないとこういう本は出来ない。ただ中国市場に関しては、日本の銀行が不良債権処理でもたついているうちにどんどん変わっていき、ここに書かれていることが既に過去のものとなってしまっているわけで、いや、改めて時代の移り変りを感じ。どちらかというと政府主導で合併してメガバンクになったわけだけど、この先どうなるんでしょうね。

  • 旧三和銀行の中国事業展開に基づく小説。中国でビジネスを展開する際の苦悩などがうかがい知れて面白かった。
    以下、著書より・・・

    −社会的な影響力を持つ企業に成長したからこそポストが与えられているのだが、それはあくまで形式的なものに過ぎない。それを実のあるものにする、つまり、メンバーの一員としての責務を果たすには責任者が会議に出てきて自らの意見を述べることが肝要なのである。それが、本当の意味で、コミュニティに参加する第一歩なのである。

    −インドネシアにジョグジャカルタという場所があります。そこには、「創造、破壊、平和」の神様が3つ祭ってあって、どの神佐奈が一番えらいかといえば破壊なんだそうです、これは厳しい考えですけれども、創造も平和も破壊がなければ生まれないんだとか。
    ・・・過去にとらわれない新しいステージで、あるいは逆境が活力になるということは確かにあると思っています。

  • 10年にわたり、香港、広州、北京、上海
    ・・・へ現地取材を繰り返し200人近い
    関係者へのインタビューを敢行したビジネス・ノンフィクション。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家、ジャーナリスト
 1950年、福岡県北九州市生まれ。中央大学大学院法学研究科修士課程修了。経済誌編集者や週刊誌記者を経て、1988年独立。
 92年に『覇者の誤算─日米コンピュータ戦争の40年』(日本経済新聞社)で第15回講談社ノンフィクション賞を、2000年に『魔術師─三原脩を西鉄ライオンズ』(文藝春秋)で99年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞する。
 著書に、『ソニーと松下』(講談社)、『さよなら! 僕らのソニー』(文春新書)など多数。

「2017年 『日本企業が社員に「希望」を与えた時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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