神様のカルテ (3) (小学館文庫 な 13-3)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060188

感想・レビュー・書評

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  • 夏川草介のペンネームが面白い。
    夏は夏目漱石、川は川端康成、介は芥川龍之介で、草は漱石の「草枕」からだそうですね。医師であり小説家でもある。

    ※(本文から抜粋)
     利便とは時間を測定する働きであり、風情とは時間の測定を辞める働きである。
     両者の両立はできぬ以上、どこかでバランスをとらなければならないのに、利便にばかり突き進むのが今の世の中だ。いずれこの世は物差しばかりが敷き詰められた、まことに四角い世界へと変ずることであろう。
    ※(抜粋終り)
     この小説は、解答を出すためにあるのではないと思う。
    問題を投げかけ、読者に問うているのでしょう。
    その前提条件は、人生には解答がなく、それでも何かを選ばなければ、すべてが始まらないと云うことです。深いですね。

  • やっと3読んだよ-。
    一部完結ってことでイチさんはここからまた新たなステージへって感じですかね。
    砂山先生と進藤先生と栗原先生の旧友トリオの絡み(というかホモ関係の噂のある2人の絡み)が地味に好きだったので次からは減るのかと思うと寂しいですけども。

    あ!小幡先生なんか嫌な人だなって思ったけど、後半で好きになった!かっこいい女医さんです。
    実写化されたら誰がやるのだろうか。

    あ…あとジャン・クリストフ読みたくなった。難しそうだけど。

  • 1、2と時間が空いたので登場人物がこんがらがってた。人や地名の読みも。あと自分が読書するときに脳内で動いているのは過去のアニメキャラの面影があることに今更気付く。
    正、一止。イチト。すてきな名前。七つの海のティコのトーマスの父親が近い。もうちょっと愛嬌あるかな。ぼやぼや。
    御嶽荘(おんたけそう)。
    外科医の砂山次郎。明るい。水無さんと。
    進藤辰也。蕎麦屋。夏菜。2から。

    外村(とむら)さん。耳をすませばの保健の先生。

    学士殿と屋久杉君も混じってた。
    男爵はルネサンスの大きい方笑。

    ハルって名前の人に悪い人はいないな!
    榛名姫、ハルグローリー、鈴木さんの春くん。
    ===========
    章ごとに患者の事情だったり、章を跨いで同僚の過去だったりが明るみになって(ミステリ的に言えば伏線が回収されていって)、読んでいて驚きや納得、楽しさがあるんだけど、それによって、時間をかけて人ってだんだんと見えてくる、わかってくるんだよなあという現実の感覚が思われる。
    新しい出会いの中での刺激と、ハルや御嶽荘の住人、同僚の安定した癒しとで生まれる神経の伸縮が味になっててまた好き。特にハル!ステキな言葉の掛け合い。私も、頭をひねらずとも自然に出てくる素直な言葉が、ハルの言葉みたいに誠実で的確で心を温められるものだったらいいのに。

  • 久しぶりに神様のカルテ。1、2巻からずいぶん間があいてしまったけど、すんなり栗原ワールドへ。
    物語全体に、人生を前に進むための応援メッセージがちりばめられていて、元気づけられました。
    「あせってはいけません。ただ、牛のように、図々しく進んで行くのが大事です」

  • 久しぶりの続編で前読んだときの印象あんまり覚えてなくって、嵐の桜井君と、宮崎あおいの印象が頭に刷り込まれてて困った。映画観てないのに何故?今回はファンタジー色がほとんどなくなって医療エンタテイメントの要素が強くなったように思う。白い巨塔のようにBGMもない緊迫したシーンが結構あった。ストーリー展開や登場人物の挙動がすごく丁寧でロジカル。うるっとくるとこもあるし、よくできた物語と思う。

  • 心地良い読後感。日本的な表現の多様さを軽やかに愉しめる。それぞれの理想像を真っ直ぐに追い求めている人々のそれぞれに胸を打たれる。

  • 3も期待通り!良いお話です。
    医者って大変なんだけど、医療の現場って過酷なんだけど、主人公の感性と素敵すぎる夫婦の描写、もう色々と好きな作品!

    • 夏岡漱佑さん
      神様のカルテ4は、出ると思いますか?
      神様のカルテ4は、出ると思いますか?
      2014/05/21
    • mattuusanさん
      出るかな~っと思います。 期待したいです!
      出るかな~っと思います。 期待したいです!
      2014/08/10
  • 医者にとって1番大切な事は 続けること。
    栗原先生が医者として頑張れるのは細君の暖かく細かな支えがあるからこそなんだろなと感じました。
    このシリーズの中で3が1番好きな作品

  • みんな自分の仕事に対して真摯に向き合っている。
    その結果として家族や同僚、患者といった結果的には人と向かい合うことになる。
    そういう人だから信用できるのかもしれない。

  • シリーズ第三弾。過去の二作でも地域医療や救急医療、終末期医療などについて考えさせられたが、本作ではもっと根源的な「医療や医師のあり方」がつきつけられる。

    本条病院に新しく赴任してきた小幡医師は「生きることを舐めきっているような人に、時間を費やすつもりはない」とアル中患者などに対して最低限の診療しか行わない。また一方で「医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの。私はそういう覚悟で医者をやってるのよ」といい、多忙な診療をこなしながら学会に参加し、論文を執筆して最新の知識を維持し続けている。病院で働く身としてはこれらの小幡先生のセリフは耳が痛い。っていうか医療(特に日本の)は医者に限らずあらゆるスタッフが自分の時間を犠牲にしているからこそ質が保てているんだよな。そりゃ燃え尽きちゃう人も出てくるって。と愚痴めいたことも言いたくなる。

    後半は誤診問題。各種の検査をしても100%確定できるものばかりではない。医療行為には不確実性が必ず伴う。結果論で語ることはできない。作中では事務方や患者の孫が医師にくってかかる。一般の人にはこの辺のことがなかなか理解されないんだよな。結局患者本人が「手術は先生が手前勝手に押し進めたものじゃねえ。わしと先生と“二人で”決めたことだ」といい、問題は解決する。やはり医療の問題を回避・解決するためには信頼関係が重要。そして、これからの時代治療法の決定は医師主導ではなくなる。

    医療がテーマだけど、御岳荘の住人や細君のおかげもあって重苦しいばっかりではない。この雰囲気はさすが『神様のカルテ』シリーズ。『ジャン・クリストフ』もいつか読んでみたい。

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は10年に本屋大賞第2位となり、11年には映画化もされた。著書に『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』『新章 神様のカルテ』『本を守ろうとする猫の話』『始まりの木』『臨床の砦』『レッドゾーン』など。

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