天頂より少し下って (小学館文庫 か 11-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060638

感想・レビュー・書評

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  • 短編集だからこそ何やら突飛な造形の人物が多数登場するのだけれど、それを味わいきるにはやっぱり短編って字の通り短すぎる感じの一冊。

  • 何なんでしょうね、この感覚は。
    川上さんの作品と言えば、くまにさそわれて散歩に出る。…、で始まる『神様』が衝撃的で、川上さん自身が"うそばなし"と呼ぶ作品群が好きなのですが、これはもう少しリアルな話です。
    一言でいえば恋愛ものですがドロドロした感じがなく、何処かつかみどころが無い、フワフワした感じがやや"うそばなし"に通じる所があります。
    トゲのない柔らかな言葉で綴られ、ユルユルと進む物語。
    気持ちよく川上ワールドに浸っていました。

  • 最初の二篇を読んで、
    少し間を置いて、読み終えました
    ちょっと入りにくかったというか
    感情がついていけなかった
    というのが正直な気持ち
    でも、昨日、今日と読んでいると
    少し変わっている人たちの
    素直すぎる感情が
    スルスルと心の中に入ってきて
    あっという間に読み終えてしまった
    こういうのを川上マジックというのかな

  • 7つの短編集。『夜のドライブ』は情景がスッと浮かんでくるシチュエーション。いつか私も連れて行ってあげたい。

  • 色んな愛があって色んな恋がある。それはすべて日常のなかにある。純度の高い「切ない」を満喫した。

  • 著者の作品を読むといつも、気温が3℃ぐらいひんやり下がるような気持ちになる。現実には起こらなさそうな、でも読んでいて全く不思議な感じがせず、妙に現実感のある話。
    子供が産まれたせいか、「夜のドライブ」が一番印象的だった。いつか、娘の運転で遠出するような機会があるかな、と想像した。
    (2014.8)

  • 川上さんの紡ぐ言葉は、恋愛は、なんでこんなに魅力的なのか。飛び抜けて奇抜な設定や、お洒落に着飾っている感じはしないのに。
    なんてことない動作や言葉がなんとなく甘くて特別なシーンのように記憶に残るし、恋も、人も、少しだらしなくってもなぜか誠実で、ぱりっと清潔なかんじ。ここに収録された短編では、人と人との距離感もとても好きかも。くっつきすぎない、冷たすぎない、言葉や身体の距離。
    女の子同士のべたべたしない気軽な関係も好きだし、(「一実ちゃんのこと」「エイコちゃんのしっぽ」)母と子どもの、距離をとりつつあったかい感じも好き。(「夜のドライブ」「天頂より少し下って」)いちばん好きなのは「金と銀」で、気持ちの変化に気づいても一気に距離を詰めることのないふたり。

  • 表題作を読み始めたとき、そのタイトルの意味するところがじんわりと、
    まるで少し微温みはじめたプールの水のように、体の輪郭線をこえて沁み込んでくる気がしました。

    恋愛の初期にある有頂天は終わって、過去が背中を押しもし、後ろ髪を引きもする。

    絶頂ではないけれど、かと言って底辺でもない場所。

    これからまた上に行くのか、それとも下に行くのか。
    それはきっと、私次第だ。

  • 14/08/10読了
    恋愛短編小説七篇。とのことだが、全部恋愛モチーフだったのかな? 半数は違ったかと思うけれど、私の読み方なのか。。

    金と銀(はとこの治樹との話)、壁を登る(母綾子さんが連れてくる妙なもの、そして異母弟との生活)、夜のドライブ(母とのドライブ)がよかった。

  • なんかいいな。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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