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- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094060737
感想・レビュー・書評
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核廃絶を目指す人類の前に、二つの難題が立ちはだかる。一つは核被害者の多様化。もう一つはオバマがプラハ演説で触れた<核なき世界>の意味。一つ目の意味は、もはや被爆者は広島・長崎だけではないということ。湾岸戦争での劣化ウラン弾被害、チェルノブイリ原発事故といった、被曝者が多様化したことで、被害者目線で見た核への考え方も複雑化している。二つ目のオバマの<核なき世界>はその真意を巡って世界が大混乱させられている。「核廃絶」という言葉だけが独り歩きする前に我々は、こうした難題に対してしっかり議論し、考える必要がある。
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世界に於ける核の事態に迫るルポルタージュ。
我々日本人はアメリカの二度の原子力爆弾攻撃で地獄を味わい、さらにはアメリカ主導の原子力発電推進の結果、東日本大震災で福島第一原発事故という生き地獄の真っ只中に放り出された。
悪い核が原爆なら、良い核が原発であり、互いが表裏一体の双子の関係にあるという事実、湾岸戦争でアメリカが使用した劣化ウラン弾による被曝被害の事実、被曝国でありながら世界に原発を輸出し続ける日本…人類が技術的に核を完全にコントロール出来ていない中で、結果だけに執着し続けた結果が、今の事態を招いているように思う。
アメリカが隠蔽する劣化ウラン弾による被曝、日本が隠蔽し、後出しで公表する福島第一原発事故による放射能汚染の実態…どちらも同じであり、まるで麻薬使用者のように抜け出せない地獄は続く。