左京区恋月橋渡ル (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 273
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094061246

作品紹介・あらすじ

とびきりピュアでキュートな初恋純情小説!

毎朝六時半のラジオ体操ではじまり、「いただきます」の声を合図に、ほかほかの朝食が食堂のテーブルに並ぶ。京都の左京区の学生寮で四年間なじんだ生活は、山根が大学院生になった春からもつづいている。寮には、生物学科の安藤や電気電子工学科の寺田、たまに顔を出す数学科の龍彦も含め、趣味と研究を偏愛しすぎるゆかいな仲間ばかり。山根も例外ではない。工業化学科でエネルギーを研究しつつも、花火をはじめ何かが燃える様子を見ているだけで気持ちがたかぶり、「爆薬担当」とからかわれるほどだ。当然、異性のことなんて頭の片隅にもなかったのだが――。
糺の森を訪れたその日、突然の雷雨に浮かび上がる満開の山桜の向こうに、白いワンピースを着た女のひとがいた。ずぶ濡れになった山根は熱を出し、熱が下がってからもなにやら調子がおかしい。そして、龍彦のガールフレンドの花にたやすく言い当てられる。「山根くん、もしかして好きなひと、できた?」。花は言う、もう一度“姫”に会いたければ、下鴨神社に毎日参拝すべし――と。
葵祭や五山送り火、京都ならではの風物を背景に、不器用な理系男子のみずみずしい恋のときめきを愛おしく描いた長編、初恋純情小説の決定版!




【編集担当からのおすすめ情報】
好きになった相手の一挙一動に心が大きく揺さぶられ、頭のなかのすべてがそれで満たされたあのときの記憶。初めて恋をしてしまった主人公・山根のぎこちなさは、きっと誰もが身に覚えのある初恋の記憶と重なるはずです。ぜひ山根くんのまっすぐな恋に、あたたかなエールを送ってください!
*本作は、「ダカーポ最高の本!2010」で“女子読み恋愛小説”第1位に選出された『左京区七夕通東入ル』の姉妹編で、どちらの作品からでもお愉しみいただけます。

感想・レビュー・書評

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  • 知っている地名が出てくるので想像しながら読めた。

  • 工学部大学院生 理系男子の淡い初恋の物語。

    「人間も元素の集合体ですから、
    組み合わせ次第でなにかが起きるのは、
    ある意味、自然なのかもしれません」

    恋をしたときの
    しあわせな気持ちや緊張感、
    あーいいなと思いました。

    せつないけど、まるくおさまる
    後味すっきりでした。

  • この物語は、京都でなければ描けない。

    葵祭の斎王代に抱いた山根のはかなく切ない恋心も、歴史ある学生寮の取り壊し計画とその阻止のエピソードも、壮大な送り火も、賀茂川の花火も、この作品にはすべてがなくてはならないものになっている。

    積み重ねた歳月に磨かれることでしか生まれない光沢を纏う古都の美しさと気高さが、学問に埋もれる生き方を選ぶしかなく、そうすることでしか輝けない山根をやんわりと拒み、その背中を押す。

    このはんなり加減は、京都そのものだ。

    ラストシーンはこの切ない恋の終わりを飾るにふさわしく、山根にとっての何よりの救いだったと思う。

    古都の恋の終焉には、送り火がよく似合う。
    過ぎ去るものへの挽歌に、合掌。

  • 「左京区七夕通東入ル」の方が好きでこの本を買ったけど、やはり前作の方が好き。こちはちょっと切ない感じがする。恋愛脳になった山根くんは、あまり理系の気質が出してないことも自分的にはちょっと残念。そして送り火を生で観てみたい。

  • 前作より面白くなかった
    花と龍彦に会いたくて読んでる感じだった

  • 甘酸っぱさ120%のピュアな初恋物語。

    やっぱりこういうの、いいね。

  • 「左京区七夕通り~」姉妹編。七夕通り~で主人公花の恋をそれとなくサポートしてくれた山根が主人公。奥手で不器用な理系男子がある日であった姫に恋をして仲良くなろうと大奮闘。じれったくて応援したくなる不器用さ。でもそこが姫には良かったのかな。誠実さは伝わるもんね。姫には完璧な婚約者がいて、失恋しちゃったけど、とても大事な思い出にはなった。花と龍彦が変わらずラブラブなのもわかってよかった。

  • 森見登美彦作品の爽やかバージョンと表現したくなるような一冊です。
    理系男子が見せる屈折ぶりの愛らしさ、京都の四季や行事を瑞々しく描写する文章、作品全体に漂う優しい雰囲気など、とても素敵な作品でした。

    舞台は明らかに京都大学の寮をイメージしてありますが、すくなくとも私の現役時代はこんな平和な寮はなかったです。同じ大学の敷地内にあっても現代の魔窟・吉田寮とはかけ離れた雰囲気ですし。。。

  • 恐ろしいまでに、読んでいて気恥ずかしくなったり、胸がきゅんきゅんしたのである。
    恋愛と縁遠き主人公の悪戦苦闘、苦悩の模様はかつて経験した初恋その他における自分の悪戦苦闘、苦悩とよく似ており(というか、誰しも通る道ではないか)、なんとも主人公が愛おしく、また、楽しき友人たちをうらやましく思った。
    女性と初めてお茶したときの不安定な心の浮き沈みをジェットコースターに例えたところがあったが、まさしく私も昔そう感じたものだなあと、過去を思ったものである。
    そして、好きな人がいてあれこれ思い悩むことはしんどくとも、実に楽しいと感じさせられた。
    これからその戦場に赴く者、その戦いの最中の者、全てにおすすめである。

  • 書き出し枕草子だね!
    好きな子からの、現時点でいちばんの言葉(思い出をありがとう、のリピート!)と、好きかつ伝統の重みのある送り火の重なり合い、最高だね。

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著者プロフィール

瀧羽麻子(たきわ あさこ)
1981年兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞。著書に『株式会社ネバーラ北関東支社』『はれのち、ブーケ』『いろは匂へど』『左京区七夕通東入ル』『左京区恋月橋渡ル』『左京区桃栗坂上ル』『ぱりぱり』『松ノ内家の居候』『乗りかかった船』『ありえないほどうるさいオルゴール店』などがある。

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