鸚鵡楼の惨劇 (小学館文庫 ま 21-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094061611

作品紹介・あらすじ

”イヤミスの女王”の最も危険なサスペンス

1962年、西新宿。十二社の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」で惨殺事件が発生する。しかし、その記録は闇の中に葬られた。
時は流れて、バブル全盛の1991年。鸚鵡楼の跡地に建った超高級マンション「ベルヴェデーレ・パロット」でセレブライフを送る人気エッセイストの蜂塚沙保里は、強い恐怖にとらわれていた。「私は将来、息子に殺される」――それは、沙保里の人生唯一の”汚点”とも言える男の呪縛だった。
そして嵐の夜、セレブママたちが集うチャリティ・バザーの最中に、第二の惨劇が幕を開ける。
2013年まで半世紀にわたり、因縁の地で繰り返し起きる忌まわしき事件。その全貌が明らかになる時、かつてない驚愕と戦慄に襲われる!!
大ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』をはじめ、”イヤミスの女王”として女性を中心に熱狂的な支持を受ける著者が放った、最も危険なミステリー。



【編集担当からのおすすめ情報】
巻末解説は、女優の黒木瞳さん。『女ともだち』以来、真梨作品の熱烈なファンであるという黒木さんが感じた「底なし沼のように沈んでいく物語の、先にあるもの」とは――!? 必読です。

感想・レビュー・書評

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  • 西新宿の同じ地で、半世紀にわたり繰り返し起こる惨殺事件、その全貌が各視点で描かれ、やがて一つの真相へ繋がっていくミステリー。

    著者のブログエッセイからの連読。
    そのギャップたるや否や、わや。

    まともな登場人物が終始不在のまま、不快な描写も満載、救いもなく、途中でアレ、これ騙されてるぞと気づくも、結果ミスリードを暴けぬまま読了。完敗した。

    個人的には殺人鬼フジコの方が好みだったが、テレゴニーと言う興味深いワードが知れたことは、わたしにとって本作品の収穫となった。


    しかしながら、エッセイで血糖値について熱く語り、愛猫を愛でまくっていた真梨幸子は、ここには居なかった。

    このギャップたるや否や、わや。
    真梨幸子、恐ろしいお方。

  • ちょっと難しかったなぁ。
    もう一度、いつか、リベンジを。

  • 4に近い3。
    マジで惨劇だった…。後半に向けての伏線の回収、イヤミスっぷり、さすが真梨さん!
    終始R指定感があるので、こういう系は苦手な人もいるかも…です。特にマサキの自叙伝のところは知らない世界を知った気分。ああいうのを男性的視点で書けるのがすごいよな~と感心しつつ読んだ。
    めくる手止まらず…でも内容的に面白かったかと聞かれるとR気のインパクトが強く残るだけで、なんとも言えない。

  • 最後は好みな終わり方をしてくれましたが、全般的にツッコミどころがあまりに多い印象を受けました。
    いくらフィクションとはいえここまで非現実だと冷めてしまいます…(双眼鏡でそこまで見えるor見られてる事に気付くか?とか、覚えてるかどうかを確認する方法それ?とか…書いたらキリが無い)
    半分のP数を占める二章の冗長さも中々きつい…なんとか最後まで読みましたが、裏表紙の「驚愕と戦慄に襲われる」を見て期待しながら読んだため肩透かしを喰らいました。

  • テレゴニーがあり得たら処女を妻にもらった夫以外ほとんど絶望するでしょうね( ゚д゚)絶対ないって。
    最終的に捕まった犯人さんに同情するわー。河上と客達と覗き見して興奮してた男だけを殺してたらなんの問題も無かったのに(*_*)気の毒だわ。

  • 途中、随分鸚鵡楼から離れてしまって、題名が鸚鵡楼なのに大丈夫なのか?
    そこに持っていけるのか?と心配になってしまった(笑)
    が、その必要は無かったようだ。
    ちゃんとラストはそれまで放っておかれた伏線を回収してあり、一安心。

    真梨先生の作品は、もっともーっとドロっとイヤさが絡みついてくるところが魅力だが、この作品はそれほど絡みついてはこなかった。
    もっとお母さん友達との関係がドロドロしていたら面白かったかなぁ?とも思う。

    本全体の読み易さと言ったら流石で、物語の中にもすっかり入り込めるし、読み始めたらあっという間にラストまで引き込まれるように読了した。

  • 非常にサスペンスフルで、サイコミステリーぽい、真梨幸子さんらしいイヤミス。真梨幸子さんの作品の中でも3本の指に入る面白さではないだろうか。

    物語は1962年の西新宿の洋館・鸚鵡楼から始まる。鸚鵡楼で起きた惨殺事件…時代は移ろい、1991年。奇しくも鸚鵡楼の跡地に建つ高級マンションに暮らす、人気エッセイストの蟻塚沙保里…再び、起きる忌まわしい事件…2013年。いよいよ事件の全貌が明らかに…

    終始漂うなんとも言えない不快感と仕掛けられた罠に翻弄され、物語の世界にのめり込んで行く自分に気付く…そして、ラストの意外な真相に驚愕し、真梨幸子さんに畏敬の念を抱く自分が居る。

    • office4690さん
      いつも「いいね」ありがとうございます^^; おなじ真梨幸子ファンとしてことぶきジローさんの本棚をフォローさせていだだきました 今後ともよろし...
      いつも「いいね」ありがとうございます^^; おなじ真梨幸子ファンとしてことぶきジローさんの本棚をフォローさせていだだきました 今後ともよろしくお願いいたします
      2017/03/14
    • ことぶきジローさん
      文庫化された真梨幸子さんの作品は全て読んでいます。読後の何とも言えない感じがたまりません。自分もフォローさせて頂きます。宜しくお願いします。
      文庫化された真梨幸子さんの作品は全て読んでいます。読後の何とも言えない感じがたまりません。自分もフォローさせて頂きます。宜しくお願いします。
      2017/03/14
  • 1962年の惨殺事件に端を発する。1991年の高級マンションでの諍い。そして2013年まで、半世紀にわたって繰り返される忌まわしき事件!この文言だけで…理解できるかなぁ…と、心が折れそうになる。しかしながらいざ読み始めてみると、ページを捲る手が止まらない。あの時のあの人がこの人で…と、真梨さんにしては分かり易いと言ってもいいぐらいの人間関係。そして腑に落ちた。まぁ内容はもちろんイヤミスの女王の肩書は伊達ではない。さすが真梨さん、期待通りの嫌らしい面白さだった。鸚鵡って80年も生きることもあるんだ。解説が黒木瞳さんだった。

  • 「鸚鵡!」と思って読みました。そんなに鸚鵡でもなかったけど、鸚鵡は長生きするんだなぁ。。。Androidだと鸚鵡は一文字ずつ変換しないといけないの謎だ。
    真梨幸子作品はつくづくイヤミスだと思う。人の気持ちに鈍感ゆえに人を傷付けてることに気付かない人ばかりなのが、嫌な気持ちになります。
    50年間も何かしら殺人事件起きると、土地自体の因果因縁もありそう。花街はそれでなくても人の業や念が溜まると思う。元赤線の所で思い当たるとこある…けれどそっちはオカルト系だからちょっと違うか。。
    一章の「こうちゃん」はその後の二章でてっきり河上航一なんだろうと思っていたら、違う人だった。こうちゃんは犯罪者になってないのか…河上航一が関係しているのは鉢塚沙保里の過去だけ。なんというミスリード…わたしにとっては。。

    黒木瞳さんの解説、ぐっときました。失礼だけれど好きな女優さんではなかったし解説の言葉遣いに古さを感じたりもしたけれど(でもwwwも使ってある…)、「美しいものばかりを愛でていたら、本物の美しさを見失うこともあります」と、「自分のものさしでは〜」から始まる一段がとても良かった。
    真梨幸子さんを愛読してるファンということで黒木さんのイメージ変わりました。かと言って好んで観る程ではないのに変わりはない。「犬神家の一族」で松子されてるのは観てみるかなぁ。好きな金田一耕助は石坂浩二・長谷川博己・古谷一行なので金田一役が好みじゃないけどがんばろう。。

  • 真梨幸子さんは2冊目。何となく壮絶だろうなと覚悟して読む。性的異常者多数登場したが、エロもグロも描写がしつこくなく意外にさらっと読めた。ただ、どんでん返しに無理があった気がする。コウちゃんにミズキか…カタカナって先入観入るよな。それにしても、一番の被害者は駿だよな。

  • 時代を超えて因縁の地…鸚鵡楼とその跡地で起きる殺人事件。
    冒頭のエピソードはどこに繋がるのかと思っていたら、「そうきたか!」というところへと繋がっていた。
    設定など多少違和感を感じるところもあったけれど、女性の陰湿さや愚かさ、くだらないことにこだわる歪んだ執着心や方向性の間違ったプライドなど、女性の嫌な面を描かせたらさすがに上手い。
    もっとも理解しづらかったのは沙保里の精神状態だ。
    いくら過去の男がトラウマになっているからといって、あれほど実の息子を愛せないものだろうか。
    妄想もあそこまでいくともはや病気の域だと思う。
    それとも、沙保里は潜在的に精神的な何かを患っているという設定だったのだろうか。
    読み取れなかったのは読む側であるこちらの責任かもしれないけれど…。
    残念だったのはこれはミスリードだな、と途中で気づいてしまったこと。
    事件の鍵を握る重要な人物が唐突に登場したこと。
    過激な描写が一部にあるので、ある程度年齢がいっていないと読みづらい箇所があること。
    鸚鵡楼という名称のインパクトが強かった。
    物語の展開には直接関係してはいないけれど、鸚鵡の使い方がうまいなと感じた。

  • ――

     ホラー、ミステリ、サスペンスにとって死は血であり、性は肉であると。


     友人と話題にしたので再読。再読でもこんなに面白いなんてまじで…
     グロテスクなエンタメ。1962年の西新宿、なんて如何にもな舞台からはじまる物語はそこから半世紀、根深く渦巻く呪怨のような情念に支配され…ってこれはもう騙しに掛かっているかしら。
     前提として、とてもよくできたミステリ。モチーフはどろどろに重い性愛なのだけれど、ずっしりと腹にくるそのテーマをこんなふうに読ませるのは技量。終盤、ジェットコースターみたいにすべての伏線やミスリードが回収されていく、その間は快感で、真梨幸子素人のわたしなんかは意外と希望的なエンディングを迎えるんじゃないかと思ってしまったんだけれどまさか、まさかでした。
     奇妙な感想なのかもしれないけれど、痛快。

     また読みます。☆4.4

  • 犯人の意外性があるのは良かったが、ちょっとご都合主義っぽいサスペンスかなー
    ボーダーを維持するために3です。

  • ラストは文庫版より、最初の方がよかった

  • ★3.5
    4/5までめちゃめちゃおもしろく、止まらない。
    ロジックには引っかかったけど、ラストはものたりない。
    イヤミス感は優しめで胸糞は悪くない。

  • 様々な伏線が最後に繋がります。そうだよなと思わさせられました。途中で嫌な気分なる、まさにイヤミス感満載の作品でした。

  • 西新宿十二社の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」で1962年に起きた悲劇。その洋館跡に建つマンションに暮らすセレブママエッセイストの沙保里は第二子を妊娠しているが、長男に恐怖を感じている…。時代を超える因縁。伏線がキレイにおさまった。スッキリ悪い読後感。

  • 2013年に刊行された単行本を、加筆・改稿して2015年に文庫化したもの。
    真梨幸子にはイヤミスを期待してしまいますが、イヤ度数が低めな作品だと思いましたね。途中、ママ友同士の人間関係だけイヤ度数が高かったですけど。割と普通のミステリーとして読めましたよ。
    プロローグ的な1962年、事件が起こる1991年、事件解決のヒント編2006年、事件解決編2013年、と、各時代を描くのは大河小説的ですが、デ=パルマの『悪魔のシスター』、ポランスキーの『ローズマリーの赤ちゃん』を思い出させながらも疾走する物語は、大河というより激流。流れに任せて読んでいた自分は、序盤で張られていた伏線に完全に気付かず、クライマックスの謎解きに慌てて序盤のページをめくり直しました。叙述トリックとも言えない強引なトリックでしたが、その仕掛けには騙される快感がありましたよ。

  • 真梨幸子さんらしい不思議なちょっと怖い話だった。

  • 1962年の鸚鵡楼で起こった惨殺事件から、1991年に跡地に建設された高級マンションでの事件。その後2013年には関係者が集まり真実が明かされていく。
    後味は悪いけど、今回は名前に関するトリック?のようなものがあり、すっかり騙された感じ。
    でも、やっぱり真梨さんのイヤミスは止められない。

    2018.1.11

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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