鴨川食堂 (小学館文庫 か 38-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094061703

作品紹介・あらすじ

京都発! 思い出の「味」、捜します。

第一話 鍋焼きうどん――番おいしかったものにもう一度出会うのは難しい。
窪山秀治は数年前に妻を亡くし、定年後に新たな伴侶と巡り会った。彼女は秀治の大好物だけうまく作れないという。
第二話 ビーフシチュー――プロポーズされたレストランが思い出せない!?
師走に入ると、京の都もせわしない。二人の老婦人が、55年の食を求めて看板もない食堂に入っていった。
第三話 鯖寿司――おいしさに勝るのは、思い出というスパイス。
総理大臣である岩倉友海が探しているのは、50年も前食べさせてもらったおやつがわりの品だった。
第四話 とんかつ――“おいしい”の一言を、忘れる料理人はいない。
大分でピアノ教師をしている広瀬須也子の元夫は、京都でとんかつ屋を開いていたが、余命三ヶ月だという。
第五話 ナポリタン――おいしいものを食べると、泣けてくる。
浜松に住む女子大生・美月明日香が探しているのは、祖父が旅行先で食べさせてくれた黄色いスパゲティだった。
第六話 肉じゃが――男のソウルフードは、おふくろの味。
六本木ヒルズ在住の実業家・伊達久彦は、亡き母が作ってくれた肉じゃがを食べてみたいという。




【編集担当からのおすすめ情報】
柏井壽氏は、数々のTV番組や雑誌の京都特集を監修し、京都ガイドやエッセイの著作は、どれもベストセラーとなっています。本作は、誰もが必ず持っている食の思い出を、京都という「おもてなし」の街の空気に乗せた、涙なしでは読めない温かな物語です。読んだあと、家族の食卓、父の背中、母の手料理を必ず思い出すはずです。
作中に出てくる和食、そのほかの料理の美味しそうなこと!
一冊で六食味わえます!お得です!

感想・レビュー・書評

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  • 何気にBOOKOFFで見つけた1冊。「料理春秋」とゆう食通の雑誌に「鴨川食堂 鴨川探偵事務所 食探します」と1行広告を載せてるだけで縁のある人は探し訪ねてくる様子。その食堂は看板もあげてなく東本願寺の近くにあるらしい。
    鴨川って響きが京都の風情を感じさせたので手に取ってみたけどどうして辿りつけるのか謎で、鴨川って名字の親子が営んでいる食堂でした。元刑事の父親が料理を担当し、年齢不詳の娘が給仕兼探偵所の所長のようです。
    メニューはなく和洋中なんでもできるようだけど初めてのお客さんには、お任せのおばんさい料理以外食べさせないようで敷居の高さが伺える。もっとも初回で出されるお任せ料理のほうが豪華なんですけど。依頼者が食したいものは、昔たべた、うどんとか、ナポリタン、肉じゃがといった庶民のものが多そう。
    依頼者の朧な記憶を頼り懐かしい味を再現して提供してくれるのだが、現地調査とか素材を推理しおおよそ2週間かかるようで再訪の際には再現した料理を提供してくれる。依頼者はセレブが多く報酬は依頼者任せで振込む様子ですがこうゆうのって、依頼者自身か値踏みされてるようで見栄やプライド高い人だと気張って弾みそうだし宗教のお布施のようでなんだか落ちつかない。
    展開はパターン化してて味気ない気がしましたがシリーズ10巻もでてるとは中毒性ありそう。京の文化を知る上でも何かあるのかもしれない。
    一度、京のお茶漬けとゆうものを食べてみたく思っているのですが再現してくれるのかなぁ。

  • 鴨川食堂と言いながら、東本願寺の近くである。「正面通の東洞院を東」と京都通ならば、割とわかりやすい住所を明らかにしている。私もこの前の旅で歩いた辺りだったので、とてもイメージが湧いた。鴨川食堂は看板も出していない二階建てのしもた屋だ。実際、根を詰めて探しても現実にその店があるはずもない。想像上の店に、気のいいアラサーのお嬢さんと食の名人で僅かな情報から思い出の食を探り当てる流という料理人がいる。

    京都を知り尽くしてると自他ともに認める作者が、小説という形で「美味しいもの」を表現している。ここに出てくる京料理のほとんどは、かなり京都に通い詰めてそれなりにお金も落とさないとたどり着けないものばかりなので、私は反感を覚える。一方で思い出を再現する表題の料理は、「鍋焼きうどん」「ビーフシチュー」「鯖寿司」「とんかつ」「ナポリタン」「肉じゃが」と普通手の届くものばかりだ。上手いことバランス取っていると思う。

    流料理人の推理は、あらかじめ結論が出ているものを探すわけだから、何の驚きもない。ただし、京都の食文化をきちんと伝えたいという情熱は感じた。最後まで読んで、辛口だった評価が、だんだんと豊かな風味を帯びてくるのを認めざるを得なかった。

  • ■ Before(本の選定理由)
    読者評価の高いシリーズ物。
    どんな話なのだろう?

    ■ 気づき
    ラノベ系の印象。店の主人は警察上がりで、フィリップ・ノワレのような探偵スキルで依頼人のオーダーに答えていく。
    第一話は物語の切り口も斬新で面白かった。第四話にもなると同じ味で飽きてくる、もっと推理の過程や苦悩を全面に出すパターンも読んでみたかった。

    ■ Todo
    シリーズ物で、もっと評価の高い刊もある。
    悩ましい、もう一冊だけ我慢してみようか。

  • 京都の風景と心のこもった美味しい料理の鴨川食堂、思い出の料理を探してくれる鴨川探偵事務所。
    私の思い出の味も探してもらいたくなりました。

  • 思い出の料理を作ってくれる食堂を描いたグルメ推理小説。シリーズ第一作。鍋焼きうどん、ビーフシチュー、鯖寿司、とんかつ、ナポリタン、肉じゃが。手軽に読め、面白いが、心が揺さぶられるなんてことはない。星4.5。

  • 正確に書くと星2.9。
    食事の描写はリアルで美味しそうで良かったが、展開が急すぎて、起から急に結になる、感じがした。
    シリーズが色々出ているということは人気なんだろうとは思う。

  • 食と人生はまるで縦と横の糸のようだ。それを感じる一冊。涙がほろりと溢れてくる。電車で読むときは気を付けないと。
    最新作が楽しみだ。早く図書館の人入れてくれないかなぁ。

  • 思い出の料理を探し出し再現してくれる鴨川食堂。依頼人のこれからの生き方に元気を与えてくれる料理。私だったら初デートで食べた海老ドリア。

  • 看板のない食堂、縁がある者だけが行き着く事が出来る、、、ある小説を彷彿させるが、実は依頼者の「食」を探す探偵もの。兎に角食べ物の描写が細かく、食レポの方も参考にされたら如何かと思うほど。味と共に香りや温度までリアルに迫る。「肉じゃが」では涙が。

  • 食堂を訪れるさまざまな客にまつわるドラマそのものや人間模様といった点は味わい深いものがあるのですが、ストーリーの展開が、客が食堂を訪問~こいしに説明~流が再現し客が味わう、という固定化されたものばかりなのがちょっと残念に思いました。シリーズもので本作が初回作品ですから2作目、3作目では「食を探す」というテーマは維持しつつ新しいストーリー展開があるんですかね、とりあえず2作目(鴨川食堂おかわり?)は読んでみようと思います。

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著者プロフィール



「2023年 『歩いて愉しむ京都の名所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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