探検隊の栄光 (小学館文庫 あ 19-6)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062069

作品紹介・あらすじ

2015年10月公開映画化原作!

80年代。効果音や独特の節回しのナレーションなど、サービス精神に満ちた過剰な演出で秘境の地を探検する人気テレビ番組シリーズの撮影クルーたちは、幻の大蛇・ヤーガを求めて亜熱帯の地を彷徨っていた。もちろん、架空のかたちでしか存在しないヤーガを「登場」させるべく、洞窟にて準備をしていたクルーの一人が、空になった薬莢などを発見。ほどなく、彼の地で現政府の打倒を試みるゲリラたちにより、クルーはあっけなく囚われの身となるが――。
ベストセラー「ちょんまげぷりん」作者がガツンと描く、スリル!笑い!男のロマン!に満ちた目眩く冒険譚。

感想・レビュー・書評

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  • 荒木氏の作品、好きなもの多かったのだけれど、
    この作品は最後まで物語に入り込めなかった…

  • 某番組をネタにしたお話
    アノ番組、なんとなく覚えているんだけどほとんど記憶に残ってねぇ(笑)

    確かに今思えばツッコミどころ満載だったなぁ
    尻尾から落ちてくるヘビ、腕時計の跡がある腰蓑の現住人、動かないサソリとかね
    あと、来るときは色々あったのに帰りは何事もなく帰っていく探検隊
    大発見をしても論文発表をしない奥ゆかしさ(笑)

    この辺は嘉門達夫の歌詞の影響で覚えてるだけかな

    とまあ笑いどころもセルフツッコミしつつ、ストーリーとしてはゲリラに捕まったり銃撃戦があったりと、結構重めの展開だったりする
    その辺は流石は荒木源って感じ

    雰囲気的には山本直樹の漫画「僕らはみんな生きている」っぽい
    どこまで行っても行動原理は日本企業らしいところとか、問題解決もやはり培った技術力で勝負するとかってとこが似てる

    偽物を本物に見せるという技術は本物という伏線がちゃんと描かれてあって銃撃戦の展開というのも説得力がある
    社内の研修用映像を撮ったことあるけど、撮影の大変さを思い知ったからなぁ
    本物っぽく見せる&見た目のインパクトの両立って難しいんだよなぁ

    あと、なぜ場所が政府側にバレたのか?というミステリ要素もあり

    なかなかに色々な要素が詰まった小説

  • 読んでいる間中、頭の中を川口探検隊がぐるぐる回っていた。読みにくいなと思いながら読んだが、探検隊とゲリラが次第に打ち解けていくところから読ませられる。



  • テレビ業界が華やかかりし時代の80年代。
    一年中真夏のような季節のとある国での、冒険もののロケをしに行く一行。伝説の大蛇を求めて群林をかき分けてゆく、いわゆる「やらせ」満載のエンタテインメントだ。
    そんな折、反政府軍のゲリラに遭遇し、捕虜にされながらも、何故か撮影は続行することに。ゲリラとともに...
    初めて読む著者だが、随分と荒削りな印象でした。五作目とのこと。映画化もされているようで、確かに映像向きに思う。
    最後の終わり方が随分と唐突な尻切れトンボな印象は否めない。
    作者は元朝日新聞記者のご出身とのこと。
    ま、他の作品も読んでみよう。

  •  川口浩探検隊を知っている人にとっては、この作品がオマージュであることはすぐわかる。
     
     仕込みややらせは当たり前、学術的な価値を捏造し、生態系を破壊する。ドキュメンタリーという名のファンタジー。過剰な演出でもネットがない時代は炎上することもなかったので、いいかげんな番組でもゴールデンで高視聴率を獲得していた。

     かく言う自分も当然のことながら、毎週欠かさず見ていた。手に汗握って真剣に。だって見ないと翌日の学校で仲間外れにされちゃうじゃん! 
     

     映画を先に見た。藤原竜也が真顔で、ふざけた演技をしているし、ユースケ・サンタマリアが役作りもせず、素のままで演じているのがあまりにおかしくておかしくて。 
     
     なんて素晴らしく、なんてくだらないのだろう。
     
     藤原竜也は名優だとあらためて感じた。
     
     地上波でやったら(もうやったのかな?)はまるひと続出すると思うけどなぁ。

     
     さて、原作は。

     ぶっちゃけ映画とはだいぶ違う。

     前半部分は同じ。悪ふざけで話は進む。でも中盤から反政府ゲリラとの友情話になってきて、なにやらシリアスな展開に。中年テレビクルーの家庭問題や、落ち目役者の葛藤など、せっかく現実を忘れられる愉快なコメディだったのに、後半ではNHKスペシャル的な流れになっていってしまった。

     う~ん、違うんだよな。そんなの期待していないんだよな。その展開に持っていきたいなら、前半でもうちょっと匂わせてほしいんだよな。そしたら読まなかったのに。

     映画はぜひ見てほしい。

  • コメディかと思いきや、かなりシュールで笑いきれない重さがあった。日本のテレビ番組スタッフは、当然エンターテイメントの提供のためにやっているわけで、それが悪いということはないはずなんだが、本気で革命を起こそうとしている人々の前ではあまりにも下くだらな過ぎて、恥ずかしい気持ちにならざるを得ない。

  • あの探検隊の話。映画になったのかな。

  • 思ったより良かった!
    途中から怒涛のような読みっぷりができます。

  • 水曜日の夜に興奮したあのトキメキを再び!という事だけで手にした作品。一世風靡した川〇浩探検隊をモチーフにし、ヤラセを扱うTVクルーをコミカルに描いた設定。導入部から一気に引き込まれた…が、ゲリラの絡みから何だかイマイチ盛り上がりに欠けてその後は淡々とラストまで読み終えてしまった。もっと話に起伏が欲しかった。個々の掘り下げもグダグダ感が否めない。後半の妙にシリアスな設定ではなく、あのままヤラセをコミカルに最後まで描き続けて欲しかった。ドゥドゥビドゥビドゥバ!はい!はい!はいはいはい!ぐらい馬鹿げた明るさが欲しかった。

  • BRUTUS No.815

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著者プロフィール

1964年、京都府生まれ。東京大学文学部仏文科卒、朝日新聞社に入社。2003年『骨ん中』でデビュー。2010年『ちょんまげぷりん』が錦戸亮主演で映画化され、2016年には『オケ老人!』が杏主演で映画化された。著書に『探検隊の栄光』『けいどろ』『大脱走』『ヘビメタ中年!』『独裁者ですが、なにか?』『早期退職』など。

「2019年 『残業禁止』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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