卒業するわたしたち (小学館文庫)

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  • 小学館 (2016年2月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784094062663

作品紹介・あらすじ

この涙は、どんな涙ともきっと違う。

吹奏楽部の1年後輩の男子に密かに思いを寄せる先輩女子が、告白できずに卒業していく「流れる川」。離婚する妻が夫との最後の会話のなかで、下の名前ではなく「あなた」と呼ばれたことを印象に残す「春の雨」。二十八歳の娘が、仲の良い母の再婚を自分のなかでようやく祝福できる気持ちに至る「母の告白」。
女性アイドルグループのメンバーが脱退することを知った、ある女子ファンの心情を追った「にじむオレンジ」。仲良しの少し不良の女子高生から、上京してしまうために様々なプレゼントをもらうことになる女子小学生を描いた「屋上で会う」。
――単なる卒業式、恋愛絡みに留まらない、様々な年齢、様々なシチュエーションのそれぞれの卒業模様を精緻に描きとった、どこからでも読むことのできる1話完結の短編集。


【編集担当からのおすすめ情報】
文庫巻末対談(対談者・朝井リョウさん)を掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 坂道を一息に蹴り上げた。昇れなくて届かなくて、足は宙を舞うだけだった。この先何度こんなことを繰り返すのだろうと、未だにすべてが灰色に映るときもある。それでもあの頃逆上がりが出来なくて血豆だらけだったこの手が、今では誰かを温める為に必要なものなのだと知りました。いつまでも同じ場所に居ると思ってるでしょう?違うんだよ、進んでるの。昔貰った言葉を、私は誰かに言ってあげられる大人になれてるだろうか。「わからない、だなんて、なんて自由で美しいことなんだろう。」世界が逆さまになり光が見えたと思った瞬間、あの頃よりもう一段高いところから、私は空を見上げていた。

  • 巻末の対談で朝井リョウさんも言っておられましたが
    「卒業」と言うテーマだけで、こんなにもたくさんの種類のお話を書くことができるのが驚きです。

    王道の学校からの「卒業」にしても、中学生なのか、高校生なのか、大学生なのかによって抱く思いは違うし、
    自動車学校、アイドル、子育て、相手との関係性など
    いろんな「卒業」を味わうことができました。

    冒頭の短歌を読み終わった後に読み返すと、さらに物語の深みが増してよかったです。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 2016

    2013年単行本

    13の歌と短編小説 しかも卒業がテーマ

    胸に赤い花
    未知の思い出
    スタートラインすら遠く
    母の告白
    三月に泣く
    にじむオレンジ
    春の雨
    屋上で会う
    全て
    流れる川
    最低のホットケーキ
    引力に逆らって
    ニューヨークは遠い

    巻末、朝井リョウとの対談

  • 記録用

  • 母の告白が1番面白かった。短編集の中で1番、えっ!と驚かされる展開だった。母親が子離れできていかなったように、娘も親離れができていないという内容。

  • 絶版になると聞いたので購入。結論めちゃくちゃよかった。今までで1番好きな短編集かもしれない。卒業というだけあって若い話が多くて眩しいのもあるんだけど、いろんな卒業があって、見方が広がるのが面白い。「引力に逆らって」が最高に好き。こんなすっきり気持ちいい短編めったにない。「ニューヨークは遠い」はもっとも"何も言わない"感じが詩的で最高だった。以下、好きなフレーズ。"わからない、だなんて、なんて自由で美しいことなんだろう" / "最初。特別な響きを持った単語に、少しだけ嬉しくなったものの、寂しさのほうがはるかに大きかった" / "「じゃあ今日はお兄ちゃんにおごってもらうわ。この店で一番高いものってなんだろう」" / "「好きすぎて、もういなくなっちゃえばいいのにって思うくらい」" / "「せっかくだから、明日会うときに、何か卒業しようよ。おれも考えておくから」" / "ウヴィ・アレンじゃなくて、あんたのことが好きなんだよ、って言ったら、突っ伏してるこの男は、どんな顔をするんだろう。映画っぽい告白と言えるだろうか。それとも陳腐なのか。" / "親友なんていう曖昧な枠だって、十分に冷徹だ、と思った" /

  • いろんな卒業を切り取れる加藤さんはすごいなあ。卒業って学校だけじゃないんだよね。自分のなかで落とせたら、区切りをつけられたら、卒業できるんだよね。自分なりの卒業、そろそろしようと思ってるので。こういう風にたった何ページかで終わってしまうような恋でも、ちゃんとさよならしようと思うよ。

  • お母さんのやつと二股のやつが一番良かったかな。でも短歌はまた別なやつの方が良かったりして、軽く読めるのにそれなりに楽しめる。

  • 人生における「卒業」は学校に限ったことではなく、こんなにもいろいろ。好きな人との別れや想いを断ち切ることも、ある種の卒業。1編が15頁前後、さくさく読める卒業話が13編。

    親離れ子離れにまつわる「母の告白」と、大好きだった二股男との再会を描く「全て」が私は特に好きでした。

    高校在学当時に短歌集でデビューを飾った著者だから、それぞれの冒頭には短歌付き。巻末の対談相手は朝井リョウ。これを読むと、どの話も面白さが向上します。

    卒業してから気づく、その場所が、自分で考えていたよりもずっと、愛おしい空間だったということ。

  • 卒業がテーマの短編集です。どの話にも最初に短歌が添えられていて、その短歌がまた切ないです。
    どれも卒業なだけあって切ないけど、卒業するものがそれぞれだし、前向きになれる話もあって飽きずに楽しんで読めました!

  • Tぬのオススメ本。
    確かに、読み終わってから女同士できゃいきゃい話したくなるような切ないお話が盛りだくさん。
    それぞれの卒業後を妄想するのもよいかな。

  • 自分で決められる卒業って少ない気がする。心を残したまま、終わりを迎える

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著者プロフィール

1983年、北海道生まれ。歌人・小説家。立教大学文学部日本文学科卒業。2001年、短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビュー。2009年、『ハニー ビター ハニー』で小説家としてデビュー。その他、詩やエッセイなど様々な分野で活躍。著書に『あかねさす――新古今恋物語』『真夜中の果物』『こぼれ落ちて季節は』『この街でわたしたちは』『消えていく日に』『そして旅にいる』『マッチング!』などがある。

「2023年 『この場所であなたの名前を呼んだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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