付添い屋・六平太 鳳凰の巻 強つく女 (小学館文庫 か 35-7)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062786

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  • 人柄が良く、
    義理堅く、
    人に好かれる六平太が、
    金持ちのお嬢さんや奥様の付添いをしながら生活するこが出来る
    穏やかなこの時期の江戸が好きです。

    江戸は元鳥越に住まいして、立見流兵法の遣いてで、信濃国十河(そごう)藩加藤家を出て浪人となった秋月六平太(ろつぺいた)が、口入れ屋・もみじ庵からの紹介で裕福な商家の子女の芝居見物などの付添い屋を生業とする人情物語です。

    天保二年(1831)。六平太の妹・佐和は、六平太の父の後添えになった多喜の連れ子だった。その佐和が、火消しの音吉と祝言を挙げてから一年と三月がたち男の子を生んだ。名は勝太郎。六平太の大切な人おりきは、六平太の前から突然に理由も告げずに姿を消した。六平太は、探したが分からなかった。

    【残り雁】
    作事奉行で旗本二千石・戸田左近は、遊郭で遊女と心中した。家臣は、このままでは御家取り潰しになると思い。戸田家では、左近は病死として葬儀を出し。遊女と心中したのは、左近の近習・高山金之丞とした。そして高山を殺そうとしたが、六平太が助けたが縁で、高山の付添い人となる。六平太は、高山を上方に逃がそうと妻女の博江を連れて高輪大木戸へ向かうと高山は、すでに斬られたあとだった。六平太は、残された博江の面倒をみる事となる。

    【毒空木(どくうつぎ)】
    ドクウツギは、トリカブト、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされます。奉公に出ていた弓が、奉公先の主人の子を身ごもった。弓は、死にたくてドクウツギを探したが見つからず。弓の意を受けた子供たちが医者を襲い。薬を奪ったが、その薬は妊婦が飲むと命を落とす危険があった。その薬を飲んで流産する。六平太たちの紹介で博江は、字の書ける人を探していた元旅籠町の代書屋「斉賀屋(さいがや)」で働く事となった。そして弓は、博江の世話になる。

    【強(ごう)つく女】
    神田佐久間町にある小間物問屋沢野屋の女主・お寅は、鬼だ、強つく女と散々に言われながらも沢野屋を守ってきました。それはひとえに前夫の残した清吉に店を譲るためです。六平太は、お寅の付添いをしながら見ていくと、職人を育てるために叱責をし、品物を吟味し、驕った職人は恨まれても切り捨ててきた。そして上方から十年の修行を経て帰って来た清吉に全てを譲り沢野屋から身を引いた。

    【長屋の怪】
    揉み治療の腕の良い座頭・杉の市が、六平太の長屋に引っ越してきた。夜よく商家に呼ばれて出かけていく。六平太が、たまに外で会うと長い杖を棒術を使え様に構えている事がある。不審に思っていたら杉の市は、目空きの盗人であった。

    【読後】
    テレビの脚本を多く書かれている金子成人さんらしく、ドラマを見ているような感じがします。そして気軽に読めて、読後感がよく、テンポもよく、読みやすいです。人柄が良く、義理堅く、人に好かれる六平太が、金持ちのお嬢さんや奥様の付添いをしながら生活するこが出来る穏やかなこの時期の江戸が好きです。
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    鳳凰の巻 強つく女 ― 付添い屋・六平太シリーズの7作目
    2016.03発行。字の大きさは…小。2022.07.31~08.01読了。★★★☆☆
    残り雁、毒空木、強つく女、長屋の怪、の連載短編4話。
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著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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