公器の幻影 (小学館文庫 あ 35-1)

著者 :
  • 小学館
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 0
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094063790

作品紹介・あらすじ

現役の財務省官僚作家が描くメディアの裏側

地方紙から中央紙「東西新聞」に移った鹿島謙吾には野心があり、いつの日か自分が書いた記事で政治家の「首」を取ることを、新聞記者としての目標としていた。中国の西安で死刑囚の臓器が金銭絡みで日本人患者に移植されているという事実を鹿島は突き止め記事にするが、中国政府は強く反発し、日本国内でも臓器提供の要件緩和を目指す法案が動き出す。臓器移植法案を政争の具として蠢く政治家たち。鹿島はさらに脳死判定におけるデータ改竄と政治家たちの違法献金を追うが、それを公にすることは移植手術を待つ患者たちの希望を打ち砕くことにもなってしまう。正義か、信条か、功名心か、揺れ動く鹿島の決断は……。
著者は「スコールの夜」で第5回日経小説大賞を受賞して話題を集めた現役財務省キャリア官僚・芦崎笙氏。受賞作では大手都市銀行初の女性管理職に抜擢されたヒロインの苦闘を描き金融界の深層に迫ったが、本作で選んだテーマは政治をも動かす巨大メディアでの新聞。政治家の「首」を狙う野心溢れる新聞記者の生き方を通して、公器(マスコミ)とは何かを問いかける。


【編集担当からのおすすめ情報】
新聞記者の経験をまったく持たない著者が、ここまで複雑な記者の内面に踏み込めるとは、驚きです。圧倒的な筆力と密度濃い情報量で展開される読み応え充分の本格小説。巻末解説はジャーナリストで元「朝日新聞」編集局長の外岡秀俊氏。「新聞社は、ジャーナリスト個人の集合体である。しかし実際は、他の企業と同じく『組織』の側面をもっている。多くの『警察小説』や『新聞記者物』は、そうした組織と個人の葛藤に焦点を合わせる。ただ、『公器の幻影』がふつうの『新聞記者物』と違うのは、報道機関の使命そのものを、正面から問う作品になっている点だ」(巻末解説より)

芦崎笙の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×