後悔病棟 (小学館文庫 か 46-1)

著者 :
  • 小学館
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  • / ISBN・EAN: 9784094064094

作品紹介・あらすじ

「過去に戻れる聴診器」を使ってみたら…

33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の”後悔”が聞こえてくるのだ。

「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」

聴診器の力を借りて、”もうひとつの人生”の扉を開けた患者たちが見たものは――!?

●dream――千木良小都子(33歳)
母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて…

●family――日向慶一(37歳)
俺はもうすぐ死ぬというのに、なぜ妻は金の話ばかりするのか。

●marriage――雪村千登勢(76歳)
娘の幸せを奪ったのは私だ。結婚に反対したから、46歳の今も独り身で…

●friend――八重樫光司(45歳)
中三の時の、爽子をめぐるあの”事件”。俺が罪をかぶるべきだった。

この世の中の誰もが、「長生き」することを前提に生きている。
もしも、この歳で死ぬことを知っていたら…

家族、結婚、夢、友情。
女性から圧倒的な支持を受ける著者が描くヒューマン・ドラマ!!








【編集担当からのおすすめ情報】
読むと必ず、自分の人生を振り返ってみたくなる一冊です。人生に後悔がある人も、後悔がない人も、生き方がちょっと変わるはず!

感想・レビュー・書評

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  • 『もしも人生をやり直せるとしたら、何歳に戻ってみたいとお考えですか?』

    漠然とそんなことを訊かれても困りますが、長い人生を生きていると、その人生は決して一様ではなく、あの時、あの瞬間と思える分岐点が幾つかあったことに気づきます。あの時どうして○○しなかったんだろう。あの時どうして○○なんて言ってしまったんだろう。人によってその○○は異なりますが、何かしらそんな思いを抱えながら人は生きているように思います。それは『後悔』という言葉で表される感情です。人は何かしら『後悔』する思いを抱えながら生きています。そんな『後悔』は思わぬ形であなたの前に姿を見せることもあるかもしれません。『こんなに早く死ぬとわかっていたら、好きに生きればよかった』、と○○しなかったことを人生の最期の瞬間まで悔いるようなことがあるとしたら、それは死んでも死にきれない思いをこの世に残すことになりかねません。そう、人は自分の寿命を知りません。でも、不治の病に侵され死と対峙するような環境に置かれるとそれは一気に他人事ではなくなります。だからといってそんな状況に陥ったとしても過去を変えることができるわけではありません。『ああ、やり直したい。かけがえのない、たった一度きりの、俺の人生…』とただただ悔いる辛い瞬間の到来。そこには、新たに『後悔』の念が生まれるだけです。

    しかし、この世にはそんなやり直せないはずの過去をやり直すことができる聴診器があるのだそうです。『心の声が私には聞こえるんです』と言う主人公のルミ子。『この聴診器さえあれば、たったの五分やそこらで扉の向こう側の世界を体験させてあげることができる』というその聴診器を胸に当てる時、患者の心の中に浮かび上がる扉。『その扉を開けてみてください』とルミ子に言われて押し開けたその先に、まさかのあの『後悔』の瞬間に戻った自分の姿を見る物語。この作品は『安らかに死』を迎えるために、『後悔』の瞬間へと飛翔する人の心を見る物語です。

    『「先生は何歳ですか?」唐突な質問に、私は一瞬たじろいだ』というのは主人公の早坂ルミ子。『抗癌剤の副作用で髪が全部抜け落ちた』この患者を苦手だと思いつつも『三十三歳ですよ』と返すルミ子に、『へえ、先生って私と同い歳だったんだ』とぞんざいに答える患者の小都子(さとこ)。『彼女はもう長くない。癌が全身に転移している』という小都子に今度は『先生は結婚してるの?』と訊かれ『いえ、まだ独身ですが』と答えたものの『死期が迫った患者の前で、〈まだ〉という言葉は使うべきではなかった』とすぐに後悔するルミ子。そんな時『あら、まだ回診中だったんですね。先生、すみません』と彼女の母親が入ってきました。『無機質な病室に大輪の花が咲いたよう』に感じさせるその母親は『大女優の南條千鳥』でした。『小都子、気分はどうなの?』と訊く千鳥に『ねえママ、もうすぐ死ぬとわかっている人間の気分がいいと思う?』と『問い詰めるような言い方』をする小都子。『戸惑った表情のまま私の方をちらりと見る千鳥に、『精神安定剤を出しておきましょう』とルミ子は言います。『先生、ありがとうございます』と応える千鳥にほっとするルミ子。一方で『薬なんかで、本当に気持ちが落ち着いたりするの?』と疑わしげに見る小都子に『効かない人もいますけど、試してみる価値はあります。効けば安らかな気持ちでいけますから』と返すルミ子。その時『えっ?』と『南條千鳥の顔色が』変わりました。『では、お大事に』と逃げるように病室を出たルミ子。そして『廊下を曲がったとき』、『先生、ちょっと』と鋭い声に呼び止められたルミ子。そこには『息を切らせて追いかけてきた』千鳥の姿がありました。『この病院には、もっとまともな医者はいないんですか!』と『いきなり怒鳴りつけられた』ルミ子。『安らかな気持ちであの世に逝けるなんて、よくもまあ本人の前で…』と怒りがおさまらない千鳥は『先生は愚かだと思われるかもしれません。でも、私は奇跡を信じているんです』と訴えます。『癌細胞は今も増殖を続け、小都子は日に日に弱ってきている。死を待つばかりの状態だ。奇跡など起きるはずがない』と思うも『申し訳ありませんでした』とルミ子は頭を下げました。『謝るしかない』と、『何度も頭を下げ』たルミ子は、その後『ひとり中庭のベンチに座り、花壇をぼんやり眺め』ます。『一生懸命やってきたつもりだった。起きている時間のほとんどを医療に捧げているといっても言い過ぎではない』と思う『神田川病院の内科に勤めてもうすぐ十年』のルミ子。『急に母の声が聞きたくな』り、電話するも『ルミ子、もしかして恋の悩みやないやろね』と聞きたくもないことを言われ早々に電話を切りました。そして『えっ、もうこんな時間?まずい』と立ち上がろうとしたルミ子。そんな視線の先の『花壇の中で何かがきらりと光』りました。『薄くて丸い小さな金属板だった』というその物体には『金属板の先に黒いゴムチューブのようなものがついてい』ます。『聴診器だった。どうしてこんな所に?』と思うも落とし物としてナースステーションに届けたルミ子。しかし、持ち主は見つからず結局ルミ子のものになったその聴診器。そして『その聴診器を拾ってしまったことが、すべての始まりだった』と、拾った聴診器が奇跡を呼ぶまさかの物語が始まりました。

    「if: サヨナラが言えない理由」という作品を文庫化にするにあたって「後悔病棟」と改題したこの作品。『一生懸命やってきたつもり』なのに、『患者の気持ちがわからない無神経な医者だ』というレッテルを貼られて苦悩する内科医の早坂ルミ子が、偶然にも、もしくは運命の悪戯として、病院の中庭に落ちていた聴診器を手にしたことから物語は動き始めます。この作品の舞台はルミ子が勤める内科病棟です。そこは『死期が迫った患者が多いので、既に五百人近くの最期を看取ってきた』と、死と隣り合わせの日々を送る患者さんがその人生の最期の時間を過ごす場所でもありました。そんなこの作品は四つの章と〈エピローグ〉から構成される連作短編の形式をとっています。作品自体の主人公はルミ子ですが、その各短編には、最期の時間と向き合う患者の姿が各短編ごとに主人公を変えながら描かれていきます。まずは、それぞれの章の主人公と章題を簡単にご紹介したいと思います。
    第1章〈dream〉: 大女優の娘として、『芸能界にデビューしていれば、私だってきっと…』と、母親に芸能界入りを認めてもらえず悶々としたベッドの上で『私、三十三歳で死ぬんだよ?私の人生はすごく短いんだよ』と死と対峙する千木良小都子の物語。
    第2章〈family〉: 『家族のためにひたすら働いてきたっていうのに!』と、『朝から晩まで仕事仕事』だったことで家族の中で孤立してしまっていたことに気づき、その死を目の前にして『いったい俺は、今までなんのために生きてきたんだ?』と苦しい胸の内を晒す37歳の日向慶一の物語。
    第3章〈marriage〉: 『親といえども、娘の人生に口出しする権利なんかなかったのではないか』と、かつて娘の結婚に反対したことを悔い『どうして毎子の結婚にあんなに反対してしまったんだろう』と一人思い悩む76歳の雪村千登勢の物語。
    第4章〈friend〉: 中学三年生だった時に巻き込まれたある事件のことを『純生にだけ罪をかぶせて、今日まで自分だけのうのうと生きてきてしまった』と思い続け、『中学三年生だったあの日、僕が罪をかぶるべきだった』と後悔の日々を送る45歳の八重樫光司の物語。
    …と年齢も境遇も異なるものの、末期癌に侵され、迫りくる死と対峙し続けながらも、それぞれの心の内に抱き続ける『後悔』の感情と向き合う患者の姿が描かれていきます。

    『この小説では後悔について書きたかったんです』と語る垣谷美雨さん。そんなこの作品では上記の通りそれぞれの死を前に『私、このままでは死にきれません。無念でならないんです』と思い悩む孤独な患者の姿が描かれていきます。そこには垣谷さんが『書きたかった』という、それぞれの主人公が心の内に秘める『後悔』の思いがありました。ここでどこか他人事のようにレビューを書いている私にだって『後悔』の感情は山のようにあります。一日一日を生きれば生きるほどに、あの時こうすればよかった、あんなこと言わなければよかったという思いがどんどん積み上がっていくのを感じます。ただ幸いにもその大半は時間が経てばどこか笑い話で語れるものとなっていきます。しかし、誰にだって、どんなに時間が経っても決して薄まることなく、いつまでも抜けない棘のように心の中に突き刺さったままとなっているものがあるように思います。この作品の各話の四人の主人公たちもそういった思いを抱えながら生きてきました。それは、各章の章題として〈dream〉〈family〉〈marriage〉〈friend〉という言葉に象徴されるものでした。本来であればそういったものは本人の心の内にのみ刺さり続け、他者がそれを知ることはありません。中には本人が思うほどには他者はどうと思っていないこと、また、本人が知らぬところで、そんな本人の思いが思い過ごしであったり、その裏にまさかの真実が隠されていることだって実際にはありうるのかもしれません。そんな思いを医師として聞いてあげることができたなら、医師という立場だからこそ、そんなことができた先には、死を前にした患者は救いを見ることができるのだと思います。それを可能にしたのがこの作品の『聴診器』です。『この聴診器を使えば、患者の本心がわかるってこと?』という不思議な力を持った聴診器を手にしたルミ子はこの聴診器を通して患者の心の声と向き合っていきます。そして、この聴診器がすごいのは、単に心の声が聞こえるだけではなく『扉の向こうはたぶん、過去だと思います。扉の向こう側に行くと、過去をやり直すことができるんです』とまさかの疑似タイムトラベルを患者と共に体験することができるということです。迫りくる最期の瞬間を前に『この貴重な五年間を俺はどう生き直すべきか』と、それぞれに『後悔』の人生をやり直していく彼らの姿。そして、このことを『過去をやり直すことによって、自分の選択も悪くはなかったと考え直すことができる。そうしたら安らかな気持ちで最期を迎えさせてあげることができる』と前向きに捉え、それが自分の役割と、患者に向き合っていくルミ子。それぞれに納得感のある結末は、ファンタジーをもってしても変えることのできない死を迎えていく患者の人生の最後に爽やかな余韻を残してくれるものでした。

    『50歳を過ぎたあたりから、実は人生はやり直せるものではないという、当たり前のことをひしひしと感じるようになったんです』とおっしゃる垣谷さん。私たちの人生は誰もが平等に一度きりです。そしてそんな一度きりの人生であっても誰もが何かしら『後悔』という言葉を噛み締めながら生きている、悲しいかなこれも人生なのだと思います。一方で『ねえママ、この世の中の誰もが長生きする前提で暮らしてるでしょう』と言うように私たちは、死を恐れるあまり、やがて必ず訪れる死というものを意識しないようにして生きています。まるで人生がいつまでも続くかのように。そんな中で、やらなかったことをいつまでも悔いる思いを抱くことがあります。もちろん、やった先に続いていたであろう人生が、やらなかった先に続いている今の人生よりも良いという保証はありません。でも、いつまでも悔い続けるのであれば、『今日できることを明日に延ばすな』と考え、『後悔』することのない人生へと歩んでいきたい、今を大切にしっかりと生きていきたい!ふと、そんなことを考える時間をいただいた、そんな素晴らしい作品でした。

  • 【綺麗事無しの道徳本】

    1つ1つ話が良く出来ていて
    読解力を使って、どの登場人物目線で読んでも
    凄い勉強になる
    人間の【良さ】【愚かさ】の表現も良く書けてますが

    個人的に1番好きな点は
    【人生や物事の価値観の違い】などが凄く表現されていて

    私ベルゴが思う
    人間の嫌いな所が
    【自分の常識は他人から見たら必ず非常識である】
    人は自分の価値観を押し付け合う…
    これが非常にくだらない…(ゾマホンか!!)
    お互いの常識を理解して共通に妥協点を見つければ良い…

    でも人間て想像をはるかに上回るほどクズだし

    でも愛さないとね…そんな話でした。

    ※んで結局俺が何が言いたいかと言うと
    【クリスマス明けからコロナにかかってしまい元旦明けまで部屋ですごす事になってるけど家族との やり取りがドア越しとかだから…なんだか平安時代っぽくて趣があるよ!】って事!!



    • ベルゴさん
      hiromida2さん こんばんは
      アイコンのインコは愛鳥の
      ベル♂です(羽衣セキセイインコ)
      自分の名前の最後が【五】なので合体させて【ベ...
      hiromida2さん こんばんは
      アイコンのインコは愛鳥の
      ベル♂です(羽衣セキセイインコ)
      自分の名前の最後が【五】なので合体させて【ベルゴ】って名前にしてます!
      コロナも完治して なんとか元気です!!

      寝込んでる間
      ずっとインコに【どうしたの?ウンチ出たの!?】って話かけられてました…
      2023/01/08
    • hiromida2さん
      ベルゴさん!(◔ε ◔ ❀ノおはよ♪
      回復されて良かったです(´∇︎`)
      それにしても、愛鳥のインコのベルちゃんの
      呟き(•ө•)♡︎
      「キ...
      ベルゴさん!(◔ε ◔ ❀ノおはよ♪
      回復されて良かったです(´∇︎`)
      それにしても、愛鳥のインコのベルちゃんの
      呟き(•ө•)♡︎
      「キャー(๑˃̶͈̀o˂̶͈́๑)可愛い•*•.¸¸♬︎可愛すぎる♪」
      コロナ回復したら「どうしたの?ウンチでたの?」って
      話しかけられなくなっちゃたら残念(o≖︎‿≖︎)
      「もう、元気出た!」って…
      話してくれるのかも(*゚θ゚*)β""
      アイコン名の由来も分かりスッキリ‼︎
      ありがとです♪︎(〃▽︎〃)ゞ
      ところで、ベルちゃんのアイコン。。。((( ・Θ・)
      以前はもっとアップだったような?
      勘違いだったらごめんなさい(◦︎•_•;◦︎)
      何せ、アイコンは小さいし、前のはないので(^^;;
      何とも言えませんが…(‐ё‐;)
      レビューコメントそっちのけでベルちゃんの話しに
      癒されました(^.^)長くなってゴメンね。
      愛鳥と一緒って羨ましいです。
      羽衣セキセイインコってホント綺麗ですよね(( ・Θ・) ⭐︎
      本棚遊びに行ってベルちゃん見るとホッコリしそう•̑‧̮•̑
      2023/01/09
    • ベルゴさん
      たしかに前はベルのアイコン
      もっとアップでしたね(笑)
      間に仕事中見つけたピンクのバッタの写真にもしてました。
      たしかに前はベルのアイコン
      もっとアップでしたね(笑)
      間に仕事中見つけたピンクのバッタの写真にもしてました。
      2023/01/09
  • 患者の気持ちがわからないと言われている医師の早坂ルミ子が、ある日病院の中庭で拾った聴診器を使うようになり、死期の迫った患者の後悔を取り除くというストーリー。
    その聴診器を当てると、患者の考えていることがわかるだけでなく、患者自身も過去への扉を開けて、今後悔していることをやる直すべくもう一つの人生を追体験できる。その結果、患者はやはりこの人生でよかったのだと納得し、心穏やかに死を迎える。
    4章からなり、それぞれ別の患者を描くものの、後半は少しマンネリ気味だと感じる。

    人間誰しも後悔したり、あのときこうしていたらどうなっていただろう、と思うことはある。最期に自分の選択が間違ってなかったと感じられれば、かなり気持ちは楽になるんだろうと思う。
    自分は最期に何を思うだろう? 後悔も執着もなく死ねるように、生きたいものだ。

  • フォローしている方の「希望病棟」のレビューを見て興味を惹かれ、シリーズ物ということだったので最初の巻を買ってきた。

    末期のがん患者を診ているが「患者の気持ちがわからない」というレッテルを貼られ悩んでいる女医のルミ子が、病院の中庭でひとつの聴診器を拾ったところから始まる物語。
    患者の胸に当てるとその心の“後悔”が聞こえてくる不思議な聴診器を使って、「過去に戻って人生をやり直したい」という患者の心に寄り添うという趣向。

    う~ん、あまり面白くなかった。
    空いた時間を見つけて毎晩聴診器を当てに行くのは見上げたものだが、全て聴診器頼りで何をするでもない主人公が今ひとつ。
    選ばなかった過去の中にも色々な岐路があるはずなのに、それかこれしかなかったような描かれ方で、選ばなかった人生のほうがもっと不幸だったのよという落ち着け方はなんだかな。

    二話目は、家庭を顧みず働いてきた我が身からすると身につまされる話ではあるが、話としては普通に過ぎた。
    三話目は、あの時娘の結婚に反対していなければ…という悔いの元が、ダメ男と思っていた当時の交際相手が今や会社の社長として成功しているからというのが、とてもさもしい。
    四話目は、推理じみた要素も入って多少面白くなるかと思ったが、それほどひねりもなく、治験で生還しない方が良かったような結末に萎えた。

    次の巻には行かない見込み。

    • ニセ人事課長さん
      pさん

      こんにちは。コメント&フォロー、ありがとうございます。

      そうですかあ。
      それでは騙されたと思って(笑)、「読みたい」に入れておき...
      pさん

      こんにちは。コメント&フォロー、ありがとうございます。

      そうですかあ。
      それでは騙されたと思って(笑)、「読みたい」に入れておきます。
      2023/09/01
    • pさん
      希望病棟も良かったですよー

      私も一作目がダメだっけど、二作目から好きになりました。
      希望病棟も良かったですよー

      私も一作目がダメだっけど、二作目から好きになりました。
      2023/09/01
    • ニセ人事課長さん
      pさん

      追いコメント、ありがとうございます。

      その内、シリーズ順番に読んでみようかと思ってきました。
      pさん

      追いコメント、ありがとうございます。

      その内、シリーズ順番に読んでみようかと思ってきました。
      2023/09/02
  • 33歳の女医、早坂ルミ子は患者の気持ちが分からず、不用意に無神経な発言をしてしまうことがよくあった。
    ある日ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。
    その聴診器を使うと患者の心の声が聞こえるのだ。

    芸能人の母親を持つ小都子は芸能界に憧れていたのだが、母親の猛反対で諦めた過去があった。そして末期癌の為彼女に残された人生はあと僅か。
    そんな彼女にルミ子が聴診器をあてると、芸能人になった小都子の人生の扉が開かれる。
    聴診器の力で、全く別の人生を体験することになる。


    患者さん毎に綴られる短編が四つ。

    垣谷先生らしく、爽やかにサクサクと物語が進み、大変読みやすい(^^)

    この本はブックオフで仕入れてきた本。
    どなたかの感想で記憶に新しいのだが、本に線が引いてあり、不快だと、、、
    まさにこの本がそうだった。

    どうしてそこに線を引くかな!?というところにいちいち線が引いてある(^^;;

    たじろいだ
    ぞんざい

    そんな単語に線が引いてある。
    謎だ。。。
    謎過ぎる。

    気になった言葉や言い回しがあったら、付箋でも貼って後から調べて欲しいものだ。。。

    本に線が引いてある不快感って半端ないですね(~_~;)

    鉛筆での線だった為、消しゴムで消し消ししながら読了。

    垣谷先生の小説には全く問題がないのだが、ちょっと嫌な気分を味わってしまった(~_~;)

  • 2023.8.28 読了 ☆8.1/10.0


    主人公のルミ子が末期がん患者と向き合う中で葛藤し、もがき、医師として、人として成長していくという、医師の成長譚でもある。
    うまくいかないことも含めて、人生はプラスマイナスゼロだって。
    死にゆく人間を通して、生きることのままならなさが、かけがえのなさが、ひしひしと伝わってきました。


    物語はもちろん、解説に心を奪われたので以下はその引用です。


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


    人は最期の時に、何を思うのだろう。
    「悔いはない、生ききった」ー そう思える人がどれだけいるのだろう。
    「いい人生だった」と穏やかな気持ちで旅立てる人は、どれだけいるだろう。
    人生に、"たられば"はない、と言うけれど、もし最期の時を迎える前に一度だけ、"たられば"が可能になるのだとしたら、誰もが"もう一つの人生"を垣間見たくなるなるのではないだろうか

    ある日、聴診器を拾ったことが始まりで、主人公ルミ子は不思議な体験をする。聴診器越しに患者の"心の声"が聞こえるようになるのだ。それだけでなく、聴診器を当てている間その患者は自身の人生をやり直すことができ、ルミ子もその人生を追体験できるのだ。

    さまざまな末期がん患者が登場する中で、死を控える彼らの心の中にあるのは、「こんなはずではなかった」という心残りだ。「あの時こうしていれば」という後悔に苛まれる。

    だけどそんな後悔を通じて、本書では自分の人生を信じることの大切さ、「こんなはずでは」という思いがある中でも「あなたの人生はあなたが選んできたのだから、人生も自分自身も否定はしないで欲しい」というメッセージが伝わってくる。

    今、この現実に対して不平や不満もあるけれど、でも人生をやり直してみたところで、たらればを叶えたところで、今度はまた別の不平不満も出てくるのだ。
    どちらの道を選んだにせよ、人は選ばなかった方の人生に心が残ってしまうものなのだ。
    人の心は欲張りなものなのだ。

    隣の芝生は青い、というけれど、選ばなかったもう一つの人生は、いつだって輝いている、うまくいっているのだ。なぜなら実際にその人生を生きているわけではないから。
    絵に描いたリンゴが、たとえどんなに大きくて美味しそうに見えたとしても、そのリンゴを食べることはできないのだ。

    私たちは、常に自分の選択を肯定できるほど強くはない。間違ったことなどないと確信できるほど鈍感でもない。だから、ついつい選ばなかった方の行方を夢想してしまう。「あの時、あぁしていれば今頃は…」などと益体もないことを考えてしまう。
    「でも、それはしょうがないよ。いや、むしろ普通だし、だからこそ、人って愛おしいんじゃない?」
    そんなふうに、垣谷さんは語りかけてくれる。

    人生は選択の連続だ。一つひとつの選択は点だけど、それがつながって、一本の人生になっている。
    どこで間違えたのか、とか、どの選択が正しかったのか、とか、そんなことはいくら考えてもしょうがない。

    「大丈夫。今のあなたが、あなたなんですよ」

    そんな声が聞こえてくる。



    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  • ★3.5

    「過去に戻れる聴診器」を使ってみたら…

    33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の”後悔”が聞こえてくるのだ。

    「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」

    聴診器の力を借りて、”もうひとつの人生”の扉を開けた患者たちが見たものは――!?


    過去に戻って人生をやり直したら…。
    ふとあの時の選択を違う方にすればどうだったんだろう?
    あの時の選択は…?
    なんて思ってと言うか思い出してしまう事があります。
    この本もワクワクしながら読み始めました。
    うーん何だろう
    やっぱりなぁ
    過去に戻ってやり直しても良くなかったよ
    以前読んだ本でもそうだった

    やり直しても良くなかったから思い残しがなく安らかに逝けるんだけど…なかなか読み進まなかったです。

    でも、もし自分が病に冒されたらこの聴診器があれば良いな。
    あって欲しいです

  • ん~まぁ~、、、
    魔法の聴診器で心も治療する女医さんのお話。
    自分は?って考えると特に後悔していることなくて人生をやりなしたいと思ってないので、良い人生歩めてるやん!って改めて思えました。まぁ~死ぬ時ってどんなんやろなぁ~なんて

  • 誰もが思う「あの時に戻れたら」
    末期がん等で死ぬ間際にそんな世界に戻れる病棟。
    医師ルミ子が偶然拾った聴診器で、そんな世界を体験できる数々の患者。後悔したポイントに戻ってやり直す。
    そんな体験を基に後悔を解消してあの世に旅立つ。
    このパターンで全編行くのかと思いきや。。。
    初めての著者だけど他の著作も読んでみたいと思わせる面白さ。また注目できる作家ができてしまった。

    作品紹介・あらすじ--------------------------
    「過去に戻れる聴診器」を使ってみたら…

    33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の”後悔”が聞こえてくるのだ。

    「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」

    聴診器の力を借りて、”もうひとつの人生”の扉を開けた患者たちが見たものは――!?

    ●dream――千木良小都子(33歳)
    母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて…

    ●family――日向慶一(37歳)
    俺はもうすぐ死ぬというのに、なぜ妻は金の話ばかりするのか。

    ●marriage――雪村千登勢(76歳)
    娘の幸せを奪ったのは私だ。結婚に反対したから、46歳の今も独り身で…

    ●friend――八重樫光司(45歳)
    中三の時の、爽子をめぐるあの”事件”。俺が罪をかぶるべきだった。

    この世の中の誰もが、「長生き」することを前提に生きている。
    もしも、この歳で死ぬことを知っていたら…

    家族、結婚、夢、友情。
    女性から圧倒的な支持を受ける著者が描くヒューマン・ドラマ!!

    【編集担当からのおすすめ情報】
    読むと必ず、自分の人生を振り返ってみたくなる一冊です。人生に後悔がある人も、後悔がない人も、生き方がちょっと変わるはず!

  • 作者さんの本を何冊か読んだけど、これはあまり好きでないなぁ。

    主人公が空気が読めない女医さん…
    ましてや末期癌の患者さん診てる…
    だって、死にそうな時頼りにしちゃうのはお医者さんだよ。

    その主人公が不思議な聴診器を手に入れて成長していく…
    って、話だけど
    その聴診器が無かったらダメじゃん!

    相手のことを勝手に良い方にと想像して接するのもなぁ。
    苦労知らずと思い冷たく接してて、実は苦労してたと知って優しく接する。
    見た目で判断しちゃダメじゃん!

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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