ポケットに物語を入れて (小学館文庫 か 29-4)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 199
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064124

作品紹介・あらすじ

〈本〉が〈物語〉が、私たちを呼んでいる

《新刊書店で、あるいは古本屋で、作者も作品名も聞いたことがないのに、興味を引かれる本に出合ったとする。その本は確実に私を呼んでいる。手にとってしまう。レジに持っていってしまう。帰りの電車のなかで読み出して、びっくり仰天する。著者もタイトルも知らなかったことが不思議に思えるほど、自分にぴったんこの本なのだ。》
ネットよりもリアル書店を愛する著者が、心に残る本の数々を紹介する見事な読書案内。
宮沢賢治・太宰治から開高健・池澤夏樹に始まり、佐野洋子・山田太一、そして江國香織・井上荒野まで、「思わず読みたくなる」名エッセイ50篇を収録。



【編集担当からのおすすめ情報】
思わず書店に走りたくなるような読書エッセーです。

感想・レビュー・書評

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  • 角田光代さんが紹介してくれる読書案内。
    それぞれの本に対する思いが伝わってきます。
    読んだ事のある作品は角田光代さんが読むとこんな感想になるのだなと。自分と比べるなんて、ですが。
    角田光代さんの本は楽しいだけではなく、読書の楽しみを教えてくれて、新しい本との出会いもあります。
    次は何を読もうかと思う時に読みたくなる本が見つかります。

  • 著者による文庫本の解説や書評、本に関するエッセーを集めた本。

    第4章までは、取り上げている作品が純文学中心であるためか、特に惹かれた未読作品はなかった。そもそも、文庫の解説だけ読んでも、そもそも小説のあらすじや主人公達の心情がよく分からないから、内容に共感できず全く面白くない(やはり解説は読後に読まなきゃなあ)。

    ただし、ノンフィクションを扱った第5章は面白かった。高野秀行の「アジア新聞屋台村」や北尾トロの「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」、岡崎武志「古本生活読本」等は読んでみたいと思った。あと、第3章で紹介されてる夏石鈴子の「新解さんの読み方」もちょっと気になった。

    著者が多大な影響を受けたという開高健、そう言えば中学生の時に文庫本買ったけど結局読まなかったなあ。新潮文庫の百冊に入っていたやつ。開高健といえば、サントリーのCMで、ハドソン川でウイスキー片手に釣りしてるシーンばかりが印象に残っている。

  • たくさんの著者の作品が出てくるので、次から次へ読みたいものが出てきます。それに影響されて、数冊の本を買い、数冊の本を図書館に予約申し込みをしました。
    とても面白く完読です。

  • 角田さんが様々な媒体で発表した書評の数々。
    でも読者に媚び諂うような、作品を悪戯に褒め散らかすような書評ではなく、ご本人が日々考えていることとその作品に絡めたエッセイのような文章でした。だから「面白そう!」とか「読んでみたい!」という作品への興味は正直あまり沸きません。でもエッセイとしてはとても楽しめました。
    痒い所に手が届くような適格な文章が流石です。プロって凄いです。
    とりあえず『厭世フレーバー』(三羽省吾)は読んでみたいな。

  • 新しい本と出会える一冊。普段、自分なら手に取らないであろう本も読んでみたくなった。

  • 読書という至福の時間をたっぷり詰め込んだ、角田印の極上本いっぱいのガイドブック。
    読書欲情を誘う解説もさることながら、いちばんそそるのは、図書カード三万円使い放題の「本が私を呼んでいる」。本好きなら堪らない夢のような企画に、一緒に幸せを共有した気分になる。やっぱり、本との縁を感じるのはリアル書店である。

  • 角田さんによる読書案内。
    角田さんの「感想文」は一冊物語を読んだ気分になる位、読んでいて唸るものばかり。
    時々読んだ文庫本の最後に、思いがけず角田さんの解説が載っているとラッキー!と思ってしまう。
    その位角田さんの解説は本文とはまた違う楽しみを私にもたらしてくれる。

    物語を読んでいて感じる、言葉にできない深い余韻。物語に正解なんてない。
    でも正解よりも遥かに巨大な豊穣がある!
    角田さんの本や物語に対する愛をひしひしと感じられる文章だ。

    角田さんが雑誌の企画で依頼された「図書カード三万円使い放題!」。
    なんて羨ましい企画!私なら…と考えるだけで幸せな気分を味わえた。
    そして角田さんのお陰で読みたい本にまた出逢えた。

  • 角田さんってホントに本が好きなんだなー。楽しそうに本を読む人だ。エッセイというよりは秀逸なレビューといった感じ。これを読む前に掲載本を読んでおくと楽しさ2倍かも。残念ながら私は1割くらいしかわからず。。。

  • 知らない作家さんの作品が多かったにも関わらず読んでみたいな思う瞬間があって、私は角田さんの言葉の力にも惹かれたようです(笑)

  • 2017年4月17日購入。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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