サラバ! (上) (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 6968
感想 : 318
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064421

作品紹介・あらすじ

累計百万部突破!第152回直木賞受賞作

僕はこの世界に左足から登場した――。
圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。
そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。

感想・レビュー・書評

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  • 6年くらい前、図書館で借りながらあまりの本のボリュームと自らの時間のなさにより、泣く泣く全く読まずに返却した小説。
    聴き放題になったことを遅ればせながら知ったオーディブルで再会。補助的に図書館で再度借りる。
    単行本は上下巻だったけど、文庫とオーディブル版は上中下の三分冊なのね。

    で、大笑いしながら読み(聴き)進む。
    テヘランで生まれた圷歩の成長記。大阪を経てカイロまで。

    エジプト人でコプト教徒のヤコブとの美しい友情。
    「サラバ」は「さようなら」の意味を超えた、輝かしい可能性を孕んだキラキラした言葉。
    歩とヤコブを繋ぐ、魔術的な言葉。

    (文庫本の)上巻は両親の離婚により日本への帰国が決まり、ヤコブとの別れまでを描く。

    第152回直木賞受賞作!

  • エジプトに行った気になった。
    初読み作家、上中下巻の長編幕開けは、圷(あくつ)歩くんの誕生からスタート。

    前半の家族紹介とエピソードをやや冗長と感じ始めた頃、エジプトへ移住。そのあたりから面白さが加速した。

    姉:貴子の強烈さ、母:奈緒子の自己愛、父:健太郎の諦観が、これから先の物語にどう影響してくるのか⁈

    歩はまだ小学生、親友ヤコブとは、また会える!と信じて中巻へ。サラバ!

  • 初めはアクの強い登場人物たちにやられ、読みきれるのか、と不安でしたが
    読み進んで行くほどに何だか垰家の変人たちが好きになってくるから不思議。
    エジプトでの生活が始まった辺りから一気読み。
    ヤコブ少年と歩の友情が『精神的ホモセクシャル』と書かれており、私の知人も『少年時代の男同士の友情はホモに近いものがある』と言っていた事があったなぁ、とふと思い出し妙に納得。
    男同士の友情って、昔から密かに憧れている事のひとつだったりする。
    中巻へ続きます。

  • おそらく第1章を読んで、「こんなことあったなぁ」と思った人も多いのではないだろうか。当然、人の記憶はそれぞれ個別的なものではあるし、本書はフィクションなのだけれども、このストーリーに近いことがいたるところで起こっていると思えてならない。幼少期の記憶というのはイメージとして残っていても、言葉にすると意外とまとまった形で出てこない。あの言語化するのが困難な時期の想い出をはっきりと言葉にしてくれた本書に私は心を掴まれた。

    たまたま自分も幼少期に海外で生活していたこともあり、第2章を読んだときも、自分の海外生活を追体験しているかのようだった。日本人コミュニティでの人間関係や現地人とのかかわりの様子が本書では描かれているが、国は違えど、自分も同じような経験をしてきたこともあり、自分も「僕」と似たようなところで幸せを感じたり、悩んだりしたことを思い出すきっかけとなった。自分の経験とストーリーがうまく結びついたこともあり、よい読書体験となった。

  • はじめ、なんの話だろ?と思いながら読み進めていましたが、いつの間にかすっかり引き込まれてました!
    これからどうなるんだろ?どこへ向かっていくんだろ?続きが楽しみ。

  • 最初からぐっと引き込まれて、そのまま一気に読み進めてしまった。なんという筆力……。中と下も今からすごく楽しみ!

  • サラバ上
    姉の奇行に支配された幼少期と、ヤコブとの出会いと別れの話。「サラバ!」とは、国境を、言語を、ありとあらゆる壁を超えて歩とヤコブを繋ぐ言葉なのではないかと思った。歩とヤコブのプラトニックな関係には、いつか終わりが来ると分かっていても辛いなと思ってしまいましたが、それでも2人で築き上げた時間と関係は愛おしく不可侵な存在であるような気がしました。まだまだ中、下と物語は続くのでどうなっていくのかワクワクです。

  • 素晴らしい作品。私は女なので、歩の気持ちのリアリティは評価できないが、それでも人生とはこういうことだと気付かされ考えさせられる作品。それでもって軽いタッチで読みやすい。5年後、10年後にまた読みたい。

  • 上中下まとめての感想

    図書館で借りたもの。
    1977年、圷歩(あくつあゆむ)は父の赴任先のイランで生まれた。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに――。
    推しが読んでるって聞いて、軽率に読み始めるおたく。

    上中下でボリュームがすごい!
    西さんの自叙伝的な小説。
    直木賞受賞作。

    タイトルの「サラバ!」は、エジプトで仲良くなったヤコブとの挨拶。
    アラビア語の「マッサラーマ」(さようなら)と「サラバ」を組み合わせた「マッサラーバ」がきっかけになって、単純に「サラバ」と言うようになった。
    さようならの意味以外にも様々な意味を持つようになり、歩を安らかな気持ちにしてくれる魔法の言葉になった。

    エジプトでの生活が日本とはちがう事の連続で読んでて面白い。
    海外赴任に付いてってもいいかなーと思った。
    (今までは絶対嫌だった!)
    生活・日常が描かれている話がやっぱり好きだなぁ。


    「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」

  • 父親の仕事の赴任先のイランで生まれ、その後新しい赴任先のエジプトのカイロで幼少期を過ごした垰歩が主人公。4歳年上の問題児の姉、自由奔放でその問題児の娘と折り合いの悪い母親、そんな一家の日常を歩の視点で物語は進んでいくが、どうも私の好みに合わないようだ。この後中巻・下巻と読むのは一旦保留することにした。

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著者プロフィール

1977年テヘラン生まれ。2004年『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年『サラバ!』で直木賞を受賞。近著に『夜が明ける』など。

「2022年 『あなたのことが知りたくて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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