サラバ! (上) (小学館文庫)

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  • 小学館
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レビュー : 161
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064421

感想・レビュー・書評

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  • 独特の言い回しと世界観。とてもワクワクして、あっという間に読み終えた。どうなっていくんだ、圷家!早く続編読みたい!

  • 早く続きを読みたい

  • 【No.330】「まるきり知らない世界に、嬉々として飛び込んてゆく朗らかさは、僕にはない。あるのは、まず恐怖だ。その世界に馴染めるのか、生きてゆけるのか。恐怖はしばらく、僕の体を停止させる」「子供にとって大切なものは、食事から取る栄養だけではない。母や、母に類するものや、やはり大人からの愛情である。愛情が足りないことで物理的に死ぬことはなくても、子供の心はほとんど死と同じ孤独を味わう」「僕は彼に対して生意気な態度を取らなかった。かといって必要以上におもねったりもしなかった。自分が中庸であることで、そいつの心を波立たせないようにした」「僕が選ぶのはいつだって中庸であることだった。そしてここでは、それは逃亡を意味した」「僕の得意技は?そう、諦めることだ。諦観に寄り添うことで、僕はこれまで生きてこられた。生きのびてこられたといってもいいだろう」「今回の一時帰国で、もっとも興味深かったことは、カイロの空港に着いたときに”帰ってきた”と思ったことだった。酸っぱい体臭や叫び声、信じられないほど古びた床に汚いトイレ。初めて来たときにはすべてが恐ろしく、僕らを憂鬱にさせたそれらが、僕を安心させ、懐かしい気持ちにさせたのだから、”住む”という経験がもたらすものは、計り知れない」「僕の心は、手に負えない感傷で、はち切れそうだった。”寂しい”、という言葉では収まらなかった。僕の気持ちはあらゆる感情の枠を超えて、どんどん拡散していた。ものすごい勢いで、ものすごい強さで。やがて僕は泣いた。自分自身の感情をどうしていいのか分からなかった」

  • 2018.09
    ・私が私を連れてきた。今まで私が信じてきたものは、私がいたから信じたもの。私の中にそれはある。神様、という言葉は乱暴だし、言い当ててない。でも私の中にそれはいる。私が、私である限り。
    ・私が信じるものは、私が決める。あなたも、信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。他の誰かと比べてはだめ。兄弟とも、家族とも、友達とも。あなたはあなた。私は私の信じるものを、誰にも決めさせはしない。自分の信じるものを、見つけなさい。あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。

    上中巻を読む間は、こんなに考えさせられる結末だと思わなかった。また読みたいなと思う一冊。

  • ワクワクする。この物語の家族、圷一家と私は共通点が多い。姉と弟の兄弟構成、イスラム圏での駐在生活。「わかるわ~」が溢れ出る。舞台はイラン、日本、エジプトと、圷家は転勤族としてさすらっていく。お嬢様女王様然とした母、超キョーレツな問題児の姉、その狭間でひっそりと、幼き頃から静観達観で生きてゆく主人公の弟。西さんの本は、自分的に当たりハズレが大きい。この本も放置していたが、今のところ、作者独特の人物描写は面白く、エジプトでの出会いと別れの描写も胸熱。さて、エジプト編はひと段落、これからどうなるの?中巻へ~

  • お姉ちゃんのキャラに若干引く。

  • ☆3.8。ずっと読まずにいたけど、恐る恐る手を出してみることに。読みやすく癖のない文章のように感じた。上巻は、父の仕事の影響でイラン→日本→エジプトを転々とする、風変わりな家族の物語。主人公である「僕」の出生から小学生時代までを描く。

    奇抜な姉の影響で場の空気を読む能力に長け、その分自分の意見が言えない「僕」。今後描かれるであろう青年〜成人期以降で、その面は修羅場を引き起こしそう、と予想。

    エジプトの貧しい子供たちを強い言葉で追い払うことができないこと、彼らに対して卑屈な笑みを浮かべてしまうことに対し、差別はいけないと思いながら、心の底で一番ひどく彼らを差別していると気づいた時のリアルな心情には共感。

    エジプトで心を通わせたヤコブとの合言葉「サラバ」は、中・下巻にも何らかの意味を持って登場するのだろうか。「僕」の人生はどうなるのか。続きを読むのが楽しみ!

  • サラバ。
    自分じゃどーしようもない事を他人のせいにして逃げる。自分がどうこうじゃなく相手に合わせた人間関係。強がった投げやり、卑屈な行動。人は人。自分は自分。自分に素直に。
    自分なりの答えを導いてた?今だからある程度落ち着いて読める。

  • 緻密な描写でエジプトの空気を感じられた。
    大人になった歩目線で書かれているが、上巻はまだ小学生時代の話。
    今後の展開に期待!

  • 上巻は下巻への壮大な前振り。
    でも、ものすごく面白い。エジプトの生活や家族の様子がとてもリアルにわかりやすく書かれている。
    ただ、面白いけどそんなに絶賛する要素ある…?と思ってしまった。そう思っても絶対に下巻を読むべき。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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