サラバ! (中)

  • 小学館 (2017年10月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784094064438

作品紹介・あらすじ

2015年本屋大賞2位!作家10周年作品

両親の離婚、そして帰国。母の実家のそばに住む母子三人は、次第にバラバラになっていった。
母は頻繁に恋人をつくり、サッカーに興じる歩は高校で同級生の須玖に影響を受けていく。姉は、近所に住む矢田のおばちゃんが宗教団体の教祖のように祀り上げられていくなか、次第にそこに出入りするようになった。
そして、阪神淡路大震災が起こった。それは歩の生活にも暗い影を落とし、逃げるように東京へ向かう。脳が蕩けるような学生生活を経て、歩はライターになった。だが、その先で、ある取材を依頼される。そこには変わり果てた姉が絡んでいた。

感想・レビュー・書評

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  • 日本へ向かう飛行機の中で、僕の耳に残っていたのは、
    ゼイナブの泣き声だった。ゼイナブには本当に
    お世話になったし、時には、自分の母親以上の
    親しみを覚えることさえあった。

    その時に泣けなかった歩くんも飛行機のトイレで
    ゼイナブの泣き声に寄り添うように泣きました。
    いつか必ず、エジプトに戻ってくるんだと
    誓いました。
    そして父は、遅れて帰国する事になっていましたが、
    カイロでの別れが、事実上僕たち親子の別れになって
    しまいました。
    祖母の家と同じ町内にある新しい家は小さいながら
    庭もありました。この家の購入資金、生活費、
    養育費、お母さんは働かなくても生活していけるだけ
    のお金は全てお父さんが出していました。
    両親の気持ちが離れてしまった理由を知らない
    歩くんは大好きな両親を思いながらも
    これから始まる新しい生活や学校への不安が重なり
    緊張していました。

    貴子さんはやはり学校でうまくやれなくて不登校に
    なってしまいましたが、たびたび祖母の家に顔を出し
    夏枝おばさんと映画や小説の話をしていました。

    帰国後、歩くんたちがすぐに会いに行ったのは
    矢田のおばちゃんでした。おばちゃんの家には
    大きな祭壇が出来ていて、そこに知らない人たちが
    出入りしていること、そして
    「 サトラコヲモンサマ 」 という、
    なんだか声に出したくなる神様のようなものを
    祀っていることを、姉がどう思うか、
    歩くんはおおいに興味がありました。

    お母さん、お姉さんのようすを伺いながら
    学校での自分の位置を無難に保つ努力をして
    生活をしていた歩くんも高校生になりました。
    そこで親友となる須玖さんと出会います。
    大好きな音楽や映画などを語り合って
    かけがえのない青春時代を過ごしていました。

    しかし 1995年1月17日大きな災害にあって
    しまいました。家族や友人は無事でしたが、
    無事を喜べないほど、沢山の人達の命が失われて
    残った人の心にも今までと同じようには
    出来なくなってしまう人がいました。
    歩くんの親友須玖さんもその一人でした。

    友人とのバランスや家族との関係も不安定になり
    歩くんはそこから逃げるように東京の
    大学に進みました。歩さんも今までの事が
    重なって自分自身を傷つけていくように
    生活をしていました。
    そんな中、サークル 「キネマトクラブ」 に
    入ります。男ばかりのサークルでした。
    そこに 鴻上なずなさんがやって来ました。
    歩さんの人生で初めての女友達になった
    鴻上さんとの時間はこれからの歩さんにとっても
    凄く大切な時間をつくっていきます。

    モノがどんどん増えて、それが捨てられないのが、
    凄く恥ずかしくて。
    鴻上さんの心は綺麗で繊細で、その事を気づき
    近くにいる事のできる人に出逢ってほしいと
    願っていました。

    大学を卒業して歩さんはフリーのライターになり
    仕事は順調、美人の彼女も常にいますが
    何時も自分に芯がない事の不安を感じていました。

    そんな中、お父さんと貴子さんが日本に帰って
    来ました。
    歩さんの不安は的中してしまいます。

    サトラコヲモンサマの意味を知り
    「 なんでもどうでもよくなるんよ 」
    それこそが大切だった。

    姉が受けたであろう衝撃を想いやり
    おばちゃんは、姉のあらゆるものに飢えた姿を
    何時も見守り愛していたんだと思いました。

    祖母が亡くなって直ぐにお母さんは再婚に
    向けて精力的に動きます。
    「私は幸せになるからね」
    この意味を私自身もよくわからない中
    読み進めていました、、、、。

    大量の巻き貝を作った貴子さん、、、、。

    山寺にこもって生活するお父さん、、、

    お父さんのお金で生活して幸せになろうと
    必死なお母さん、、、。

    なにが悔しいのか自身の事も含めて
    お父さんに想いをぶつけるけど優しく
    「ほんまに、すまん。許してくれ」
    といわれて、ますます腹がたった歩さん、、、。

    しばらくしてから、僕の通帳に、
    金が振り込まれていた。
    悲しくなるくらいの大金だった。

    いよいよ物語も終盤になっていきました。
    同じように家族の事を言っているのに
    思いは生きてきた分だけより重くなり
    探していたものはかたちもみえなくて
    苛立ちはますばかりの歩さんでした。

    私はどうしても貴子さんが気になって
    歩さんのお話の向こうに何時も貴子さんを
    感じ、思いながらの時間でした。



    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      オイラの「初」は、薬丸岳さんでした!
      「いいね」ありがとうございます。

      オイラの「初」は、薬丸岳さんでした!
      2025/08/01
    • まめたカチカチパスタさん
      きたごやたろうさん 何時もありがとうございます!

      レビュー読ませていただきました。
      楽しい時間をすごされましたね!
      もちろん私も読んだ事は...
      きたごやたろうさん 何時もありがとうございます!

      レビュー読ませていただきました。
      楽しい時間をすごされましたね!
      もちろん私も読んだ事はありませんが、
      是非読んでみたいなぁと思います。
      2025/08/01
    • きたごやたろうさん
      まめたカチカチパスタさんへ

      まだ一冊しか読んでいませんが、お勧めです♪
      まめたカチカチパスタさんへ

      まだ一冊しか読んでいませんが、お勧めです♪
      2025/08/01
  • あなたは、転校生になったことがあるでしょうか?

    2020年に世界を突如襲ったコロナ禍。それから3年近くの時が経過し、ようやくパンデミックの終わりも口にされるようになってきました。そんなコロナ禍は世界のさまざまなことを変化させてもいます。会社勤めの方にとって一番大きいのはリモートワークという考え方が登場したことでしょう。自宅にいながら出勤したことになるリモートワーク。コロナ禍がなければとてもありえなかった考え方だと思います。

    そして、リモートワークの広がりは住む場所の自由というさらなる可能性も生み出しつつあります。勤め先によっては3年ほどで日本各地を転々としていた暮らしがなくなる、好きな場所に暮らして、そこで仕事をする、このことはさらに大きな可能性をもたらします。家族に対する影響です。転勤に伴う転校がなくなっていく、そんな未来です。このレビューを読んでくださっている方の中にも子供時代、両親の転勤によって転校を余儀なくされた過去を持つ方もいらっしゃるでしょう。両親の転勤という理由によって親しかった友達と別れざるを得なくなる、そんなこともやがて遠い過去のことになっていくのかもしれません。

    さて、ここに父親の転勤に伴って大阪から、カイロ、そして再び大阪へと戻ってきた姉と弟を描く物語があります。『僕は緊張していた。いや、ほとんど恐怖していた』という中に『エジプトから来ました』と挨拶する弟が『「クラスの中心的な奴の親友」という地位を』獲得していく様が描かれるこの作品。『カイロから来ました。皆さんに会えてソーハッピー…』と挨拶した姉が『異質なものは、排除される運命にある』という先に『皆の攻撃対象以外の何ものでもな』くなっていく様を見るこの作品。そしてそれは、バラバラになっていく家族がそれぞれの人生を歩むその先に、『この家族は、一体なんなんだ!』と主人公の歩が叫ぶ未来を見る物語です。
    
    『日本へ向かう飛行機の中で、僕の耳に残っていたのは、ゼイナブの泣き声だった』と、カイロでのことを思い出すのは主人公の圷歩(あくつ あゆむ)。『いつか必ず、エジプトに戻ってくるんだ』と思うも『もう二度と戻ってくることは出来ないだろうと、諦めてもいた』歩は、母親と姉と共に父親より先に帰国し、それが『事実上僕たち親子の別れにな』りました。帰国に際し、離婚した父親と母親は、元住んでいた家を売り払った結果、『祖母の家と同じ町内』にある新しい家に居を構えます。『養育費、生活費も』父親が負担して、『ほとんど働かなくていい』母親と三人で暮らすことになった歩。そんな歩は『5年生の新学期から、小学校に通うことにな』りました。『僕はずっと、緊張していた』という歩でしたが、『自分をなくすということにおいて、僕は最強の力を発揮し』上手くクラスにとけこみます。一方で『皆さんに会えてソーハッピー…』と『日本語と英語を混ぜて』挨拶した姉の貴子は『皆に疎ましがられ』ていきます。そんな対照的な帰国後のスタートを切った姉と弟。そんな歩の『学校には、様々な出自の子供たちがい』ました。両親の離婚により今橋歩(いまばし あゆむ)となった歩は、友達からイマバと呼ばれるようになり、また『地元のサッカークラブへの入会』を果たしたことで、『世界が一気に広がっ』ていきます。そんな中、父親と別れた母親は『どんどんだらしなくなってい』き、姉は『苛められるようにな』り、ついには『学校に行かなくなっ』てしまいました。そんな親子の暮らしの一方で、かつての住居の大家であった『矢田のおばちゃん』の家に変化が生じます。『大きな祭壇が出来』、『そこに知らない人たちが出入り』し、そして『「サトラコヲモンサマ」という、なんだか声に出したくなる神様のようなものを祀っている』『矢田のおばちゃん』。『いわゆる「新興宗教」の知識はなかった』歩でしたが、『何らかのことが行われている、ということは理解し』、その一方で『全く変わっていない』『矢田のおばちゃん』自身との差異に戸惑います。一方で姉の貴子は『矢田のおばちゃん』の元へと『頻繁に行くようになっ』ていきます。そして、『姉が出かける』ようになったことで『気兼ねなく恋人と会う』ようになっていく母親。バラバラになっていく圷家(今橋家)の中で、中学、高校、そして大学へと階段を上がっていく歩の青春の日々が描かれていきます。

    『いつかまたエジプトに戻ってくるよ!』とメイドのゼイナブに別れを告げ、帰国の途へとついた歩、貴子、そして母親の三人。テヘラン、大阪、そしてカイロと印象的な都市をダイナミックに移り住んだ圷家の日常が描かれた上巻に続き、この中巻では、両親の離婚に伴い、大阪の新しい家で暮らすことになった歩の日常が描かれていきます。年代としては1987年から2002年頃までの15年が描かれる物語は主人公である歩の”青春物語”と言ってよいと思います。そんな物語は、リアルな時代の描写とワンセットになっています。上巻では1979年にイランで勃発した『ホメイニによる、革命』が作品の背景に描かれていました。そして、この中巻では、対象となる15年の間に起こったこととして1995年のあの出来事が描かれます。

    『1月17日の早朝、僕は自分のベッドで、飛び上がった。印象として、地底から大きな大きな拳で突き上げられたような感覚だった』と描かれるのが、”阪神・淡路大震災”です。そんな震災を取り上げた作品としては原田マハさん「翔ぶ少女」、湊かなえさん「絶唱」などいずれも関西ゆかりの作家さんが取り上げた作品が思い浮かびます。そんな中で西加奈子さんが描く震災後の街の姿を描写した表現は端的な中にとてもリアルです。

    『ドミノのように倒れた建物、巨人にちぎられたような高速道路、その先端から半分飛び出したバス、あちこちから上がる炎と、増え続ける死者の数』。

    そんな光景の中に『学校へ行くと、皆落ち着かなかった』という高校生の歩の目に映る震災後の光景の描写は、分量は多くはありませんが、中巻の中で強く印象に残る場面です。また、それは後述するこの中巻における歩の人間関係にも大きな影を落とすことにもなっていきます。

    そんなこの中巻で、”阪神・淡路大震災”が歩に大きな影響を与えたとしたら、姉の貴子に大きな影響を与えることになったのが、『矢田のおばちゃん』の家に出来た『大きな祭壇』と、『祭壇に何かをそなえ、熱心に拝んでゆく』『知らない人たち』の存在でした。そんな祭壇に『サトラコヲモンサマ』と書かれた札の存在。そんな奇異な光景の一方で『矢田のおばちゃん』は、『全く変わっていない』という不思議感。どう考えても『新興宗教』の匂いプンプンなのに『矢田のおばちゃん』が平然と描かれることでの不思議感。『新興宗教』と関わっていく家族を描いた作品は今村夏子さん「星の子」などがありますが、この作品では『矢田のおばちゃん』の存在がこの作品に怪しいというより奇妙奇天烈な雰囲気感を作り出していきます。このことについては、中巻結末に” ( ˙࿁˙ )ポカーン “となるオチをもって決着していきますので、これから読まれる方には是非この『サトラコヲモンサマ』の展開にもご期待ください。ただその『サトラコヲモンサマ』に姉の貴子が巻き込まれていくことになる物語は、貴子の未来にも影響を及ぼしていきます。『サトラコヲモンサマ』に関わったが故に天から地へと堕ち、文字通り紆余曲折の人生を送っていく貴子。そんな貴子はどんどんはち切れる人生へと歩んでもいきます。中巻は圷家(今橋家)の人々の人生が上巻以上にダイナミックに浮き沈みしていきますが、その中でも貴子の人生はある意味壮絶の極みと言ってよいと思います。

    そんな中巻の物語は、主人公の歩自体は
    ④大阪
    ⑤東京
    と移り住んでいきますが、家族の暮らしはバラバラにもなっていきます。上巻同様、そんな四人を整理しておきましょう。

    ・父親 憲太郎: 母親と別れた後も『1ヶ月に一度ほどは』歩と会う。歩たちの『養育費、生活費』だけでなく、『夏枝おばさんと祖母へ』も仕送りを続ける。やがて、ドバイへと赴任する。

    ・母親 奈緒子: 『働かず』『どんどんだらしなくなっていく』。また、『様々な恋人を作る』。貴子と『激しく罵りあ』うなど関係が悪化。

    ・姉 貴子: 学校にとけこむことに失敗し、『学校に行かなくな』る。『矢田のおばちゃん』と『サトラコヲモンサマ』で関わりを持ち堕ちていく。

    ・歩: 『僕には伝家の宝刀、存在を消すという技があった』という特技も駆使しつつ、中学・高校、そして大学生活に青春を見る。

    カイロから帰国後、まさしく4者4葉の人生を生きていく圷家(今橋家)の人々。そんな中でこの中巻では、主人公の歩により光が当たっていきます。それは、『地元のサッカークラブへの入会』をきっかけに、『校外に友人が出来たことで、僕の世界は一気に広がった』という、ある意味”どストレート”なまでの”青春物語”です。”青春物語”につきものと言えば、『生まれて初めて彼女が出来た』という『色恋沙汰』は欠かせません。『告白の風が吹き荒れた』という中、『サッカー部でも、「お前誰好きやねん?」は、もはや合い言葉のようになった』と盛り上がっていく中に、初めての彼女と付き合っていく歩の物語は、彼の誕生から今までの成長を知る読者には、どこか我が子を見る親の立場からの感情も湧いてきます。また、その先には『僕は、高校2年生の冬に童貞を捨てた』と、これまた通過儀礼を経て大人になっていく歩の姿も描かれます。この辺り、まさしく”どストレート”な”青春物語”です。姉の貴子の青春がある意味痛々しい、”陰”の物語である分、煌びやかに大人の階段を上がっていく歩の姿は、まさしく”陽”を感じさせます。姉と弟が歩むそれぞれの人生の絶妙な位置付け。この辺りも読みどころだと思いました。

    そんな歩ですが、上巻ではエジプシャンのヤコブとの関わり、『僕らにしか分からない言葉』である『サラバ。』という言葉で繋がりあった二人の物語がとても印象的に描かれていました。そんなヤコブの役割を果たすのが高校で同じサッカー部員となった須玖(すぐ)でした。『僕の目を引く独特の雰囲気を持っていた』という須玖を特別視していく歩は、須玖を自宅に招き、やがて『今橋家の新しい家族みたいな雰囲気になっ』ていくなど、その存在感がどんどん増していきます。そんな『僕と須玖の友情は、僕に彼女が出来ても変わらなかった』とどこまでも続いていきます。カイロ時代にヤコブとの間に交わされた『サラバ。』のような象徴的な言葉が生まれるわけではありませんが、高校生の歩の青春にはなくてはならない存在です。男と男の固い友情を描く歩と須玖の物語は中巻の大きな山場だと思いました。そして、そんな山場は上記もした大きな出来事によって大きく変化していきます。

    中巻は〈第三章 サトラコヲモンサマ誕生〉と、〈第四章 圷家の、あるいは今橋家の、完全なる崩壊〉の二章から構成されており、舞台も大阪から東京へと移り、主人公の歩もいよいよ大人の時代へと足を踏み入れます。そこには、『僕の中で小説は、間違いなく「読むもの」だった』と次の人生に続く起点が描かれてもいきます。上巻とは全く雰囲気感も異なる物語の中に、圷家(今橋家)の次の15年を追った中巻の物語。上巻で張られた伏線を回収しながら、下巻へと向けた新たな伏線も張られていく物語。中巻というなかなかに難しい立ち位置の物語を歩の”青春物語”とすることで、独特な甘酸っぱさも感じさせる絶妙な物語に仕上がっていたように思います。

    『いつか必ず、エジプトに戻ってくるんだ』。そんな思いをあっという間に過去に見やる中に、中学、高校、そして大学へと進んでいく歩の青春を見るこの作品。そこには、『サトラコヲモンサマ』にまつわる物語や、そんな物語の犠牲にもなっていく貴子の浮き沈みの人生が、歩の人生の”陰”になるように描かれていました。”阪神・淡路大震災”などの描写によって、時代感を上手く作品に取り入れたこの作品。『新興宗教』の怪しさをこれぞ関西的なオチで上手くまとめていくこの作品。

    歩の人生を描いていく物語であることが、中巻になってよりはっきりしていく展開の中に、読者を飽きさせない西さんの構成力が光る、そんな作品でした。


    物語はいよいよ結末へと向かいます。では、下巻へと読み進めたいと思います!

  • 両親の離婚、帰国
    父のお金で大阪に住み
    母は恋人を作り続け
    姉は矢田のおばちゃんの
    サトラコモンサマの信仰にのめり込む
    歩は高校生活を満喫していた
    何事もないような
    なんかおかしいような
    チグハグな家族
    そして1995年の地震

    そこからまた何かが変わり
    姉、元父はドバイへ
    歩は大学生として東京へ
    元圷家はさらにバラバラになる
    姉、母、元父は
    何を求めて動いているのか
    歩には知る由もなく
    知ろうともせずただただ
    日々楽しく生きる

    いよいよ最終章へ
    今のところなんだかなあ
    と言う感じ

  • 歩君、小学生から26歳まで。
    歩少年家族は、エジプトから日本へ帰国。エジプトで親友と別れを惜しみながら。
    両親は、訳あって帰国同時に離婚。
    小学5で編入、中学、男子高、東京の大学、フリーのライターへ。
    姉は日本の学校制度、社会生活に馴染めず、引きこもり生活、知り合いの宗教的おばさんのところには出入りしている。結局、父親の海外赴任先に再びついていく。
    兄弟も息子もいないので、その時期の男の子が、わりあいとくだらない事を考えたり、じゃれあったりしている事を知れて面白かった。
    小説が大河風になって、その時の社会情勢や事件事故に触れてくる。多少は、彼らに影響を与えるが、覆すほどではないかな。
    何処へ向かっているのかわからないけれど、退屈しない小説です。

    • 1Q84O1さん
      ひま師匠、自称人柄、自称カリスマ、つまりは自称二冠王ですねw
      ひま師匠、自称人柄、自称カリスマ、つまりは自称二冠王ですねw
      2023/08/02
    • おびのりさん
      スパダリかーい
      スパダリかーい
      2023/08/02
    • ひまわりめろんさん
      そんな褒めんでも(〃ω〃)
      そんな褒めんでも(〃ω〃)
      2023/08/02
  • 上巻に引き続き面白かったです。

    初めて彼女ができた頃の話はその年頃の男子と女子の違いがわかりやすく、興味深かったです。
    女子はませていて、男子は子供っぽいってよく言いますもんね。
    男の子同士のわちゃわちゃが楽しくて仕方ないんだなーと妙に納得。

    お父さん一体何をしたんや…。
    それが気になって仕方ない!!
    どこをどうとっても素敵なお父さんなのにな。
    その真相を追い求めて下巻へ!

  • 両親の離婚により圷歩から今橋歩に。

    サッカー少年となる歩。
    男子高入学、そして圧倒的な自慰の日々。
    歩が親友となる須玖が読んでいた本はジョン・アーヴィングの「ホテル・ニューハンプシャー」。僕も好き。

    ここまできて「そっか、この小説、ジョン・アーヴィングの影響受けているんだ」って気づいた。
    そしたら、この小説、余計面白く感じてきた!
    従って、評価4→5に上げることにする。

    阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件を経て空中分解していく家族。そして、歩は東京の大学へ。
    女の子とやりまくる放蕩の日々を送ったり、オタクな映画サークルに入ったりする。

    そして、ろくに就職活動もせず、フリーのライターに。

    一方で、自分で信じるものを探す宗教的放浪をする姉は…
    リタイア後出家する父は…
    気ままに恋愛して「幸せになる」と宣言する母は…

    下巻も楽しみです!

    ところで、須玖のアーヴィング評に唸らされる。
    ー アーヴィングは、物事をすべて等間隔で見てる感じがする。
    確かに!
    僕はアーヴィングの小説のそこが好きなんだな、と改めて思った。「ガープの世界」とか、「ホテル・ニューハンプシャー」とか、「サイダーハウス・ルール」とか、物事を等間隔で見てるフェアな感じがすごくいいんです。

    さて、昨日、2022年2月22日はスーパー猫の日だったとのこと…
    それにしても、サトラコヲモンサマってなんやねん。

    • 5552さん
      たけさん、おはようございます。

      アーヴィング、『ガープの世界』しか読んだことないけれど、映画はけっこう観ています。好きな世界観です。
      ...
      たけさん、おはようございます。

      アーヴィング、『ガープの世界』しか読んだことないけれど、映画はけっこう観ています。好きな世界観です。
      物事を等間隔で見ている――なるほどです。
      私はそこに彼の優しさを感じます。
      たけさんが、アーヴィングをお好きだと書かれていて、ああ、そうなんだ、と納得しました。
      たけさんのレビュー、アーヴィング感があるような気がします。
      2022/02/24
    • たけさん
      naonaoさん、こんばんは!

      遅ればせながらの「サラバ」です。
      前に読もうとした時は、突如の読書スランプに陥って読めなくなったんですよ。...
      naonaoさん、こんばんは!

      遅ればせながらの「サラバ」です。
      前に読もうとした時は、突如の読書スランプに陥って読めなくなったんですよ。
      図書館で予約して、結構待ってようやく借りてきたのに1ページも読まずに返却しました。

      今読んでみて面白すぎてびっくり。うれしい再会でした。

      ラストがすごく良かったんですね!楽しみです。
      2022/02/24
    • たけさん
      5552さん、コメントありがとうございます!
      「アーヴィング感がある」なんてめっちゃ嬉しいです!

      アーヴィングの小説の映画版も「ガープ」「...
      5552さん、コメントありがとうございます!
      「アーヴィング感がある」なんてめっちゃ嬉しいです!

      アーヴィングの小説の映画版も「ガープ」「ホテル・ニューハンプシャー」「サイダーハウス・ルール」どれも素晴らしいですよね。「サイモン・バーチ」ありましたね。どれも原作が長過ぎて、端折られる部分が非常に多いですけど、エッセンスはしっかり感じられて大好きです。
      2022/02/24
  • 主人公の学生生活が楽しい、お姉ちゃんは社会からドロップアウトしていくのかな。

    初めての彼女と付き合って後悔するくだりが最高!
    主人公が意識していない周りからの評価が思っているより高く、彼女の友達まで調子に乗りだすところも楽しい。

  • 上巻から少し間が空いてしまいましたが、中巻読了しました。あと一冊!

    中巻は、歩の帰国から始まり中学、高校、大学を経て20代半ばまでを描いています。相変わらずの家族の激動ぶりと新要素である恋愛絡みの描写が目を引きます。

    圷家の良心であるお父さんのはずがあなたもだったのか、という最後から、下巻でどう終わりへと向かっていくのか楽しみです。

  • 両親の離婚、エジプトからの帰国というイベントから始まる歩くんの、主に学生時代が描かれている中巻

    離婚して離れてもなお家族を養い続けるお父さんにぶら下がる、相変わらずクセツヨな家族たち
    祖母、親戚、近所のおばちゃん等女性が多い中できっと耳年増みたいになっちゃったんだろうなぁ変に達観してるつもりの歩くんは男子校に通い、ヤコブに代わる親友と呼べる須玖くんと出逢い、映画や音楽などのカルチャーにとても影響を受けていくところはものすごく青春な感じがしてうらやましいほどだ
    しかし度々語られる自意識過剰?
    自分の容姿に並々ならぬ自信を持っているところやクセツヨ家族の中で当り障りなく過ごすために手に入れた処世術で世の中うまく渡ってる感じが癇に障るというか気になっちゃう

    大阪→東京と場所を変え、学生からライターとなる大人になるまでの歩くんとその家族の激動の歴史を怒涛のように浴びせれた感
    なんていうか、例えば「国宝」のように何かを成した人の人生ならば興味も湧こうものだが、ちょっと変な家族のもとに生まれた帰国子女の男の子の人生を延々と語られてもなぁって思うけど、結構気になるもんで、読む手が止まらんのですよ

    この中巻で判明するサトラコヲモンサマの正体には…笑
    あと巻貝の存在感www
    下巻も楽しみです!

  • 中間になってどんどんおもしろくなってきた 西加奈子さんは女性なのに男の思春期の心情をよくわかっていてすごい 主人公が幼いころから描かれているので、だんだん自分のことのようにおもえてくる 下巻も楽しみである

  • 幼少期の上巻から、中学生〜高校生〜大学生、そして社会人になっていく。

    徐々に感情の機微も成長していって、普段、人が心の中で感じてる葛藤のようなもの、不遜で不文律な思いが言葉にして表現されてるような感じ。

    LGBTQ、宗教的なこと、性に対して開放的で遊び感覚な表現、、、アーティスティックで文芸的な表現、音楽や映画への論評、コトバの選び方、、、

    姉や母に対しての嫌悪感は歩に自分がなったんじゃないかって思うくらい、気づいたら入り込んでしまってる。夢中になって読み進めた中巻!

    下巻が楽しみ!!

  • 面白いです。こういう人生小説みたいなのは個人的に飽きやすいのですが、圷(あくつ)家の僕以外の全員がだいぶズレていて、マトモな身内がいないという中で育っていくので、これからどういうふうに心が成長していくのか、乗り越えていくのか楽しみで読んでしまいます。
    自分以外の家族があまりにも変わっているので、少し哀れに思うのですが、中巻はあまりにも家族がみんな変でおかしくて笑ってしまいそうになりました。

  • 上・中・下巻とかなりボリュームのあるこの作品だが、
    中巻にきて冗長することなく、エネルギッシュに突き進んでる。

    「いい子」から一転、退廃的な青春を送る歩に目が離せなくなった。
    それでも周りが生きづらい連中だらけの中、しれっとお洒落でこなれた大人になっていく歩。
    そういや世を渡る術は幼少期から長けていたなぁ。でもなんだか器の狭さの自覚が薄れたようで、いけすかない奴になってきた。ヤコブとつるんでた頃の純粋さが懐かしい。

    巻貝の再登場に思わず笑ってしまった。
    須玖くんの再登場もお願いします!

  • 両親の離婚、それに伴う帰国から、歩がライターとしての仕事が軌道に乗り始めた26歳まで。

    日本に帰国して母子3人の生活が始まるが、当然雰囲気は最悪である。歩は相変わらず、ハイスペックをひけらかすことなく、しかしそつなく学生生活を送っていく。恋愛事情とかも、いかにも男子中学生の恋愛、って感じで、男友達といる時の心地良さと恋が成就した後彼女と過ごす時間を天秤にかけて悶々とする描写のリアリティには驚かされる。

    そして須玖との出会いである。どうしてもヤコブと重ねながら読んでしまう。歩は曲者揃いの圷家、あるいは今橋家で揉まれて育っただけあって、人を見る視点が一貫(その軸を作ったのは主に、というかほぼ姉である)しているし、その歩のお眼鏡にかなった友人はとても素敵な人物に思える。しかし須玖との関係もあまり長くは続かず。

    中巻の最後、父と母の離婚の事情がまだわからないとはいえ、どこまでもお人好しな父を歩が責める場面では、歩が父を想う複雑な、歯痒い感情を爆発させている。身勝手に自分の道を進む母や姉に求めていることを、父がやってのけてしまった。ちゃうねん、そっちじゃないねん。みんな何にも言わんと決めて。こんな感情自分は味わったことないけど、歩に共感させられてしまう、そんな描写だった。

    父と母はなぜ離婚したのか。姉はどこに向かうのか。歩は、最終的に鴻上を選ぶのか。この話は最終どこに着地するのか。下巻が楽しみです。

  • 先が読めない展開がテンポよく続き面白い!

    歩の事なかれ主義に何度もイライラした。だけど、母と姉の我の強さなど、家庭環境が影響していると思うと憎みきれない。そう考えると、私が本当に苦手なのは親であることより、女であることを優先する母かもしれない。

    姉が巻貝になっていたのが1番笑った。姉は悪い人ではないけど生きずらくて可哀想。自分らしい生き方を見つけられるといいな。

    今回の方が上巻より圷家の人達に感情移入できたので、益々楽しむことができた。下巻がどんなラストになるか全く読めない。続きに期待!

  • すげえ面白い。
    上巻はエジプトが特異点過ぎて没入し切れなかった感がある。舞台が日本に戻ってきて地に足が着いて読める。

    まったく思春期の男の微妙な自意識をなぜこうも見事な解像度で再現できるのか?男だけで群れて盛り上がってムレてる感じ。いったいどうやって摂取すんの?何人の息子を育てたら得られる解像度なん?実は男なんか?「スカしてる」奴の心理を言語化してくれて今やっと理解したわ。

    わかるよ。同性だけの方が楽である部分は多分にある。異性間には生じ得ないと思っていた、ジャイアンでいう「心の友」。肉体的な繋がりではなく文化的に繋がれる関係。しかし大学に進んでわかる。異性でも友達になれるんだということ。

    ヤリまくってたのは羨ましい限りではあるけど、そういった刹那的な関係や、修羅場というのが物書きにとっては生命線といおうか、経験が活きる部分は多分にあると思う。色んな意味で羨ましい。

  • 主人公の成長に合わせて思考が変化していく様子を表現する書きぶりが見事。上巻で、もやもやした印象をもったのは、描かれている主人公の子供っぽさが原因だったのかもしれない。そう考えると、まさに作者の書きぶりに印象を操作されたということか。下巻が楽しみ。

  • 主人公:歩がエジプトから帰国した小学5年生〜中学、高校、大学を経て26歳になった青春期が書かれた中巻。

    「サトラコヲモンサマ」の謎は解明されるが、まだまだ「なぜ?」は下巻にたくさん回答があるのだろうと期待してる。

    表題の「サラバ!」はキーワードなのか? 須玖くん、ヤコブはまた登場するか? さぁ、最終巻へ!

  • エジプトから帰って来てからの、歩青年期。

    須玖、鴻上、新しいキャラが出てくるが、一体これはどういう小説なのだろう?
    下巻を読むまで全く予測できない。

    淡々と歩の一生を書いた物語なのか?
    それとも??

  • ライトな読み口でとても読みやすく、しかし、人生や人間の本質をついていてとてもリアルであるところに魅了された。

    人は何かしらの拠り所を求めているのではないか。すがれるものを求めているのではないか。

    何に縋るかよりも、縋る行為自体が重要な役割を果たしているのでないのか。

    このように考えると、信じることの定義を改めて考えさせられた本だった。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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